家族の介護のために仕事を休むと、その間の収入が途絶えることがあります。雇用保険の被保険者が介護休業を取得した場合に、休業中の賃金の一部を補うのが介護休業給付金です。対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分けて取得した休業が支給対象になります。
「介護のために会社を休む制度」自体は育児・介護休業法の介護休業ですが、お金が支給されるのは雇用保険の介護休業給付金の手続きをした場合です。休業の申出と給付金の申請は別の手続きなので、この記事では給付金側の対象・金額・期限を整理します。
申請前の共通確認表
| 確認項目 | このページで確認すること |
|---|---|
| 対象 | 雇用保険の被保険者(一般被保険者・高年齢被保険者)で、対象家族の介護のために介護休業を取得した方。原則として休業開始前2年間に賃金支払基礎日数11日以上の月が12か月以上あることが必要です。 |
| 対象外・注意点 | 休業中に休業開始前1か月あたり賃金の8割以上が支払われている場合や、就業日数が1か月ごとの期間で10日を超える場合は支給されません。自営業・フリーランスなど雇用保険に加入していない方は対象外です。 |
| 支援内容・金額 | 原則、休業開始時賃金日額×支給日数×67%。1か月あたりの上限額は36万6,222円です(2026年8月1日改定)。 |
| 期限 | 各介護休業の終了日(休業が3か月を経過したときは3か月経過日)の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日まで。 |
| 申請先 | 原則、勤務先(事業主)を経由して、事業所の所在地を管轄するハローワークへ。本人が自ら申請することも可能です。 |
| 必要書類 | 介護休業給付金支給申請書、介護休業申出書、対象家族との続柄が確認できる書類(住民票記載事項証明書等)、出勤簿、賃金台帳など。 |
| 相談先 | 勤務先の人事労務担当、事業所を管轄するハローワーク。 |
| 区分 | 給付(雇用保険の給付)。貸付ではありません。 |
誰が対象になるのか
介護休業給付金の対象は、雇用保険の被保険者(一般被保険者・高年齢被保険者)です。その上で、次の条件を満たす必要があります。
- 原則として、介護休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あること(満たない場合、賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上の月で判定できる場合があります)
- 休業中の各1か月ごとに、休業開始前の1か月あたり賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと
- 就業している日数が、1か月ごとの期間(支給単位期間)ごとに10日以下であること
対象になる家族の範囲
負傷、疾病または身体上・精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態にある次の家族が対象です。
- 配偶者(事実上の婚姻関係と同様の事情にある方を含む)
- 父母(養父母を含む)、配偶者の父母(養父母を含む)
- 子(養子を含む)
- 祖父母、兄弟姉妹、孫
「常時介護を必要とする状態」は、要介護認定の有無だけで決まるものではありません。判断に迷う場合は、勤務先またはハローワークに確認してください。
支給額|賃金の67%、月の上限は36万6,222円
各支給対象期間(1か月)ごとの支給額は、原則として次の式で計算します。
休業開始時賃金日額 × 支給日数(原則30日) × 67%
賃金日額は、原則として介護休業開始前6か月の賃金を180で割った額です。これに30日を掛けた「賃金月額」には上限と下限があります。
| 項目 | 金額(2026年8月1日改定) |
|---|---|
| 賃金月額の上限 | 54万6,600円 |
| 1か月あたりの支給上限額 | 36万6,222円 |
| 賃金月額の下限 | 9万6,090円 |
これらの額は毎年8月1日に見直されます。目安として、休業前の賃金が月30万円の方なら、1か月あたり約20万1,000円(30万円×67%)です。
休業中に賃金が支払われた場合
休業中も勤務先から賃金の一部が支払われる場合は、賃金と給付金の合計が「賃金日額×支給日数」の80%を超えた分が減額されます。賃金だけで80%以上になるときは、その月は支給されません。
育児休業給付との違い
育児休業給付金は休業開始から180日まで給付率67%(一定の要件で出生後休業支援給付金の上乗せあり)ですが、介護休業給付金は期間を通じて67%です。また、育児休業中は社会保険料の免除制度がありますが、介護休業中は社会保険料の免除はありません。休業中も健康保険料・厚生年金保険料の本人負担分をどう納めるか、勤務先に確認してください。
93日を3回まで分けて使える
介護休業給付金は、同じ対象家族について、通算93日を限度に3回までの介護休業が支給対象になります。
- 93日を1回でまとめて使うことも、たとえば「入院時に30日、退院後の体制づくりに30日、看取り期に33日」のように分けることもできます
- 介護の初期(介護保険の申請、ケアマネジャーとの調整、施設探し)に短く使い、残りを取っておく使い方が想定されています
- 対象家族が別の人であれば、その家族についてあらためて93日・3回が対象になります
介護が長期化する場合、93日ですべてをカバーすることはできません。93日は「介護と仕事の両立体制をつくるための期間」と位置づけ、地域包括支援センターへの相談や介護保険サービスの利用と組み合わせることが前提になっています。
申請の流れと期限
申請は原則として勤務先(事業主)を経由して行います。本人が自ら申請することも可能です。
- 勤務先に介護休業を申し出る(休業の初日と末日を明らかにして申出書を提出)
- 介護休業を取得する
- 休業終了後、勤務先経由でハローワークに支給申請する
- 審査後、指定口座に振り込まれる
申請期限は、各介護休業の終了日(休業が3か月を経過したときは介護休業開始日から3か月経過した日)の翌日から起算して、2か月を経過する日の属する月の末日までです。たとえば10月10日に休業を終えた場合、期限は12月31日です。
必要になりやすい書類
- 介護休業給付金支給申請書(払渡希望金融機関指定届つき)
- 被保険者が勤務先に提出した介護休業申出書
- 対象家族の氏名・続柄・性別・生年月日等が確認できる書類(住民票記載事項証明書等。マイナンバーの届出により省略できる場合があります)
- 休業の開始日・終了日、休業中の休業日数が確認できる書類(出勤簿・タイムカード等)
- 休業中に支払われた賃金が確認できる書類(賃金台帳等)
書類の多くは勤務先が用意するものです。本人側で準備が必要になりやすいのは、対象家族との続柄が確認できる書類です。
似ている制度との違い
| 制度 | 内容 | お金の支給 |
|---|---|---|
| 介護休業(+介護休業給付金) | 対象家族1人につき通算93日・3回まで休業 | 雇用保険から賃金の67% |
| 介護休暇 | 対象家族1人につき年5日(2人以上は年10日)、時間単位でも取得可 | 賃金の扱いは勤務先の規定による(無給の会社もあります) |
| 介護のための時短・残業免除など | 選択的措置義務・所定外労働の制限など | 給付はなし |
「病院の付き添いで1日休む」なら介護休暇、「介護の体制づくりのためにまとまって休む」なら介護休業+給付金、という使い分けが基本です。
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公的資料
制度・金額の確認日:2026年8月27日。支給額の上限・下限は毎年8月1日に改定されます。個別の支給可否は、勤務先を管轄するハローワークが判断します。
更新履歴
- 2026年8月27日:初回公開。2026年8月1日改定後の上限額・下限額で作成。


