国民年金は満額でも決して多くありません。第1号被保険者(自営業・フリーランスなど)が将来の年金を増やす方法は主に3つあります。
まず確認|自分に向いているのはどれか
付加年金と国民年金基金は同時に加入できません。どちらか一方を選びます。
Q1 あなたは第1号被保険者(自営業・フリーランスなど)ですか?
Q2 60歳時点で、受給資格期間や満額に足りていますか?
/まだ60歳前Q3へ進みます。
Q3 上乗せにどれくらい使えますか?
から付加年金。200円×付加保険料を納めた月数が毎年上乗せされます。2年受け取れば納めた保険料の元が取れる計算になります。
積みたい国民年金基金。選んだ口数に応じた掛金で、終身または確定年金として上乗せされます。
3つの方法の比較
| 方法 | どんな人向けか | 負担 | 増える年金 |
|---|---|---|---|
| 任意加入 | 60歳時点で受給資格期間や満額に足りない人 | 保険料を60歳以降も納める | 老齢基礎年金が満額に近づく |
| 付加年金 | 手軽に上乗せしたい第1号被保険者 | 月400円 | 200円×付加保険料を納めた月数が毎年上乗せ |
| 国民年金基金 | まとまった上乗せをしたい第1号被保険者 | 選んだ口数に応じた掛金 | 終身または確定年金として上乗せ |
付加年金と国民年金基金は同時に加入できません。どちらか一方を選ぶ必要があります。まず少額から始めたいなら付加年金、掛金を多めに積んで大きく増やしたいなら国民年金基金という使い分けになります。
- 付加年金は2年受け取れば納めた保険料の元が取れる計算になります
- 任意加入できるのは原則65歳まで(受給資格期間が足りない場合は70歳まで)です
- いずれも第1号被保険者向けで、会社員(第2号)は対象外です
任意加入|60歳以降も納めて満額に近づける
国民年金は原則として20歳から60歳まで加入しますが、60歳を過ぎても任意で加入できる制度があります。
任意加入の目的は大きく2つです。1つは、老齢基礎年金を受け取るために必要な受給資格期間を満たすこと。もう1つは、納付月数が480月(40年)に届かず、将来の年金額を増やすことです。
ただし、60歳になれば誰でも加入できるわけではありません。すでに繰上げ受給を始めている人や、厚生年金に加入している人は対象外です。
60歳以上65歳未満の主な条件
日本国内に住所がある60歳以上65歳未満の人が任意加入するには、原則として次の条件をすべて満たす必要があります。
- 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない
- 20歳以上60歳未満の国民年金保険料の納付月数が480月未満
- 厚生年金保険や共済組合などに加入していない
- 日本国内に住所があるなど、制度上の加入条件を満たしている
任意加入は、申出をした月から始まります。過去の未納月を、任意加入の手続きによってさかのぼって埋める制度ではありません。60歳の誕生日の前日から手続きできるため、加入を考えたら誕生日を待ちすぎずに記録を確認します。
65歳を過ぎても加入できる場合
65歳以上70歳未満の人でも、老齢基礎年金を受け取るための受給資格期間を満たしていない場合は、特例として任意加入できることがあります。
この特例には生年月日などの条件があります。日本年金機構の案内では、昭和50年4月1日以前生まれで、65歳になっても受給資格期間が足りない人が対象となる扱いが示されています。
65歳を過ぎてから「年金額を増やしたい」という理由だけで加入できる制度ではありません。受給資格期間が10年(120か月)に届いているかを、年金記録で確認することが先です。
令和8年度の国民年金保険料
令和8年度(2026年4月から2027年3月まで)の国民年金保険料は、月額17,920円です。任意加入中も、原則として保険料を納めます。付加年金を申し込む場合は、付加保険料が別に加わります。
60歳から65歳までの5年間をすべて納めると、最大60か月分を追加できます。ただし、実際の年金額は、これまでの納付済期間、免除期間、厚生年金期間などを含めて計算されます。納付した月数だけで受給額を決めつけず、年金事務所で見込額を確認します。
2026年度の金額を比べる目安:受給資格期間120か月を満たした後も65歳まで任意加入できる人について、日本年金機構は、保険料17,920円を1か月納めると老齢基礎年金の年額が1,765円増える例を示しています。単純計算では約10.2年の受給で納付額相当ですが、税・社会保険料、将来の年金改定、付加年金は含みません。任意加入の案内を確認し、ねんきんネットか年金事務所で本人の見込額を比べてください。
任意加入できない主なケース
- 老齢基礎年金の繰上げ受給を始めている
- 厚生年金保険や共済組合に加入している
- 20歳から60歳までの納付月数がすでに480月に達している
- 任意加入の対象となる年齢や住所の条件を満たしていない
任意加入中は、国民年金の免除・納付猶予・学生納付特例の申請はできません。保険料を払うことが難しい場合は、加入前に年金事務所へ相談し、任意加入が本当に適切か確認します。
