会社都合・雇い止めの国保料軽減|離職コードと30%計算・申請方法

会社都合・雇い止めの国保料軽減について、離職理由・必要書類・届出窓口の確認ポイントを示した図解 年金・社会保険

倒産・解雇や一定の雇い止めなどで会社を離れ、国民健康保険へ加入した人は、国民健康保険料・国民健康保険税が軽くなる場合があります。

対象になると、離職した本人の前年の給与所得を30%として保険料を計算します。ただし、保険料そのものが70%引きになる制度ではありません。

最初に確認するのは、雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知の「離職理由」欄です。対象コードは、11・12・21・22・23・31・32・33・34です。

確認日:2026年8月28日

国保料軽減の対象になる条件

確認項目 条件
年齢 離職日時点で65歳未満
雇用保険の区分 特定受給資格者または対象となる特定理由離職者
離職理由コード 11・12・21・22・23・31・32・33・34
健康保険 市区町村の国民健康保険へ加入している
手続き 市区町村の国保窓口へ届出が必要

会社都合という呼び方だけでは決まりません。ハローワークで雇用保険の受給手続きを行い、最終的に決定された離職理由コードで判定します。

離職時に65歳以上で、高年齢求職者給付金の受給資格者となる人は、この軽減制度の対象になりません。65歳前後で退職する場合は、離職日と年齢の扱いをハローワークと市区町村の両方へ確認してください。

対象となる離職理由コード一覧

区分 コード 主な離職理由
特定受給資格者 11 解雇。本人の重大な責任による解雇を除く
特定受給資格者 12 天災などで事業継続が不可能になったことによる解雇
特定受給資格者 21 3年以上勤務し、更新実績がある人への雇い止めなど
特定受給資格者 22 3年未満の契約で、更新する旨が明示されていた人への雇い止めなど
特定受給資格者 31 退職勧奨など、事業主からの働きかけによる離職
特定受給資格者 32 事業所移転などに伴う、正当な理由のある自己都合離職
特定理由離職者 23 3年未満の契約期間満了で、更新の明示がなかった場合など
特定理由離職者 33 正当な理由のある自己都合離職で、被保険者期間が12か月以上
特定理由離職者 34 正当な理由のある自己都合離職で、被保険者期間が6か月以上12か月未満

コード40などの一般的な自己都合退職や、コード50の本人の重大な責任による解雇は対象コードに含まれません。「会社に辞めるよう言われた」「契約更新を断られた」という事情があっても、受給資格者証・通知が対象外コードなら、そのままでは軽減を受けられません。

離職理由は会社の記載だけで確定しない

離職票に記載された理由に納得できない場合は、雇用保険の受給手続きでハローワークへ申し出ます。ハローワークは、本人と事業主の説明、提出された資料を確認して離職理由を決定します。

退職勧奨や雇い止め、賃金の大幅な低下、長時間労働、職場での著しい嫌がらせなどを主張する場合は、次のような資料を用意します。

  • 雇用契約書、労働条件通知書
  • 契約更新の通知、更新を断られたメール
  • 退職勧奨の書面、面談記録
  • 給与明細、勤務記録、就業規則
  • 会社とのメールやチャット、相談記録

国保窓口は、離職理由そのものを決める場所ではありません。先にハローワークで受給資格とコードを確定させ、その後に国保の軽減を届け出ます。

給与所得を30%として計算する

軽減対象者本人の前年の給与所得を、本来の金額の30%とみなして国民健康保険料を計算します。「給与収入」ではなく、給与収入から給与所得控除を差し引いた給与所得が計算の出発点です。

所得の内容 本来の金額 軽減計算での扱い
離職した本人の給与所得 300万円 90万円として扱う
本人の事業所得 50万円 50万円のまま
同じ世帯の配偶者の給与所得 100万円 100万円のまま

この例では、世帯の所得を単純合計した450万円が、軽減判定では240万円になります。ここから基礎控除、自治体の保険料率、加入者数などを使って実際の保険料を計算します。

事業所得、不動産所得、年金所得などは30%になりません。同じ世帯にいるほかの人の所得もそのままです。

保険料が70%引きになるわけではない

30%になるのは、対象者本人の前年給与所得です。最終的な国保料が30%になるわけではありません。

国民健康保険料には、所得に応じる部分のほか、加入者数などに応じる定額部分があります。給与以外の所得や家族の所得も残るため、実際の減額幅は世帯によって変わります。

正確な金額を知りたい場合は、前年の源泉徴収票や確定申告書、雇用保険受給資格者証・通知を用意し、市区町村へ軽減適用後の試算を依頼してください。

高額療養費の所得区分にも反映される

この30%の取扱いは、国民健康保険料の算定だけでなく、高額療養費などの所得区分判定にも使われます。軽減後の所得区分によって、医療費の自己負担限度額が変わる場合があります。

ただし、病院窓口での通常の自己負担割合が一律に3割から下がる制度ではありません。保険料の軽減と、高額療養費の限度額判定を分けて確認してください。

軽減期間は離職月によって変わる

軽減期間は、離職日の翌日が属する月から、その月が属する年度の翌年度末までです。「退職から丸2年間」ではありません。

離職日 離職日の翌日 軽減期間の例
2026年3月30日 2026年3月31日 2026年3月から2027年3月末まで
2026年3月31日 2026年4月1日 2026年4月から2028年3月末まで
2026年8月31日 2026年9月1日 2026年9月から2028年3月末まで

3月末の1日の違いで、軽減終了年度が変わる例があります。実際の資格取得日と保険料の月割りは市区町村が決定するため、退職日を決める前に勤務先の健康保険喪失日も含めて確認してください。

