「年金振込通知書」が届いたのに、口座へ入る金額が思っていた額と違う。そんなときは、いきなり支給額の間違いと決めつけず、通知書の項目を順番に見てください。
最初に確認するのは、次の4項目です。
- 年金支払額(控除前)
- 介護保険料や国民健康保険料などの控除額
- 控除後振込額
- 振込先と前回支払額
この記事では、年金振込通知書の見方と、年金支払通知書との違い、金額が変わったときの相談先を整理します。
年金振込通知書は、何を知らせる書類ですか
年金振込通知書は、金融機関などの口座振込で年金を受け取っている人に、各支払期の振込額を知らせる書類です。
日本年金機構によると、毎年6月に、6月から翌年4月までの支払額が記載されます。年金は原則として2か月に1回振り込まれるため、6月、8月、10月、12月、翌年2月、4月の支払額を確認する形です。
年金振込額や受取金融機関に変更があった場合は、その都度、通知されることがあります。
まず見るのは「控除後振込額」です
通知書には、年金の額面と、そこから差し引かれる金額が分けて書かれています。
| 項目 | 何を示すか |
|---|---|
| 年金支払額 | 1回の支払額。控除前の金額です。 |
| 介護保険料額 | 年金から天引きされる介護保険料です。 |
| 後期高齢者医療保険料・国民健康保険料(税) | 年金から天引きされる場合に表示されます。 |
| 所得税額・復興特別所得税額 | 年金支払額から各種控除などを差し引いた後に計算される税額です。 |
| 個人住民税額・森林環境税額 | 年金から天引きされる住民税などです。 |
| 控除後振込額 | 控除後に実際に振り込まれる金額です。 |
| 振込先 | 年金が振り込まれる金融機関の支店名です。 |
| 前回支払額 | 前回の定期支払月に支払われた金額です。 |
「年金支払額」は、口座に入る金額ではありません。保険料や税が差し引かれる人は、「控除後振込額」が実際の入金額に近い項目です。
ただし、振込日や金融機関の処理によって、口座の入金時刻が異なることはあります。通知書の金額と口座の入金額を比べるときは、同じ支払期を確認してください。
8月以降の金額は「予定額」の場合があります
日本年金機構は、年金振込通知書について、8月以降の控除額などは、6月の額をもとにした予定額として記載される場合があると案内しています。
そのため、8月以降の実際の控除額が、通知書の記載と変わることがあります。決定した保険料や税額は、市区町村から送付される通知書で確認してください。
年金振込通知書だけを見て、「1年間ずっと同じ金額」と判断しないことが大切です。
年金振込通知書と年金支払通知書は違います
名前が似ていますが、役割が異なります。
年金振込通知書
定期的な年金の支払額と、控除後に振り込まれる金額を確認するための通知です。
年金支払通知書
年金の決定や変更が過去にさかのぼって行われたとき、年金振込額とその内訳を知らせる通知です。
初めて年金を受け取るときに、過去分がまとめて支払われる場合や、年金額の変更によって追加・調整が生じた場合などに送付されることがあります。
年金支払通知書には、定期支払額、過去分の支払額、控除額、支払調整額、支払対象期間などが記載されます。通常の定期振込の確認なのか、過去分を含む変更の確認なのかで、見るべき項目が変わります。
金額が変わったときの確認順
通知書の金額が前回と違うときは、次の順に確認します。
1. 支払期と前回支払額を比べる
今回の通知書がどの支払期のものかを確認し、「前回支払額」と比べます。
2. 控除額の変化を見る
年金支払額が同じでも、介護保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、住民税などの控除額が変われば、控除後振込額は変わります。
控除の内容が市区町村から届いた通知書と一致するか確認してください。
3. 変更や過去分の支払いがないか確認する
過去の期間にさかのぼる支払いや、支払調整額が記載されている場合は、年金支払通知書の内容も確認します。
4. 振込先を確認する
振込先の金融機関や支店名に心当たりがない場合は、通知書を手元に置き、日本年金機構へ確認してください。個人情報や口座情報を、通知書に記載されていない相手へ伝えないよう注意します。
年金生活者支援給付金は、別に確認します
年金生活者支援給付金を受け取っている人は、年金本体の振込額と、給付金の金額を同じものとして扱わないようにしてください。
年金生活者支援給付金には、支給金額の改定通知書や振込通知書があります。対象条件、月額の目安、請求方法は、次の記事で別に整理しています。
「年金の控除後振込額」と「年金生活者支援給付金」を分けて確認すると、通知書の金額を整理しやすくなります。
分からないときの相談先
通知書の内容が分からない、再発行を相談したい、振込先や支払額に心当たりがないという場合は、次の窓口を利用してください。
- 日本年金機構の年金額改定通知書・年金振込通知書相談チャット
- ねんきんダイヤル:0570-05-1165
- お近くの年金事務所、街角の年金相談センター
相談するときは、通知書、年金証書や基礎年金番号が分かるもの、口座の入金記録を準備しておくと確認しやすくなります。窓口や電話で必要な本人確認書類が異なる場合があるため、事前に公式案内を確認してください。
日本年金機構を名乗って、口座番号、暗証番号、手数料などを求める連絡があった場合は、通知書に記載された連絡先や公式サイトから確認してください。相手が伝えた電話番号へ、そのまま折り返さないようにします。
まとめ
年金振込通知書を確認するときは、次の順番で見ます。
- 年金支払額と支払期を確認する
- 保険料・税などの控除額を確認する
- 控除後振込額と振込先を確認する
- 前回支払額や市区町村の通知書と比べる
- 過去分の支払いや調整があれば、年金支払通知書も確認する
年金振込通知書は、単に「いくら振り込まれるか」だけでなく、年金額から何が差し引かれているかを確認するための書類です。金額が変わったときは、年金本体、控除、過去分の支払いを分けて見ると、相談すべき点が見つけやすくなります。