申請先と必要なもの
日本国内に住む人の申請先は、住所地の市区役所・町村役場の国民年金担当窓口または年金事務所です。納付方法は口座振替が原則です。
持ちものは、次のようなものです。
- 通帳やキャッシュカードなど口座情報が分かるもの
- 基礎年金番号通知書、年金手帳など基礎年金番号が分かる書類
- マイナンバーで手続きする場合の本人確認書類
手続き窓口によって必要書類が変わることがあるため、訪問前に確認します。
付加年金・国民年金基金との関係
任意加入者は、条件を満たせば付加保険料を納めて付加年金を上乗せできる場合があります。一方、国民年金基金は加入資格や掛金のルールが別にあります。付加年金と国民年金基金は同時に利用できません。
「受給資格を作るための任意加入」なのか、「40年に近づけて年金額を増やす任意加入」なのかを分けて考えると、必要な手続きが見えやすくなります。
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公的資料
付加年金|月400円で上乗せする
国民年金には、定額の保険料とは別に月400円を上乗せして納める「付加年金」があります。対象になる人が申し込むと、老齢基礎年金に付加年金が上乗せされます。
ただし、会社員などの第2号被保険者や、第2号被保険者に扶養される第3号被保険者は対象外です。国民年金基金に加入している人も、付加保険料を納めることはできません。
付加年金はいくら増える?
付加年金の年金額は、次の式で計算します。
付加年金の年額 = 200円 × 付加保険料を納めた月数
例えば、5年間、60か月納めた場合は、付加保険料の支払総額が400円×60か月で24,000円になります。受け取れる付加年金は200円×60か月で年12,000円です。単純計算では、2年間受け取ると支払った付加保険料相当額になります。
これは老齢基礎年金に上乗せされる終身年金です。一方で、付加年金は定額のため、老齢基礎年金のような物価スライドはありません。将来の物価や生活費の変化も考え、付加年金だけで老後の不足額を埋める制度ではないことを理解しておきます。
対象になる人・ならない人
主な対象者は、次の人です。
- 国民年金の第1号被保険者
- 60歳以上65歳未満などの国民年金の任意加入被保険者
一方、次の人は付加年金を利用できません。
- 厚生年金に加入している会社員などの第2号被保険者
- 第2号被保険者に扶養されている第3号被保険者
- 国民年金基金に加入している人
国民年金保険料の全額免除・一部免除・納付猶予・学生納付特例を受けている人は、原則として付加保険料を納められません。ただし、産前産後期間の保険料免除中は付加保険料を納められる扱いがあります。免除の種類と国民年金基金への加入状況を確認してから申し込んでください。
付加年金は、国民年金の第1号被保険者や任意加入被保険者が、老齢基礎年金を上乗せするための制度です。自分の加入区分が分からない場合は、ねんきん定期便や年金事務所の記録で確認します。
申請先といつから納めるか
申込先は、住んでいる市区町村役場の国民年金担当窓口です。付加保険料は、申し込んだ月分から納めます。過去の月にさかのぼって付加保険料だけを追加することはできません。
納付期限は翌月末です。期限を過ぎても、期限から2年を経過するまでなら納められる場合があります。ただし、申込み前の月分を後から追加できるわけではないため、対象だと分かったら早めに相談します。
国民年金基金との違い
付加年金と国民年金基金は、どちらも国民年金に上乗せする制度ですが、仕組みは違います。
| 比較項目 | 付加年金 | 国民年金基金 |
|---|---|---|
| 掛金・保険料 | 月400円 | 給付の型・年齢・口数などで決まる |
| 年金額 | 200円×納付月数 | 選んだ給付の型と掛金に応じて決まる |
| 税制 | 付加保険料は国民年金保険料の一部として扱う | 掛金は全額が社会保険料控除の対象 |
| 同時加入 | 国民年金基金とは併用できない | 付加保険料とは併用できない |
毎月の負担を抑えて少額を上乗せしたい人は付加年金、掛金を増やして将来の受給額や税控除も検討したい人は国民年金基金が候補になります。ただし、収入や納付状況で選べる制度が変わるため、先に国民年金の加入区分を確認します。
申込み前に確認すること
- 自分が第1号被保険者または任意加入被保険者か
- 国民年金基金に加入していないか
- 何か月納める予定か
- 付加年金を含めた老齢基礎年金の見込額はいくらか
- 申込み後の納付方法と、納付期限を管理できるか
付加年金は月400円という分かりやすい制度ですが、申込み前の月には追加できません。制度の利用を考えた時点で、市区町村役場または年金事務所に、加入区分と申込月を確認してください。
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国民年金基金|掛金と加入の条件
