退職後に住民税の納付書が届くのは、退職した年の所得に対する住民税が、翌年度に課税されるためです。
住民税は、原則として前年1月から12月までの所得をもとに計算され、翌年6月から翌々年5月まで給与から特別徴収されます。退職して今の収入がなくても、前年の給与所得に対する税額は残ります。
「退職時に残りを一括で払ったから、翌年の納付書は間違い」とは限りません。退職時に一括徴収するのは、すでに決まっている年度の残額です。翌年度の住民税は、前年の所得をもとに別に決まります。
退職時に残る住民税
給与から引かれている住民税は、通常、6月から翌年5月までの12回に分けて納めます。
退職すると、まだ給与から引いていない残額を次の方法で納めます。
| 退職時期 | 一般的な扱い |
|---|---|
| 6月から12月 | 残額を普通徴収に切り替えるか、本人の申出で一括徴収することがある |
| 翌年1月から4月 | 5月末までに支払われる給与・退職手当等が残額を上回る場合、原則として一括徴収 |
| 5月 | その年度の最終月に近いため、未徴収額や給与支給日を勤務先・自治体が確認 |
実際の扱いは、退職日、給与・退職金の支払予定、自治体の手続きによって変わります。最後の給与からいくら差し引かれるかは、勤務先の給与担当者へ確認してください。
翌年度の住民税は別に届く
たとえば、2026年10月に退職した場合を考えます。
- 2026年10月時点では、2025年の所得に対する住民税を納めている
- 2026年10月の退職時に、2026年5月までの年度の残額を精算する
- 2026年1月から12月の所得をもとに、2027年度の住民税が決まる
- 2027年6月ごろから、納税通知書による普通徴収などで納める
2026年の所得が給与だけで、退職後に収入がなくても、2026年1月から退職日までの給与所得があれば、2027年度の住民税が発生する可能性があります。
いくら払うかは退職前の給与だけで決まらない
住民税額は、前年所得だけでなく、給与所得控除、扶養、医療費控除、配偶者控除、寄附金控除などの条件にも影響されます。自治体ごとの税率や均等割、森林環境税も確認が必要です。
退職前の給与明細だけを使って、翌年度の住民税を正確に見積もることはできません。源泉徴収票、控除の状況、納税通知書をそろえて、住所地の市区町村に確認します。
住民税と退職金の税金は分けて考える
退職金にかかる税金は、毎月の給与に対する住民税とは別に、退職所得として計算されるのが一般的です。退職金を受け取るときに所得税と住民税が差し引かれる場合があります。
一方、退職後に届く住民税の納税通知書は、主に給与や年金など、前年の通常の所得に対するものです。納付書の年度と所得の対象期間を見て、退職金の税金と二重に考えないようにします。
退職後に確認する書類
- 退職前の給与明細
- 住民税の特別徴収税額通知書
- 最終給与の控除明細
- 源泉徴収票
- 市区町村から届いた納税通知書・納付書
- 退職金の源泉徴収票・特別徴収票
納付書を放置すると、延滞金や差し押さえの対象になることがあります。支払いが難しい場合は、納期限前に市区町村の税担当窓口へ相談してください。分割や猶予の可否は自治体の審査になります。
関連記事
公的資料
- 横浜市「退職後の住民税は…」

- 東京都主税局「個人住民税」

- 東京都主税局「個人住民税と特別徴収について」



