育児休業中の給付は、2025年度以降に制度が拡充され、条件を満たすと手取りの10割相当になる仕組みができました。あわせて2026年8月から申請手続きも変わっています。
まず確認|手取り10割になるか
「手取り10割」は自動的に適用されるものではありません。夫婦の育休の取り方や期間に条件があります。
Q1 いまの状況はどれですか?
取る育児休業給付金。休業開始時賃金日額をもとに算定されます。Q2へ進みます。
時短で働く育児時短就業給付金。時短で下がった賃金を補います。
Q2 子の出生後の一定期間に、夫婦ともに育休を取得しますか?
Q3 申請はこれからですか?
育休中すでに育休中の方も、次回以降の申請は変更後の様式になります。勤務先の担当者と提出先のハローワークへ確認してください。
育児期に使える3つの給付
| 給付 | いつ使うか | 支給の内容 |
|---|---|---|
| 育児休業給付金 | 育児休業中 | 休業開始時賃金日額をもとに算定 |
| 出生後休業支援給付金 | 子の出生後の一定期間に、夫婦ともに育休を取得したときなど | 上乗せにより手取り10割相当になる仕組み |
| 育児時短就業給付金 | 育休から復帰して時短勤務で働くとき | 時短で下がった賃金を補う |
「手取り10割」は自動的に適用されるものではありません。夫婦の育休の取り方や期間に条件があります。自分のケースが当てはまるか、記事内の条件で確認してください。
2026年8月からの申請の変更点
- 賃金の申告方法が変わりました
- 配偶者に関する書類の扱いが変わりました
- 時短勤務の証明に関する取扱いが変わりました
すでに育休中の方や、これから申請する方は、変更後の様式・添付書類で提出する必要があります。勤務先の担当者と提出先のハローワークへ確認してください。
育児休業給付は手取り10割になるか|出生後休業支援・育児時短就業給付金
「育休を取れば手取り10割」は、誰でも休業期間の全てで受け取れるという意味ではありません。出生後休業支援給付金の対象になると、通常の育児休業給付と合わせて休業開始前賃金の80%相当になる期間があります。社会保険料の免除や給付の非課税を踏まえた「手取り10割相当」という説明であり、給与そのものが全額補償される制度ではありません。
2025年4月からは、出生後休業支援給付金と育児時短就業給付金が新設されました。この記事では、通常の育児休業給付、出生時育児休業給付金、出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金を分けて、対象・金額・期限・申請先を整理します。
育児関係の給付は4種類に分けて考える
| 給付 | 主な場面 | 確認する上限・条件 |
|---|---|---|
| 出生時育児休業給付金 | 産後パパ育休(出生時育児休業) | 休業開始前賃金の67%、対象は原則28日分まで |
| 育児休業給付金 | 子を養育するための育児休業 | 開始から180日目までは67%、181日目以降は50% |
| 出生後休業支援給付金 | 出生直後に一定日数の育児休業を取る | 上の給付に13%を上乗せ、最大28日 |
| 育児時短就業給付金 | 2歳未満の子のために所定労働時間を短縮 | 賃金額などに応じて原則10%を支給 |
いずれも雇用保険の被保険者であること、休業・時短勤務の状況、過去の被保険者期間などの要件があります。自営業者やフリーランスは、原則として雇用保険の育児休業等給付の対象ではありません。
「手取り10割相当」になるのは最大28日間の上乗せ
出生後休業支援給付金は、同じ子について通常の育児休業給付等の対象となる休業を通算14日以上取得し、配偶者も対象期間内に原則14日以上の育児休業を取得した場合などに支給されます。上乗せ額は、休業開始時賃金日額×支給日数×13%で、支給日数は28日が上限です。
通常の給付67%と上乗せ13%を合わせると80%です。ただし、休業中に賃金が支払われ、休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上になると、通常の給付が0円になる場合があります。80%未満でも賃金額に応じて減額されることがあります。
配偶者の育休がないと必ず対象外になるわけではない
配偶者が無業者、自営業者・フリーランス、産後休業中など、育児休業を取得できない例外に該当する場合は、本人だけの育児休業で支給要件を満たせることがあります。単に配偶者が仕事の都合で休めないというだけでは、例外に当たらない場合があります。
対象期間も立場で異なります。父親または養子の場合は、出生日・出産予定日の早い日から、遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日まで。母親で実子の場合は、同じ起点から16週間を経過する日の翌日までが基本です。出生日や休業開始日をカレンダーで確認してください。
通常の育児休業給付は67%から50%へ下がる
