退職して次の仕事を探す人は、雇用保険の基本手当、一般にいう「失業給付」を受けられる場合があります。自己都合で辞めた人も対象です。働く意思と能力があり、必要な雇用保険の加入期間を満たす人が、ハローワークで求職を申し込んで受給します。
国の雇用保険による給付で、貸付ではありません。離職票の理由が実態と違う場合は、その事情をハローワークへ伝えてください。会社の記載だけで最終決定する仕組みではありません。
確認日:2026年10月8日。金額は2026年8月1日からの基準を掲載しています。ハローワーク「基本手当」
受給資格は原則「離職前2年に加入12か月」
基本手当を受けるには、就職できる状態で仕事を探しており、次の加入期間の要件などを満たす必要があります。
表は横にスクロールできます。
| 離職理由など | 必要な被保険者期間 | 給付制限の基本 |
|---|---|---|
| 正当な理由のない自己都合など | 原則、離職前2年間に通算12か月以上 | 2025年4月以降の離職は原則1か月 |
| 倒産・解雇などの特定受給資格者 | 離職前1年間に通算6か月以上でも可 | 原則なし |
| 雇止め・やむを得ない理由などの特定理由離職者 | 離職前1年間に通算6か月以上でも可 | 区分に応じて判断 |
被保険者期間は、単に在籍月数を数えるものではありません。賃金支払いの基礎となる日数や労働時間などで数え、ハローワークが離職票等から確認します。
病気やけが、妊娠・出産・育児などで今すぐ働けない人は、基本手当を今から受ける条件とは異なります。30日以上働けない場合などには、受給期間の延長を相談できます。延長は支給日数を増やすことではなく、受給できる期間を後へ延ばす手続きです。厚生労働省の基本手当Q&A
7日の待期と、自己都合の給付制限は別
| 段階 | 何をするか・いつ支給されるか |
|---|---|
| 求職申込み・受給資格決定 | 離職票などを提出。資格と離職理由を確認 |
| 待期 | 決定後の失業している日が通算7日に達するまで。離職理由を問わず必要 |
| 給付制限がある人 | 待期後、原則1か月などの支給されない期間 |
| 失業認定 | 原則4週間に1回。求職活動と就労・収入を申告 |
| 支給決定・振込 | 認定された日数分を支給 |
2025年4月1日以降に離職した正当な理由のない自己都合は、給付制限が原則1か月です。離職日前5年間に同じ理由で2回以上受給資格決定を受けた人や、本人の重大な責任による解雇は3か月です。2025年3月31日以前の自己都合離職は原則2か月という旧基準が適用されます。
待期や給付制限の満了日は、振込日ではありません。認定日と支給決定を経るため、初回の入金見込みはハローワークへ確認してください。雇用保険の手続き案内
一定の教育訓練を受けると給付制限が解除される
2025年4月1日以降に開始した教育訓練給付の対象講座、公共職業訓練等、短期訓練受講費の対象訓練などを、離職日前1年以内に受けた場合や離職後に受けている場合には、給付制限が解除される仕組みがあります。
受講申込みだけで自動的に解除されるわけではありません。開始日・修了日の証明などを添えて申し出ます。離職前の訓練を途中でやめた人、重責解雇された人などは対象外です。
受給資格決定前に修了している人は修了日の証明、決定後に開始する人や決定時に受講中の人は開始日の証明を準備します。教育訓練給付の申請で提出済みの場合は、その旨も伝えます。
申出日は受給資格決定日や初回認定日、受講開始直後の認定日など、開始時期により異なります。給付制限が2か月以上の場合には別の期限の扱いもあるため、訓練開始日を伝えて申出期限を確認します。厚生労働省の解除案内、教育訓練給付金の記事
「会社都合か」は退職の経緯と資料から決まる
倒産・解雇だけでなく、退職勧奨、労働条件の著しい相違、一定の賃金未払い、長時間労働、嫌がらせなども特定受給資格者となる可能性があります。
主な基準には、賃金の3分の1を超える額の未払い、予見できなかった賃金の85%未満への低下、離職前6か月のうち連続3か月で各月45時間超・1か月100時間超・連続2か月以上の平均月80時間超の時間外労働などがあります。退職との関係も含めて判定されます。