再就職した場合も期間は延長されない

再就職して勤務先の健康保険へ加入すると、その加入期間は国民健康保険料がかからないため、国保料軽減も使いません。

その後、当初の軽減期間内に再び国民健康保険へ加入した場合は、軽減が再開されることがあります。ただし、勤務先の健康保険に入っていた期間の分だけ、終了日が後ろへ延びるわけではありません。

転職と退職を繰り返した場合は、最初の離職に基づく軽減期間、新しい離職理由コード、国保の加入期間を市区町村に確認してください。

任意継続を選ぶとこの軽減は使えない

この制度は、市区町村の国民健康保険料・国民健康保険税を軽減するものです。退職前の健康保険を任意継続する場合、その保険料に国保の非自発的失業者軽減は使えません。

退職後は、任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の扶養を比較します。国保については、通常の保険料ではなく、今回の軽減を適用した試算額で比べてください。

任意継続には申請期限があります。詳しくは、退職後の健康保険3択比較|任意継続・国保・扶養をご覧ください。

届出に必要な書類

軽減は自動ではありません。雇用保険の受給手続き後、住民票のある市区町村の国民健康保険窓口へ届け出ます。

  • 雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知
  • 本人確認書類
  • マイナンバーを確認できる書類
  • 国民健康保険の資格情報が分かるもの
  • 自治体所定の特例対象被保険者等に係る届出書

窓口、郵送、電子申請の対応は自治体によって異なります。受給資格者証・通知は表裏両面の写しを求められる場合があります。

申請が遅れた場合は還付されることがある

雇用保険受給資格者証・通知の交付が遅れた場合でも、対象と確認されれば、軽減期間の開始までさかのぼって国保料が再計算されることがあります。すでに納めた金額が再計算後の保険料を上回れば、差額が還付または未納分へ充当される場合があります。

ただし、保険料の変更には時効や年度ごとの取扱いがあります。「後から申請すれば必ず全期間戻る」とは限りません。書類がそろった時点で早めに市区町村へ届け出てください。

国民年金保険料の免除は別に申請する

国民健康保険料の軽減を申請しても、国民年金保険料は自動で免除されません。20歳以上60歳未満で厚生年金を外れた人は、国民年金への切替と、失業による免除・納付猶予を別に確認します。

失業特例では、離職した本人の前年所得を除外して審査できる場合がありますが、配偶者や世帯主の所得審査が残る制度もあります。詳しくは、国民年金保険料の免除・納付猶予まとめをご確認ください。

対象コードでなくても市区町村へ相談する

離職理由コードが対象外でも、収入の急減、災害、病気などを理由とする自治体独自の減免や、徴収猶予、分割納付を利用できる場合があります。対象条件と申請期限は市区町村によって異なります。

納期限を過ぎる前に、世帯の収入と支出、退職後の収入見込みが分かる書類を持って国保窓口へ相談してください。詳しくは、国民健康保険料を払えないときの減免・猶予・分割相談でも整理しています。

よくある質問

自己都合退職でも対象になることがありますか?

正当な理由のある自己都合離職として、コード31・32・33・34などに決定された場合は対象になります。一般的な自己都合退職のコード40は対象外です。

会社が会社都合にしてくれない場合はどうしますか?

離職票の記載に異議があることを、雇用保険の受給手続きでハローワークへ申し出ます。退職勧奨、雇い止め、労働条件の変更などを示す資料を持参してください。最終的な離職理由はハローワークが判断します。

65歳以上で会社都合退職した場合も対象ですか?

この軽減は離職日時点で65歳未満の人が対象です。65歳以上で離職して高年齢求職者給付金の受給資格者となる人は対象外です。

給与所得がゼロなら軽減の効果はありますか?

30%にする前年給与所得がなければ、所得割部分への効果は生じません。ただし、世帯の所得判定や自治体独自の減免制度など、ほかの取扱いがないか国保窓口へ確認してください。

すでに国保料を払っていても申請できますか?

軽減期間内で、保険料変更の期限にかかっていなければ、さかのぼって再計算される場合があります。自治体ごとに確認が必要なので、受給資格者証・通知を持って早めに相談してください。

申請までの順番

  1. 会社から離職票を受け取る
  2. ハローワークで雇用保険の受給手続きをする
  3. 受給資格者証・通知の離職理由コードを確認する
  4. 市区町村の国保窓口へ軽減を届け出る
  5. 軽減後の保険料通知と適用期間を確認する

退職直後に行う手続きをまとめて確認する場合は、退職したら確認する失業給付・健康保険・年金・税金も参考にしてください。

公式情報

次に確認すること

制度は、対象・金額・期限・申請先の4点がそろって初めて動けます。次のページで残りを確認してください。

迷ったときの相談先

最終的な支給の可否・金額は、お住まいの市区町村の窓口、年金事務所、ハローワークなどの公的機関が判断します。当サイトは公式情報をもとに整理していますが、申請前に必ず窓口でご確認ください。制度の内容は変更されることがあります。

この記事の調査・編集について

調査・執筆・編集確認:カネさん(給付金プラス運営者)

2021年3月から、給付金・助成金・公的支援制度の情報発信を行っています。記事は、制度の実施機関が公開する案内・募集要項・申請書、所管省庁の法令・通知・公表資料、実施機関の公式FAQを確認して作成しています。AIは調査と構成の補助に使うことがありますが、公開前に運営者が公式資料と照合しています。

本文中の「確認日」は、その時点で公式資料を確認した日付です。最終更新日は記事冒頭に表示しています。制度改正や受付終了が判明した場合は、公開済みの記事も修正・追記します。

記事の誤り、古くなった情報、リンク切れを見つけた場合は、お問い合わせフォームからご連絡ください。内容を確認のうえ修正します。なお、最終的な支給の可否・金額は、市区町村の窓口、年金事務所、ハローワークなどの公的機関が判断します。

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