日本年金機構から「年金請求書」が届くと、「すぐに書いて返送すればいいのか」「65歳になる前でも提出できるのか」と迷うことがあります。
状態:請求書が届いた・手続き確認
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日本年金機構から老齢年金請求書が届き、いつ何を確認・提出すればよいか迷っている人
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次に取る行動:請求書の氏名・基礎年金番号、年金加入記録、65歳から受け取るか繰下げるかを順に確認し、必要書類と提出先を決める。
まず押さえたいのは、次の3点です。
- 老齢年金は、受給する資格ができても自動では始まらない
- 65歳から受け取る最初の請求書は、原則として65歳になる前には受け付けられない
- 受け取るか、繰下げるかで、請求書の書き方と提出方法が変わる
この記事では、老齢年金請求書が届いた後の確認順序、必要書類、提出先、電子申請、繰下げを選ぶ場合の注意点を整理します。
老齢年金請求書とは?
老齢年金請求書は、老齢基礎年金や老齢厚生年金を受け取るために提出する書類です。
老齢基礎年金は、受給資格期間が10年以上ある人が原則65歳から受け取れます。老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格期間があり、厚生年金保険の加入期間がある人が対象になります。生年月日などの条件により、65歳前に特別支給の老齢厚生年金を受け取る人もいます。
年金を受け取る権利が発生しても、請求手続きをしなければ支給は始まりません。請求書が届いた時点は、「支給が決まった」という意味ではなく、年金を受け取るための手続きを始める時期です。
請求書はいつ届く?
日本年金機構は、受給開始年齢に到達するおおむね3カ月前に、基礎年金番号、氏名、住所、年金加入記録などがあらかじめ印字された「年金請求書(事前送付用)」を送ります。
発送元は、加入記録によって日本年金機構または共済組合になります。厚生年金、国民年金、共済組合の記録が混在している場合でも、最終的な加入記録や年金の種類によって送付元が変わるため、封筒の差出人と同封案内を確認します。
65歳から初めて年金を請求する人
65歳になる人には、原則として65歳到達の3カ月前に請求書が送られます。
65歳から受け取るための紙の請求書は、65歳になる前には受け付けられません。戸籍や住民票などの書類も、受給権発生日以降に発行されたものが必要になる場合があります。
特別支給の老齢厚生年金を受け取っている人が65歳になる場合
65歳前から特別支給の老齢厚生年金を受け取っている人には、65歳になる誕生月の初め頃に、65歳以後の年金についての請求書が送られます。1日生まれの人は、誕生月の前月が基準になる案内です。
この場合は、原則として誕生月の末日までに提出します。1日生まれの人は、誕生月の前月末日が提出時期になります。
請求書の種類によって提出時期が異なるため、個別に届いた案内の「請求時期」を優先してください。
請求書が届いたら、最初にすること
届いたその日に急いで記入するより、次の順番で確認すると間違いを減らせます。
1. 氏名・住所・基礎年金番号を確認する
請求書に印字された氏名、住所、生年月日、基礎年金番号などを確認します。
住所や氏名が現在と違う場合は、そのまま提出せず、変更手続きが必要か年金事務所へ確認します。基礎年金番号や年金加入記録に誤りがある場合も、記入を進める前に相談します。
2. 年金加入記録を確認する
請求書には年金加入記録が印字されています。勤務先、厚生年金の加入期間、国民年金の納付・免除期間などを自分の経歴と照らし合わせます。
次のような時期に空白や違和感がないかを確認します。
- 転職・退職した前後
- 会社員から自営業になった時期
- 扶養に入った、または扶養から外れた時期
- 免除・猶予を申請した時期
- 共済組合に加入していた期間
「もれ」や「誤り」があれば、勤務先が分かる資料、給与明細、年金保険料の領収書、免除の通知などを用意して年金事務所へ相談します。
3. 受け取り方を決める
老齢基礎年金と老齢厚生年金を65歳から受け取るのか、どちらか一方だけ受け取るのか、両方を繰下げるのかを確認します。
令和8年4月以降に事前送付された請求書には、受け取り開始時期を選ぶ欄が設けられています。古い様式と記入欄が異なる場合があるため、手元の請求書と同封の記入案内を使います。
受け取るか、繰下げるかで手続きが変わる
| 希望する受け取り方 | 65歳時の基本的な対応 |
|---|---|
| 老齢基礎年金と老齢厚生年金を両方受け取る | 請求書に必要事項を記入して提出 |