通常の育児休業給付金は、休業開始前6か月の賃金を基にした休業開始時賃金日額から計算します。育児休業開始から180日目までは67%、181日目以降は50%です。支給期間は原則として子が1歳になる前日までで、保育所に入れないなど一定の要件を満たすと1歳6か月または2歳まで延長できる場合があります。
受給資格には、開始日前2年間に賃金支払基礎日数11日以上(ない場合は就業時間80時間以上)の月が12か月以上あることなどの条件があります。有期雇用の場合は別の確認も必要です。
育児時短就業給付金は「早退しただけ」では対象外
育児時短就業給付金は、2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して働く場合の給付です。送迎のために早退・欠勤して賃金が下がっただけで、所定労働時間を短縮していなければ対象になりません。
支給対象月の賃金が時短勤務開始時賃金月額の90%以下なら、賃金額の10%が基本です。90%を超えて100%未満の場合は調整後の率となり、賃金と給付の合計が支給限度額を超える場合は給付額が調整されます。制度上の開始日・終了日、週所定労働時間、賃金の資料を会社と確認してください。
申請先と提出期限
出生後休業支援給付金を別申請する場合は、通常の育児休業給付の支給決定後に手続きします。厚生労働省Q&Aは、別々に申請する場合は通常の育児休業給付の支給決定後に出生後休業支援給付金を申請するよう案内しています。順番が逆になると不支給となり、通常給付の決定後に再申請が必要になるため、勤務先経由か本人申請かも含めてハローワークへ確認してください。
申請は原則として勤務先の事業主が、事業所を管轄するハローワークへ行います。本人が希望すれば、育児時短就業給付金などを本人が申請できる場合もあります。
- 出生後休業支援給付金:対象期間の終了後など、申請可能日から2か月を経過する日の属する月末までが基本
- 育児休業給付金の初回申請:受給資格確認と同時に行う場合、育児休業開始日から4か月を経過する日の属する月末までが基本
- 育児時短就業給付金:原則として最初の支給対象月の初日から4か月以内に初回申請
会社の「育児休業の申出期限」と、ハローワークへの「給付申請期限」は別です。休業開始前に人事・労務担当へ、申請者、必要書類、次回申請日を確認してください。
必要書類は賃金・休業・子の事実をそろえる
- 育児休業給付の支給申請書、受給資格確認票
- 賃金台帳、出勤簿、タイムカード、労働条件通知書
- 母子健康手帳など、出生日・出産予定日・育児の事実が分かる資料
- 出生後休業支援給付金を申請する場合は、配偶者の育児休業や例外事由を確認できる資料
- 育児時短就業給付金の場合は、時短開始前後の週所定労働時間と賃金が分かる資料
保育所に入れないことを理由に育児休業を延長する場合は、保育利用申込書の写し、入所保留通知書などが必要です。申込書は提出前に写真や写しを残しておくと、後の確認に使えます。
2026年8月の申請変更:変更1 出生時育児休業中の賃金申告
2026年8月1日以降に開始する出生時育児休業では、申請時に申告する賃金が「休業期間を対象として支払われた賃金」から「休業期間中に支払日のある賃金」に変わりました。月末締め・翌月払いなどでも申請時点で確認しやすくなり、早期申請につながる見直しです。
ただし、申告対象には出生時育児休業期間を対象とした賃金が含まれます。分割取得の場合は、その間の就労期間に支払日のある賃金も含むため、賃金台帳との確認が必要です。
2026年8月の申請変更:変更2 母親側の配偶者確認書類
出生後休業支援給付金を母親が申請する場合も、配偶者の氏名・生年月日が記載された出生済証明ページの母子健康手帳の写しを提出できるようになりました。同じ子について育児休業給付を受給済みなら、同じ確認書類を改めて出す必要はありません。母子健康手帳で確認できない場合は、世帯全員記載の住民票などを求められることがあります。
2026年8月の申請変更:変更3 育児時短就業給付の確認
改訂された「育児時短就業期間等に係る証明書」を、育児時短就業開始日と週所定労働時間の確認資料として提出できます。一定の場合は、賃金証明書の育児休業開始前の賃金支払状況の記載も省略できます。フレックスタイム制、変形労働時間制、シフト制では週所定労働時間の計算方法も一部見直されました。
2026年8月の申請変更:申請先・相談先
原則として勤務先を通じ、事業所を管轄するハローワークへ申請します。本人が申請する場合も、まず勤務先の人事・労務担当に必要書類を確認してください。制度・手続きの相談は育児休業等給付コールセンター(0570-200-406、平日8時30分~17時15分)または都道府県労働局・ハローワークです。
2026年8月1日の見直しは、賃金の申告方法や配偶者確認、育児時短就業給付の証明書類を扱いやすくする事務手続きの変更で、給付率や支給要件を一律に広げる改正ではありません。8月1日以降の申請でどの改訂様式を使うかは、休業・時短就業の開始日や申請内容を確認し、勤務先から事業所を管轄するハローワークへ相談してください。
