柔軟な働き方選択制度等支援コース2026|20万・25万・30万円

時差出勤・テレワーク・短時間勤務を選ぶ働き方のイラスト 仕事・失業

3歳から小学校入学前の子を育てる従業員が、時差出勤やテレワークなどを選べる会社では、2026年度(令和8年度)の両立支援等助成金を申請できる可能性があります。柔軟な働き方を3制度導入し、従業員が実際に利用すると1人20万円、4制度以上なら1人25万円です。有給の子の看護等休暇を整備した会社には、別枠で30万円の支援があります。

この「柔軟な働き方選択制度等支援コース」を受け取るのは、制度を利用する従業員本人ではなく、仕事と育児を両立できる制度を整えた中小企業事業主です。就業規則へ制度名を書くだけでは足りず、利用前の面談、個別プラン、6か月間の利用実績まで確認されます。

制度名両立支援等助成金・柔軟な働き方選択制度等支援コース
主な対象育児期の柔軟な働き方を支える制度を整備した中小企業事業主
3制度を導入対象労働者1人につき20万円
4制度以上を導入対象労働者1人につき25万円
子の看護等休暇を有給化30万円、1事業主1回限り
申請先本社等の所在地を管轄する都道府県労働局

柔軟な働き方選択制度等支援コースは2本立て

区分会社の取組支給額上限
柔軟な働き方選択制度対象となる制度を3つ以上導入し、面談・個別プランに基づいて従業員が利用3制度は20万円、4制度以上は25万円1事業主5人まで
子の看護等休暇制度有給化支援法を上回る有給の子の看護等休暇を整備し、雇用保険被保険者が10時間以上利用30万円1事業主1回限り

2025年10月から、3歳から小学校就学前までの子を養育する従業員に対し、事業主は法律で定められた5つの措置から2つ以上を選んで講じる必要があります。この助成金の「柔軟な働き方選択制度」は、法定の2つを超えて3つ以上を導入し、そのうち1つを対象労働者が一定基準以上利用した場合に支給されます。

会社が制度を用意しただけでは支給されません。対象労働者ごとの面談と「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」を制度利用前に作り、実際の利用日数・時間・費用を記録する必要があります。

対象となる5つの柔軟な働き方

制度助成金で求められる主な内容
フレックスタイム制度・時差出勤制度フレックスを利用可能にするか、所定労働時間を変えず始業・終業時刻を1時間以上ずらす
育児のためのテレワーク等週または月の勤務日の半数以上利用でき、時間単位の利用にも対応する
柔軟な働き方を実現するための短時間勤務制度1日の所定労働時間を平均1時間以上短縮し、6時間勤務以外の選択肢も用意する
保育サービスの手配・費用補助ベビーシッターや一時預かりなどを手配し、費用の全部または一部を会社が補助する
養育両立支援休暇制度年次有給休暇や子の看護等休暇とは別に、有給で年10労働日以上、時間単位・中抜け可能な休暇を設ける

フレックスタイム制度と時差出勤制度は、両方を導入しても1制度として数えます。3制度と4制度以上では支給額が変わるため、会社がどの制度を組み合わせるかを決める段階で数え方を確認してください。

3制度で20万円、4制度以上で25万円

柔軟な働き方選択制度の支給額は、導入した制度の数で決まります。

  • 対象制度を3つ導入し、労働者が利用:1人20万円
  • 対象制度を4つ以上導入し、労働者が利用:1人25万円
  • 支給人数:1事業主につき延べ5人まで

対象は中小企業事業主です。資本金・出資額または常時雇用する労働者数の基準は業種により異なるため、申請前に厚生労働省の2026年度手引きにある「中小企業事業主の範囲」を確認します。

制度を利用する労働者は、制度利用期間中と支給申請日の両方で雇用保険被保険者として雇用されている必要があります。6か月の間に解雇・退職した場合や、雇用保険被保険者でなくなった場合は対象になりません。

対象となる子の年齢は3歳から小学校入学前

原則として、対象労働者が養育する子は3歳以降、小学校就学前までです。会社が3歳未満の子を養育する労働者も柔軟な働き方選択制度の対象にすると就業規則等へ定めた場合は、3歳未満の子も対象になり得ます。

ただし、3歳未満の子について「柔軟な働き方を実現するための短時間勤務制度」を使った申請は、このコースの対象外です。3歳未満の子を養育する労働者には法律上の短時間勤務制度があるため、助成金で扱う範囲を混同しないようにします。