自ら常設の早期退職優遇制度へ応募した場合、本人の重大な責任による解雇などは扱いが異なります。有期契約の雇止めも、更新の明示、契約期間、本人が更新を希望したかにより区分が変わります。特定受給資格者・特定理由離職者の範囲
離職票-2が実態と違う場合は、受給手続きで「離職理由に異議がある」と伝えます。解雇・退職勧奨の通知、雇用契約書、給与明細、入金記録、タイムカード、会社とのメール、ハラスメント相談記録などを持参してください。
在職中の離職証明書も内容を確認し、空欄や事実と違う理由にそのまま署名しないようにします。離職票が届かない、会社と連絡できない人もハローワークへ相談できます。
給付日数は一般90〜150日。倒産・解雇などでは90〜330日
一般の離職者は、加入期間10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日です。特定受給資格者などは離職時の年齢と加入期間で変わります。
下表は加入期間1年以上の特定受給資格者等の表です。数字は「1〜5年未満/5〜10年未満/10〜20年未満/20年以上」の順です。
| 離職時の年齢 | 加入期間別の日数 |
|---|---|
| 30歳未満 | 90/120/180/該当なし |
| 30〜34歳 | 120/180/210/240 |
| 35〜44歳 | 150/180/240/270 |
| 45〜59歳 | 180/240/270/330 |
| 60〜64歳 | 150/180/210/240 |
加入1年未満の特定受給資格者等は90日です。障害などにより就職が困難な人には別の区分があり、最大360日となる場合があります。すべての特定理由離職者が上表と同じではありません。一定の雇止めによる人を特定受給資格者と同じ日数にする措置は、現行案内では離職日が2027年3月31日までです。公式の給付日数表
65歳以上で離職した人は、高年齢求職者給付金を確認してください。
基本手当日額の最新上限は7,450〜9,110円
原則、離職前6か月の毎月の賃金(賞与等を除く)を180で割った賃金日額をもとに計算します。給付率は60歳未満でおおむね50〜80%、60〜64歳で45〜80%。賃金が低いほど高い率です。
| 離職時の年齢 | 2026年8月1日からの日額上限 |
|---|---|
| 30歳未満 | 7,450円 |
| 30〜44歳 | 8,270円 |
| 45〜59歳 | 9,110円 |
| 60〜64歳 | 7,830円 |
下限は2,562円です。上限額が全員に支給されるわけではありません。2026年8月1日以降の支給対象日に新基準が使われ、改定のための別申請は不要です。受給資格者証や支給明細で自分の日額を確認します。厚生労働省・2026年8月の日額変更
離職票が届いたら早めに申請。受給期間は原則1年
持ち物は離職票-1・-2、マイナンバー確認書類、本人確認書類、写真2枚、本人名義の通帳またはキャッシュカードなどです。マイナンバーカードの提示で写真を省略できる場合があるため、管轄窓口へ確認します。
受給期間は原則として離職日の翌日から1年です。手続きが遅れると、受けられる日数を使い切る前に期間が終わります。病気などで働けない人は延長を、就職した人は再就職手当を相談してください。
受給中に働いた日や収入は、少額でも申告します。認定日を欠席する場合、入院する場合、アルバイトを始める場合も、自己判断せず届け出ます。認定対象の日数や就労・収入で振込額は変わります。
離職理由などの処分に不服がある場合は、労働局の雇用保険審査官へ審査請求できる場合があります。原則は処分を知った日の翌日から3か月以内。所定給付日数の決定は支給終了となった認定日の翌日など、処分によって起算日が異なるため、通知と窓口の案内で確認してください。
生活費が待てないときは、失業給付と一緒に相談する
家賃には住居確保給付金、年金保険料には免除・猶予、倒産で賃金が未払いなら未払賃金立替払制度も確認します。倒産・解雇・一定の雇止めなどでは国民健康保険料の軽減の対象になることもあります。
失業給付の入金前に食費も足りない場合は、自治体の生活相談や福祉事務所へ、所持金と支払日を伝えてください。