公式資料
- 厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」(2026年8月版を掲載)
- 厚生労働省「出生後休業支援給付の簡易診断」
- 厚生労働省「出産なび」産後に使える制度
出産による休業と健康保険の給付は、出産手当金も確認してください。給付の期限を一覧で管理したい場合は、申請期限カレンダーを使えます。
※制度内容は2026年8月9日時点。支給可否、上限額、必要書類、実際の申請期限は、雇用保険の加入状況と休業・時短勤務の事実により異なります。最終確認は勤務先または所轄ハローワークで行ってください。
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2026年8月からの申請変更|賃金申告・配偶者書類・時短証明
2026年8月1日から、育児休業等給付の申請手続が見直されました。変更点は、出生時育児休業中の賃金申告、出生後休業支援給付金の配偶者確認書類、育児時短就業給付の確認方法の3つです。
今回の見直しは申請事務を行いやすくするもので、給付率や支給要件を一律に拡大する改正ではありません。
| 変更点 | 2026年8月からの扱い | 主な確認者 |
|---|---|---|
| 出生時育児休業中の賃金 | 休業期間中に支払日のある賃金を申告 | 本人・勤務先 |
| 配偶者の確認書類 | 一定の母子健康手帳の写しを提出可能 | 出生後休業支援給付金を申請する人 |
| 育児時短就業給付 | 改訂された証明書を確認資料として提出可能 | 本人・勤務先 |
変更1 出生時育児休業中の賃金申告
2026年8月1日以降に開始する出生時育児休業では、申請時に申告する賃金が、従来の「出生時育児休業期間を対象として支払われた賃金」から「出生時育児休業期間中に支払日のある賃金」へ変わりました。厚生労働省は、申請の早期化を図るための見直しとしています。
申告対象には、出生時育児休業期間(育児休業期間を含む)を対象とした賃金が含まれます。出生時育児休業を分割して取得する場合は、その間の就労期間に支払日のある賃金も含まれるため、勤務先の賃金台帳と照合してください。
変更2 母親が申請するときの配偶者確認書類
出生後休業支援給付金を母親が申請する場合も、配偶者の氏名と生年月日が記載された「出生済証明のページ」の母子健康手帳の写しを、配偶者の確認書類として提出できるようになりました。
同じ子についてすでに育児休業給付を受給している場合は、母子健康手帳の写しなどを改めて提出する必要はありません。母子健康手帳の写しで確認できないときは、世帯全員について記載された住民票などを求められる場合があります。
変更3 育児時短就業給付の確認方法
改訂された「育児時短就業期間等に係る証明書」を、育児時短就業の開始日と週所定労働時間の確認資料として提出できるようになりました。
育児休業終了後、同じ子について初めて育児時短就業を開始し、育児休業開始後から時短就業開始まで賃金の支払いがないことを確認できる場合は、賃金証明書の一部記載を省略できます。フレックスタイム制、変形労働時間制、シフト制では、週所定労働時間の計算方法も一部見直されています。
今回の変更で確認したい人
- 2026年8月1日以降に出生時育児休業を始める人
- 出生後休業支援給付金を申請する母親
- 育児休業後に初めて育児時短就業を始める人
- フレックスタイム制、変形労働時間制、シフト制で時短勤務をする人
- 申請事務を担当する勤務先の人事・労務担当者
申請先と相談先
申請先は、勤務先の事業所所在地を管轄するハローワークです。勤務先を通じて申請する場合は、人事・労務担当者に新しい申告方法や改訂様式を確認してください。
制度や手続の相談は、育児休業等給付コールセンター(0570-200-406、平日8時30分~17時15分。土日祝日、12月29日~1月3日を除く)または都道府県労働局・ハローワークで受け付けています。
給付額が一律に増える変更ではない
2026年8月1日の見直しは、賃金の申告方法や確認書類を扱いやすくする事務手続の変更です。給付率や支給要件が一律に広がる改正ではありません。必要書類は休業・時短就業の開始日や勤務形態によって異なるため、提出前に勤務先と管轄ハローワークへ確認してください。
公式情報
※制度内容は2026年8月23日に確認しています。個別の賃金計算や添付書類は、勤務先または管轄ハローワークで確認してください。
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公式情報・相談先
- 厚生労働省「育児休業給付」
- ハローワークインターネットサービス
- 勤務先の人事・労務担当
- 住所地を管轄するハローワーク
※本記事は2026年8月25日時点で確認できる厚生労働省の公表資料をもとに整理しています。支給額・要件・様式は改正されることがあります。申請前に必ず勤務先とハローワークへご確認ください。