自営業やフリーランスなど、厚生年金に加入していない人は、老後の年金が国民年金中心になることがあります。国民年金基金は、国民年金の第1号被保険者などが老齢基礎年金に上乗せするための公的な年金制度です。
ただし、誰でも加入できるわけではありません。国民年金の保険料を免除・猶予されている人や、会社員として厚生年金に加入している人は、原則として対象外です。
加入できる人
国民年金基金に加入できるのは、主に次の人です。
- 日本国内に住む20歳以上60歳未満の国民年金第1号被保険者
- 60歳以上65歳未満の国民年金任意加入被保険者
- 海外に住みながら国民年金に任意加入している人
第1号被保険者には、自営業者、フリーランス、農業者の家族、学生などが含まれます。会社員などの第2号被保険者や、第2号被保険者に扶養される第3号被保険者は加入できません。
また、第1号被保険者であっても、国民年金の保険料について免除・一部免除・納付猶予・学生納付特例を受けている人や、農業者年金の被保険者は、原則として加入できません。産前産後期間の免除には別の扱いがあるため、該当する場合は基金へ確認します。
掛金はいくら?上限は月6万8,000円
掛金は、選ぶ給付の型、加入口数、加入時の年齢、性別などで決まります。掛金の上限は月額6万8,000円です。個人型確定拠出年金(iDeCo)にも加入している場合は、原則としてiDeCoの掛金と合わせて月6万8,000円以内にします。
掛金は口座振替で納めます。口数単位で増口・減口ができますが、1口目を減口できないなどのルールがあります。加入時の年齢によって同じ掛金でも受け取れる年金額が変わるため、公式の掛金月額表や年金額シミュレーションで確認します。
どんな年金を受け取るのか
国民年金基金には、終身年金と、支給期間が決まった確定年金など複数の給付の型があります。加入後に掛金を払えなくなった場合でも、加入期間に応じた給付が将来支給されることがありますが、資格を失ったときに掛金を途中で自由に引き出せる制度ではありません。
加入後は、会社員になった、国民年金の任意加入をやめた、保険料の免除・猶予を受けたなどの事情で資格を失うことがあります。資格を失った後も、これまでの掛金がすぐ返金されるとは限らないため、生活資金を圧迫しない金額で加入することが大切です。
掛金は全額が社会保険料控除
国民年金基金の掛金は、全額が社会保険料控除の対象です。所得税の確定申告や住民税の計算で控除を受けるには、基金から届く社会保険料控除証明書を保管します。
ただし、所得税や住民税がかからない人は、控除による税負担の軽減を受けられない場合があります。「税金が安くなるから」という理由だけで加入を決めず、将来の受給額と毎月の資金繰りを一緒に考えます。
付加年金との違い
付加年金は、月400円の付加保険料を納めると、年額200円×納付月数が上乗せされる制度です。国民年金基金とは同時に利用できません。
| 比較項目 | 国民年金基金 | 付加年金 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 第1号被保険者・任意加入者 | 第1号被保険者・任意加入者 |
| 負担 | 給付の型・年齢・口数で決まる | 月400円 |
| 受給額 | 選んだプランと掛金で決まる | 200円×納付月数(年額) |
| 税控除 | 掛金全額が社会保険料控除 | 国民年金の付加保険料として扱う |
| 併用 | 付加年金とは併用不可 | 国民年金基金とは併用不可 |
少額でシンプルに上乗せしたいのか、掛金を増やして受給額を組み立てたいのかで候補が変わります。国民年金基金の資料と付加年金の見込額を並べて比較してください。
申込み前の確認項目
国民年金基金は国民年金(基礎年金)に上乗せする制度です。基金に加入していても、国民年金保険料の納付は別に必要です。国民年金保険料を滞納した期間は、その期間に対応する基金の年金給付を受け取れず、基金の掛金だけで基礎年金の受給資格を補えるわけではありません。申込み前に、国民年金本体の納付状況と毎月の資金繰りを確認してください。
- 国民年金の第1号被保険者または任意加入者か
- 国民年金の保険料を納めているか
- 月々の掛金を無理なく継続できるか
- iDeCoの掛金と合わせて上限内か
- 将来の給付の型、受給開始年齢、遺族への給付を確認したか
- 社会保険料控除証明書を保管できるか
国民年金基金は、国民年金の保険料を納めることが前提となる制度です。未納期間があると、その期間に対応する基金の給付を受けられないことがあるため、まず国民年金本体の納付状況を確認します。
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公的資料
公式情報・相談先
- 日本年金機構「任意加入制度」
- 日本年金機構「付加保険料の納付」
- 国民年金基金連合会
- お住まいの市区町村の国民年金担当窓口・年金事務所
※本記事は2026年8月25日時点で確認できる公表資料をもとに整理しています。加入条件や掛金は改定されることがあります。加入前に窓口へご確認ください。