| 両方とも繰下げる | 65歳時点では請求せず、受け取りたい時期に繰下げ請求 |
| 老齢基礎年金だけ受け取る | 請求書で基礎年金のみ受け取る選択を確認して提出 |
| 老齢厚生年金だけ受け取る | 請求書で厚生年金のみ受け取る選択を確認して提出 |
| 65歳より前に受け取りたい | 繰上げ請求の別手続きと減額の説明を確認 |
両方とも繰下げる場合
老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を繰下げる場合は、65歳時点で請求手続きをせず、66歳以降の希望する時期に手続きをします。
ただし、何もしないまま長期間放置するのは避けます。請求した時点から5年以上前の年金は、繰下げの扱いなどを除き、時効によって受け取れなくなる場合があります。
どちらか一方だけ繰下げる場合
老齢基礎年金だけ、または老齢厚生年金だけを65歳から受け取り、もう一方を繰下げることもできます。
請求書には、基礎年金だけを65歳から受け取る場合と、厚生年金だけを65歳から受け取る場合の選択欄があります。希望と反対の欄にチェックを入れないよう、提出前に家族や年金事務所と確認します。
繰上げを希望する場合
65歳より前に受け取る繰上げ請求は、年金額が減額されるなどの注意点があります。通常の事前送付用請求書をそのまま提出する手続きとは別に確認が必要です。
繰上げ・繰下げは、生活費、働き方、健康状態、配偶者の年金、加給年金などによって判断が変わります。金額だけで決めず、制度説明を受けてから選択します。
必要書類は、全員共通と人によって異なるものに分ける
基本的に用意するもの
- 年金請求書
- 本人の生年月日を確認できる戸籍謄本、戸籍抄本、住民票など
- 本人名義の受取先金融機関の通帳やキャッシュカードの写しなど
- 基礎年金番号やマイナンバーを確認できるもの
戸籍や住民票などは、受給権発生日以降に交付され、提出日において6カ月以内のものが必要になる場合があります。先に取得せず、請求書に同封された案内で有効期限を確認します。
日本年金機構にマイナンバーが登録されている単身者などは、戸籍謄本等の添付が原則不要になる場合があります。マイナンバーの登録状況や請求書の案内を確認してください。
配偶者や子どもがいる場合は追加書類が必要になることがある
配偶者や子どもについて、加給年金額や生計維持関係を確認する必要がある場合は、戸籍、住民票、所得を確認する書類などが追加で必要になることがあります。
別居、事実上の婚姻関係、子どもの障害状態、共済組合の加入期間などが関係する場合は、一般的な必要書類だけでは判断できません。請求書の案内に記載された追加書類を確認し、分からなければ年金事務所へ相談します。
受取口座を確認する
本人名義の口座を指定します。公金受取口座を利用する場合は、請求書の金融機関の証明や通帳等の写しが不要になる場合があります。
ただし、公金受取口座を変更しただけで、年金の受取口座まで自動的に変わるわけではありません。年金の受取口座を変更する場合は、別の受取機関変更届が必要です。
提出方法は、紙・窓口・電子申請から選ぶ
紙で郵送する
電子申請を利用しない場合は、必要書類を添えて郵送できます。提出前に請求書と添付書類をコピーし、送付日や追跡可能な方法を記録しておくと安心です。
年金事務所や年金相談センターの窓口へ行く
窓口で相談しながら提出したい場合は、年金事務所または街角の年金相談センターを利用します。請求書の内容、年金記録、配偶者や子どもの加算、繰下げの選択などを確認したい人は、予約相談を利用すると準備しやすくなります。
年金加入期間が国民年金のみの場合は、お住まいの市区町村役場が提出先になる場合があります。それ以外の場合は、近くの年金事務所または街角の年金相談センターが基本的な提出先です。提出先は加入記録によって変わるため、請求書の案内を優先します。
電子申請を利用する
日本年金機構から届いた事前送付用請求書に「電子申請のご案内」リーフレットが同封されている人は、一定の条件を満たせば電子申請を利用できます。
主な準備は次のとおりです。
- マイナンバーカード
- 署名用電子証明書のパスワード
- マイナポータルの利用者登録
- マイナポータルとねんきんネットの連携
- 公金受取口座の登録
電子申請では、マイナポータルから請求内容を確認し、配偶者や子どもの情報、受取口座などを入力し、電子署名を付けて提出します。提出後は、処理状況の確認もできます。
ただし、電子申請はすべての人が利用できるわけではありません。公金受取口座以外の口座を指定したい場合、特別な配偶者・子どもの書類が必要な場合、他の年金との選択が必要な場合、繰上げ・繰下げを希望する場合などは、紙の請求書を提出する案内になることがあります。