利用実績は20日・20時間など制度ごとに違う

利用した制度6か月間に必要な主な実績
フレックスタイム制度所定労働日ベースで合計20日以上
時差出勤制度始業・終業を1時間以上ずらした日が、所定労働日ベースで合計20日以上
育児のためのテレワーク等所定労働日ベースで合計20日以上。勤務日・始業終業時刻を業務日報等で確認できること
短時間勤務制度所定労働日ベースで合計20日以上。時間当たりの基本給等の水準を利用前より下げないこと
保育サービスの手配・費用補助労働者負担額の5割程度以上を補助し会社負担3万円以上、または会社負担10万円以上
養育両立支援休暇制度合計20時間以上

複数制度の実績は合算できません。たとえば、テレワーク10日と時差出勤10日を合わせて20日にしても、利用基準を満たしたことにはなりません。助成対象として申請する1制度について、単独で基準を満たす必要があります。

タイムカードや出退勤記録、テレワークの業務日報、休暇簿、保育サービスの領収書など、制度ごとの実績を確認できる記録を残します。出勤簿への押印だけで実際の始業・終業時刻を確認できない場合は、休暇制度を除き対象にならない可能性があります。

面談と個別プランは利用開始前に行う

対象労働者が制度を使い始める前日までに、次の準備を終えておきます。

  1. 3つ以上の柔軟な働き方選択制度を就業規則等へ規定する
  2. 個別プランで制度利用と利用後のキャリア形成を支援する方針を、全労働者へ書面等で周知する
  3. 対象労働者と面談し、希望する制度、業務上の配慮、育児の状況を面談シートへ記録する
  4. 面談結果をもとに、育児に係る柔軟な働き方支援プランを作成する

プランには、利用する制度名だけでなく、制度利用中の業務体制をどう整えるか、利用終了後のキャリア形成をどう支えるかを盛り込みます。夕方以降の担当を見直す、会議を日中に行う、業務マニュアルを作るなど、本人の希望と職場の実情をつないだ内容が必要です。

制度利用が始まってから面談やプランを作成しても、原則として助成対象になりません。従業員から申出があった時点で、就業規則、面談シート、プラン様式をまとめて確認します。

有給の子の看護等休暇は30万円

2026年4月8日以降に、法を上回る形で子の看護等休暇を有給化し、雇用保険被保険者が10時間以上利用した場合は、1事業主1回限り30万円を申請できます。

  • 年次有給休暇を取得した場合と同等の賃金が支払われる有給休暇である
  • 1年度につき10労働日以上を付与する
  • 時間単位または時間未満単位で取得でき、中抜けにも対応する
  • 1日の所定労働時間を変更せずに利用できる
  • 年次有給休暇とは別に取得できる

対象となる子は、小学校3年生修了までです。複数の子について取得した時間を合計して10時間以上とすることもできます。同じ会社で働く配偶者が同じ制度を利用した場合は、夫婦の取得時間を合計できる場合があります。

この30万円の制度と、5つの柔軟な働き方の一つである「養育両立支援休暇制度」は別です。養育両立支援休暇は20時間以上の利用が必要で、子の看護等休暇や年次有給休暇とは別の休暇として整備します。

対象期間を広げると20万円加算

加算主な要件支給額
制度利用期間延長加算導入した柔軟な働き方選択制度のすべて、または有給の子の看護等休暇を、中学校修了前までの子を養育する労働者が利用できるようにする20万円
障害児等要配慮支援加算導入制度のすべて、または有給の子の看護等休暇を、18歳年度末まで等の障害児・医療的ケア児を養育する労働者が利用できるようにする20万円
育児休業等に関する情報公表加算男性・女性の育児休業取得割合や男女別の平均取得日数などを指定サイトで公表する2万円

各加算は1事業主1回限りで、加算だけを単独で申請することはできません。柔軟な働き方選択制度または子の看護等休暇制度有給化支援の申請と同時に、対象範囲を確認できる就業規則等を提出します。

申請期限は6か月経過後の2か月以内

申請区分申請期間
柔軟な働き方選択制度制度利用開始から6か月間が経過した日の翌日から2か月以内
子の看護等休暇制度有給化支援有給休暇の利用時間が10時間に達した日の翌日から2か月以内

フレックスタイム、時差出勤、短時間勤務は、本人が申し出た利用期間の初日が制度利用開始日です。テレワーク、保育サービスの手配・費用補助、養育両立支援休暇は、プラン作成後に最初に利用した日から6か月を数えます。

