まず、次の3つを確認してください
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受け取っている
- 同じ世帯の全員が、市町村民税非課税である
- 前年の年金収入と、その他の所得の合計が基準以下である
3つすべてに当てはまる方は、年金に上乗せして「年金生活者支援給付金」を受け取れる可能性があります。
ただし、この給付金は原則として請求が必要です。対象になっていても、手続きをしなければ受け取れないことがあります。
この記事では、50代から70代の方と、そのご家族に向けて、「自分は対象か」「いくら受け取れるか」「何をすればよいか」を順番に説明します。
最終確認:2026年8月1日/全国共通の制度です。
年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援給付金は、所得が一定以下の年金受給者を支えるため、年金に上乗せして支給されるお金です。
老齢基礎年金を受け取っている方のほか、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取っている方にも、それぞれの給付金があります。
この記事では、特に相談が多い「老齢年金生活者支援給付金」を中心に説明します。
30秒で確認|あなたは対象になりそうですか
| 確認すること | 当てはまりますか |
|---|---|
| 65歳以上ですか | はい・いいえ |
| 老齢基礎年金を受け取っていますか | はい・いいえ |
| 同じ世帯の全員が市町村民税非課税ですか | はい・いいえ・分からない |
| 前年の年金収入とその他の所得が基準以下ですか | はい・いいえ・分からない |
「分からない」があっても、すぐに対象外とは限りません。市区町村の税の窓口、年金事務所、給付金専用ダイヤルで確認できます。
2026年度はいくら受け取れますか
2026年度の給付基準額は、月額5,620円です。2025年度より170円増えました。
ただし、全員が一律に5,620円を受け取るわけではありません。実際の金額は、国民年金保険料を納めた期間や、免除された期間などによって計算されます。
| 給付金の種類 | 2026年度の基準額 |
|---|---|
| 老齢年金生活者支援給付金 | 月額5,620円を基準に計算 |
| 障害年金生活者支援給付金(1級) | 月額7,025円 |
| 障害年金生活者支援給付金(2級) | 月額5,620円 |
| 遺族年金生活者支援給付金 | 月額5,620円 |
参考として、日本年金機構が示す計算例では、保険料納付済みが240カ月、全額免除が60カ月の場合、月額は4,281円です。
所得の基準を確認する
老齢年金生活者支援給付金の所得基準は、生年月日によって少し異なります。
| 生年月日 | 老齢給付 | 補足的老齢給付 |
|---|---|---|
| 1956年4月2日以後 | 80万9,000円以下 | 80万9,000円超~90万9,000円以下 |
| 1956年4月1日以前 | 80万6,700円以下 | 80万6,700円超~90万6,700円以下 |
ここでいう所得は、前年の公的年金等の収入と、給与・利子などのその他の所得の合計です。障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。
「世帯全員が非課税」とは
本人だけでなく、住民票上で同じ世帯になっているご家族も市町村民税非課税であることが必要です。判断できないときは、お住まいの市区町村に確認してください。
対象にならない主なケース
- 65歳未満である
- 老齢基礎年金を受け取っていない
- 世帯の中に市町村民税が課税されている人がいる
- 前年の年金収入とその他の所得が上限を超えている
- 日本国内に住所がない
- 年金が全額支給停止になっている
- 刑事施設などに拘禁されている
世帯構成や所得が変わると、翌年に対象になることもあります。以前に対象外だった方も、案内が届いたら捨てずに内容を確認してください。
請求書が届いたら何をすればよいですか
はがき型の請求書が届いた方
氏名など必要事項を書き、目隠しシールと切手を貼って郵送します。提出期限は同封の案内で確認してください。
2025年1月以降に日本年金機構からはがき型の請求書が届いた方は、マイナポータルとねんきんネットを連携して電子申請することもできます。
これから65歳になり、老齢基礎年金を請求する方
老齢基礎年金の請求書と一緒に、年金生活者支援給付金の請求書を提出します。請求書は、65歳になる誕生日の前日以降に提出できます。
請求書が届かない、なくした、書き方が分からない方
そのままにせず、給付金専用ダイヤルか最寄りの年金事務所に相談してください。電話するときは、基礎年金番号が分かるものを手元に置いておくとスムーズです。
手続きが遅れると、受け取り開始も遅れます
給付金は、原則として請求した月の翌月分から支給されます。請求が遅れると、その分を受け取れない場合があります。
電子申請の場合、日本年金機構は、審査結果を受付日から1~2カ月後に郵送すると案内しています。支給要件を満たす場合は、その通知が届いた月または翌月の15日から受け取りが始まります。
2026年8月時点の補足
- すでに給付金を受給していて、引き続き要件を満たす方は、翌年以降の手続きは原則不要です。
- 継続判定は毎年行われ、判定結果は10月分(12月支払い)から1年間反映されます。
- 2025年分の所得が下がるなどして新たに対象となる方には、2026年9月ごろ請求案内が送られる予定です。
2026年9月ごろの案内と、毎年の判定
日本年金機構は、市区町村から提供される前年の所得情報などをもとに、年金生活者支援給付金の支給要件を毎年度確認します。
すでに受給している方が引き続き要件を満たす場合、翌年以降の手続きは原則不要です。一方、一度対象外になった方が再び要件を満たした場合は、改めて請求が必要です。
2025年分の所得が下がるなどして新たに対象となる方には、2026年9月ごろ請求案内が送られる予定です。請求して支給要件に該当すれば、2026年10月分(12月支払い)から受け取れます。案内が届いたら、提出期限を確認して早めに手続きしてください。
世帯構成の変更や税額の更正で要件を満たすようになったのに案内が届かない場合は、給付金専用ダイヤルか年金事務所へ相談してください。
振込時期と通知書の確認
給付金は、年金と同じく偶数月の中旬に、前月分までをまとめて振り込みます。年金と同じ口座・同じ日ですが、年金とは別の振込として通帳に記載されます。
日本年金機構は、2026年4月分からの支給金額を記載した改定通知書・振込通知書を、2026年6月3日から順次発送しています。通知書を紛失・棄損した場合は、再発行申請書を年金事務所へ郵送するか、給付金専用ダイヤルへ相談できます。
本人が書けない場合は、家族が代筆できます
目が見えにくい、手が動かしにくい、病気や認知症などで自分で書くことが難しい場合は、代理人などが代筆できます。
ご家族が電話で問い合わせる場合は、本人と代理人の基礎年金番号が必要になることがあります。
相談先
電話が混み合う場合は、最寄りの年金事務所でも相談できます。
詐欺に注意してください
厚生労働省や日本年金機構が、電話で口座の暗証番号を聞いたり、手数料の振り込みを求めたりすることはありません。
不審な電話や訪問があった場合は、その場で答えず、いったん電話を切って、日本年金機構や警察相談専用電話「#9110」に確認してください。
カネさんからひとこと
この制度で特に注意したいのは、「対象なら自動的にもらえる」と思い込まないことです。
はがきが届いたのに内容が難しくて、そのままにしてしまう方もいます。本人だけで抱え込まず、ご家族や年金事務所に相談してください。確認の電話一本が、受け取り忘れを防ぐことにつながります。
公式資料
- 厚生労働省|年金生活者支援給付金制度について
- 日本年金機構|老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要
- 日本年金機構|2026年度の支給金額
- 日本年金機構|年金生活者支援給付金の電子申請
- 日本年金機構|毎年の手続きと継続判定
- 日本年金機構|2026年10月分からの判定
- 日本年金機構|2026年4月分からの通知書
制度や金額は変更される場合があります。申請前に、必ず日本年金機構または厚生労働省の最新情報をご確認ください。
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