請求書に電子申請の案内がない場合は、電子申請できると決めつけず、紙で郵送するか年金事務所へ確認します。
電子申請には利用できる期間がある
電子申請の利用対象者については、老齢年金を請求できる誕生日の前日から、10カ月を経過する日までが申請可能期間と案内されています。
紙の請求書については提出期限がないと案内されていますが、年金の支払いには時効があります。請求を先送りにせず、請求書に記載された時期と提出方法を確認して、早めに手続きを進めます。
なお、誕生日、受給開始年齢、特別支給の老齢厚生年金の有無などで扱いが変わります。自分の請求書に同封された案内が、最も優先される確認資料です。
請求後は、すぐに振り込まれるとは限らない
請求書を提出すると、日本年金機構が加入記録、必要書類、受給権、受取口座などを確認します。
審査の結果は「年金証書・年金決定通知書」などで知らされます。電子申請の案内では、受付後おおむね1カ月程度で通知し、その後に振り込みのお知らせが届く流れが示されていますが、書類の不足や確認事項があると時間が延びる場合があります。
提出しただけで入金済みと判断せず、年金証書、年金決定通知書、年金振込通知書を保管します。
働きながら年金を受け取る場合は、別の調整を確認する
働いている人でも、老齢年金を請求できます。ただし、厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受け取る場合は、給与と年金の合計によって老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になることがあります。
これは請求書を提出できないという意味ではありません。年金を請求したうえで、在職老齢年金の仕組みにより支給額が調整されます。
年金生活者支援給付金の請求は、別に確認する
老齢年金請求書の手続きと、年金生活者支援給付金の請求は別の制度です。
電子申請の画面に、該当する人だけ支援給付金の請求項目が表示される場合がありますが、年金請求書を提出しただけで、すべての給付金の請求が完了するとは限りません。
年金生活者支援給付金は、年金の種類、所得、世帯状況などの条件を別に確認します。
請求書の記録に誤りがあるとき
請求書に印字された加入期間や勤務先に誤りがある場合は、空欄のまま提出して終わりにしないようにします。
まず、誤りと思う年月、勤務先、国民年金の納付状況をメモします。そのうえで、次の資料を用意します。
- ねんきん定期便や年金請求書
- 給与明細、源泉徴収票、雇用保険の資料
- 国民年金保険料の領収書
- 免除・猶予の決定通知
- 当時の勤務先や在籍期間が分かる資料
年金請求書の記録に「もれ」や「誤り」がある場合は、提出前に近くの年金事務所へ相談します。請求時期が迫っていても、記録を確認しないまま急いで提出せず、どの項目を確認したいのかを伝えてください。
どこに相談すればよい?
次のような場合は、年金事務所や街角の年金相談センターに相談します。
- 65歳前に提出できるか分からない
- 請求書に印字された記録が違う
- 戸籍や住民票が必要か分からない
- 配偶者や子どもの書類が分からない
- 繰上げ・繰下げの選択に迷っている
- 共済組合の加入期間がある
- 電子申請の案内が同封されていない
- 請求後に通知が届かない
相談時は、年金請求書、年金手帳や基礎年金番号通知書、本人確認書類、年金記録を確認できる資料を用意します。窓口相談は予約できる場合があるため、訪問前に公式サイトで確認します。
まとめ|届いたら「記録・受け取り方・提出方法」の順に確認
老齢年金請求書が届いたら、次の順番で確認します。
- 請求書の氏名、住所、基礎年金番号を確認する
- 印字された年金加入記録を自分の経歴と照らし合わせる
- 65歳から受け取るか、繰上げ・繰下げを希望するか決める
- 戸籍・住民票、口座情報、配偶者や子どもの追加書類を確認する
- 紙の郵送、窓口、電子申請のうち利用できる方法を選ぶ
- 受給開始年齢の前後など、請求書に書かれた提出時期を守る
- 年金証書・年金決定通知書・振込通知書を保管する
老齢年金請求書は、届いたらすぐに返送するだけの書類ではありません。年金記録と受け取り方を確認し、自分に必要な書類と提出先を選ぶための入口です。
公式情報
- 日本年金機構|老齢年金の請求手続きの流れ
- 日本年金機構|老齢年金請求書の事前送付
- 日本年金機構|65歳時の年金の手続き(老齢年金を初めて請求する方)
- 日本年金機構|初めて老齢年金を請求するとき
- 日本年金機構|老齢年金請求書の電子申請
- 日本年金機構|老齢年金請求書の電子申請ができる期間
- 日本年金機構|老齢年金の繰下げ受給を希望している方へのお知らせ