郵送申請は消印日ではなく、労働局への到着日で期限を判断します。簡易書留など配達記録が残る方法を使い、期限内必着で提出します。電子申請は雇用関係助成金ポータルから行えます。

申請に必要な主な書類

  • 柔軟な働き方選択制度等支援コース支給申請書
  • 支給要件確認申立書
  • 対象制度、育児休業、短時間勤務を確認できる労働協約・就業規則・労使協定
  • 支援方針を全労働者へ周知したことが分かる書類
  • 面談シートと育児に係る柔軟な働き方支援プラン
  • 制度利用申出書、出勤簿、タイムカード、業務日報、休暇簿
  • 賃金台帳、労働条件通知書、雇用契約書
  • 保育サービスの領収書と会社の補助額を確認できる書類
  • 対象となる子の出生・年齢を確認できる母子手帳、医療証、住民票など
  • 一般事業主行動計画策定届と、公表・周知を確認できる資料

申請先は、人事労務管理の機能を持つ本社等の所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。登記上の本店所在地と異なる場合があります。

申請までの流れ

  1. 会社が中小企業事業主の範囲に入るか確認する
  2. 5つの選択肢から3制度以上を選び、対象年齢、利用方法、賃金の扱いを就業規則等へ規定する
  3. 支援プランに基づく支援方針を全労働者へ周知する
  4. 利用予定者と面談し、面談シートへ記録する
  5. 個別の育児に係る柔軟な働き方支援プランを作成する
  6. 制度利用を開始し、6か月間の利用日数・時間・費用を記録する
  7. 申請期間を確認し、都道府県労働局または電子申請で提出する

対象外になりやすいケース

  • 柔軟な働き方を2制度しか導入していない
  • 制度利用が始まった後に面談・個別プランを作成した
  • 複数制度の日数を合算して20日の実績にした
  • テレワークや時差出勤を育児目的で利用したことを確認できない
  • タイムカード等がなく、実際の始業・終業時刻を確認できない
  • 短時間勤務の利用中に時間当たりの基本給等の水準を下げた
  • 有給の子の看護等休暇が年10日未満、時間単位や中抜けに対応していない
  • 一般事業主行動計画が申請日時点で有効でない
  • 申請期限を消印日で判断し、書類の到着が遅れた

この助成金では、制度の数だけでなく、従業員の希望を確認し、実際に使える業務体制を作ったかが確認されます。就業規則、面談、プラン、勤務記録、賃金台帳が同じ制度利用を示すよう、開始前から資料をそろえてください。

公式情報・申請先

あわせて確認したい記事

※本記事は2026年8月24日時点の厚生労働省公式情報をもとに作成しています。支給の可否は、事業主の規模、制度を規定・周知した時期、面談とプランの内容、対象労働者の子の年齢、制度利用実績、賃金・雇用保険の状況、過去の受給歴、雇用関係助成金の共通要件などを含めて都道府県労働局が判断します。申請前に最新の支給要領・申請様式をご確認ください。

次に確認すること

制度は、対象・金額・期限・申請先の4点がそろって初めて動けます。次のページで残りを確認してください。

迷ったときの相談先

最終的な支給の可否・金額は、お住まいの市区町村の窓口、年金事務所、ハローワークなどの公的機関が判断します。当サイトは公式情報をもとに整理していますが、申請前に必ず窓口でご確認ください。制度の内容は変更されることがあります。

この記事の調査・編集について

調査・執筆・編集確認:カネさん(給付金プラス運営者)

2021年3月から、給付金・助成金・公的支援制度の情報発信を行っています。記事は、制度の実施機関が公開する案内・募集要項・申請書、所管省庁の法令・通知・公表資料、実施機関の公式FAQを確認して作成しています。AIは調査と構成の補助に使うことがありますが、公開前に運営者が公式資料と照合しています。

本文中の「確認日」は、その時点で公式資料を確認した日付です。最終更新日は記事冒頭に表示しています。制度改正や受付終了が判明した場合は、公開済みの記事も修正・追記します。

記事の誤り、古くなった情報、リンク切れを見つけた場合は、お問い合わせフォームからご連絡ください。内容を確認のうえ修正します。なお、最終的な支給の可否・金額は、市区町村の窓口、年金事務所、ハローワークなどの公的機関が判断します。

仕事・失業助成金・補助金子育て・教育
カネさんをフォローする
タイトルとURLをコピーしました