退職前に残っている有給休暇を使う場合、「最後に会社へ行った日」と「退職日」は同じとは限りません。
たとえば、8月1日を最後の出勤日とし、8月2日から8月30日まで有給休暇を使い、8月31日付で退職する場合、雇用契約が終わる日は8月31日です。雇用保険の離職日も、原則として雇用契約が終了した8月31日になります。
8月31日の翌日である9月1日が、雇用保険や健康保険の資格を失う日です。
最終出勤日と離職日を分ける
確認する日付は3つあります。
| 日付 | 意味 |
|---|---|
| 最終出勤日 | 実際に勤務した最後の日。有給休暇の開始日より前になることがある |
| 退職日・離職日 | 雇用契約が終了する日。離職票には離職年月日が記載される |
| 資格喪失日 | 離職日の翌日。雇用保険や健康保険の資格を失う日 |
雇用保険の基本手当を申請するときは、最終出勤日ではなく、離職票に記載された離職日を確認します。事業主は、離職の事実、離職年月日、離職理由などを確認できる資料をもとに、資格喪失届や離職証明書を提出します。
65歳の境目にも影響する
65歳の誕生日の前後で退職する場合は、実際に最後に出勤した日ではなく、離職日が重要です。
雇用保険では、誕生日の前日に満年齢へ達するため、離職日が65歳未満か65歳以上かで、基本手当と高年齢求職者給付金の扱いが変わることがあります。有給消化の予定を入れるときは、最後の出勤日だけで判断しないでください。
健康保険・厚生年金の手続きも変わる
健康保険と厚生年金の資格喪失日は、原則として退職日の翌日です。月末退職か、月末の前日以前の退職かによって、資格喪失月や保険料の扱いが変わることがあります。
退職日を会社と合意した後に有給消化の予定だけを変更する場合と、退職日そのものを変更する場合では、手続きの影響が違います。健康保険、厚生年金、雇用保険、退職金の支給条件を確認してから変更してください。
退職後の健康保険には、任意継続、国民健康保険、家族の被扶養者という選択肢があります。任意継続は退職日の翌日から20日以内という短い期限があるため、資格喪失証明書が必要かどうかも早めに確認します。
有給休暇を使うときの注意
年次有給休暇は、退職日を過ぎてから請求できません。退職前に残日数を使い切ることはできますが、会社との引き継ぎや退職日の合意を含め、早めに調整します。
退職間際の年休については、会社が時季変更権を行使できない場面があります。一方、会社から退職日を遅らせる提案を受けた場合に応じるかどうかは、労働者が判断します。会社の就業規則と退職届の記載を確認し、口頭だけで日付を変えないことが大切です。
退職前にそろえる書類
- 退職届または退職辞令
- 有給休暇の取得予定表
- 雇用契約書・就業規則
- 離職票、離職証明書
- 健康保険資格喪失証明書
- 退職日と最終出勤日が分かる勤務先の説明
離職票の離職年月日が合意した退職日と違う場合は、署名する前に勤務先へ確認します。解決しない場合は、住所地を管轄するハローワークへ相談してください。
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公的資料
- 厚生労働省「年次有給休暇」
- 厚生労働省「雇用保険被保険者離職証明書についての注意」
https://www.mhlw.go.jp/content/000763185.pdf
- 厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」


