両立支援等助成金2026|6コースの対象・金額・申請期限まとめ

男性育休の取得計画を相談する中小企業の従業員と人事担当者 助成金・補助金

両立支援等助成金は、仕事と育児・介護・治療の両立を支える制度を整え、実際に従業員が利用した中小企業事業主へ支給される助成金です。2026年度(令和8年度)は6つのコースがあり、コースごとに対象・金額・申請期限が異なります。

このページでは6コースを1つにまとめました。まず比較表で自社が使えるコースを絞り込み、該当するコースの詳細へ進んでください。

まず確認|自社が使えるコースはどれか

6コースは対象も金額も別です。自社の取組に近いものから確認してください。いずれも中小企業事業主が対象で、受け取るのは労働者本人ではありません。

Q1 男性従業員が育児休業を取りましたか?

取った子の出生後8週間以内に始まる育休なら出生時両立支援コース。1人目20万円(雇用環境整備を4つ以上で30万円)、2人目・3人目 各10万円。

Q2 育休復帰支援プランを作り、従業員が3か月以上の育休を取って復帰しましたか?

はい育児休業等支援コース。育休取得時30万円+職場復帰時30万円の2段階です。

Q3 育休・育児短時間勤務中の従業員の業務を、周囲や新規雇用で代替しましたか?

代替した育休中等業務代替支援コース。代替手当の4分の3(育休は上限月10万円・最長24か月、短時間勤務は上限月3万円)、代替要員の新規雇用は9万〜81万円。

Q4 3歳から小学校入学前の子を育てる従業員が、柔軟な働き方を利用しましたか?

利用した柔軟な働き方選択制度等支援コース。3制度導入で20万円、4制度以上で25万円。子の看護等休暇の有給化は別枠30万円。

Q5 家族の介護をする従業員が、介護休業や両立支援制度を利用しましたか?

利用した介護離職防止支援コース。介護休業40万円(連続15日以上は60万円)、介護両立支援制度20万〜40万円、介護休暇の有給化30万〜50万円。

Q6 不妊治療・月経・更年期に対応する制度を整え、従業員が利用しましたか?

利用した不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース。3区分それぞれ30万円(各1回限り)。
どのコースも「就業規則に書いた」だけでは支給されません。規定の整備、面談や個別プランの作成、担当者の選任などを対象者が制度を利用し始める前に終えておく必要があります。後から整えても遡って対象にはなりません。
  1. 6コースの比較
  2. 出生時両立支援コース|男性従業員の育児休業
    1. 出生時両立支援コースとは
    2. 2026年度の支給額
    3. 対象になる中小企業
    4. 育休開始前に必要な雇用環境整備
    5. 業務見直しの規定と体制整備も必要
    6. 申請期限は育休終了日の翌日から2か月以内
    7. 主な申請書類
    8. 取得率が上がった事業主は60万円の区分も
    9. 申請前に確認したい注意点
    10. 公式情報・申請先
  3. 育児休業等支援コース|育休の取得と職場復帰
    1. 育児休業等支援コースは取得時と復帰時の2段階
    2. 1事業主2回まで、無期と有期で各1回
    3. 育休取得時は連続3か月以上が必要
    4. 面談・プラン・引き継ぎは休業開始前に終える
    5. 育休復帰支援プランに書く2つの内容
    6. 育休取得時の申請期限は3か月経過後の2か月以内
    7. 職場復帰時は原職等への復帰と6か月雇用
    8. 職場復帰時の申請期限は復帰後6か月の翌日から2か月
    9. 情報公表加算は2万円
    10. 出生時両立支援コースとの違い
    11. 申請に必要な主な書類
    12. 申請までの流れ
    13. 対象外につながりやすい確認漏れ
    14. 公式情報・申請資料
  4. 育休中等業務代替支援コース|業務の代替体制
    1. 育休中等業務代替支援コースは3区分
    2. 育休中の代替手当は月10万円・最長24か月
    3. 育休7日以上と代替手当の事前規定が必要
    4. 短時間勤務中の代替手当は月3万円が上限
    5. 代替要員の新規雇用は9万~81万円
    6. 有期雇用労働者は10万円加算
    7. 申請期限は育休期間と区分で変わる
    8. 支給人数は1年度10人、初回から5年間
    9. 同じ育休で他の両立支援コースも併用できる
    10. 申請に必要な主な書類
    11. 申請までの流れ
    12. 不支給につながりやすい確認漏れ
    13. 公式情報・申請先
  5. 柔軟な働き方選択制度等支援コース|3歳〜就学前の子
    1. 柔軟な働き方選択制度等支援コースは2本立て
    2. 対象となる5つの柔軟な働き方
    3. 3制度で20万円、4制度以上で25万円
    4. 対象となる子の年齢は3歳から小学校入学前
    5. 利用実績は20日・20時間など制度ごとに違う
    6. 面談と個別プランは利用開始前に行う
    7. 有給の子の看護等休暇は30万円
    8. 対象期間を広げると20万円加算
    9. 申請期限は6か月経過後の2か月以内
    10. 申請に必要な主な書類
    11. 申請までの流れ
    12. 対象外になりやすいケース
    13. 公式情報・申請先
  6. 介護離職防止支援コース|家族の介護との両立
    1. 2026年度は4つの支援区分
    2. 対象になるのは中小企業事業主
    3. 介護休業は連続5日以上、復帰後3か月の雇用が必要
    4. 介護両立支援制度は5種類
    5. 介護休暇の有給化は2026年度の新設支援
    6. 業務代替支援は新規雇用と手当支給で分かれる
    7. 申請期限は支援区分で異なる
    8. 申請に必要な主な書類
    9. 申請までの流れ
    10. 不支給につながりやすい確認漏れ
    11. 公式情報・申請先
  7. 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース
    1. 3つの区分でそれぞれ30万円
    2. 対象になるのは中小企業事業主
    3. 対象になる6種類の制度
    4. 制度は利用開始日の前日までに規定する
    5. 両立支援担当者の選任も利用開始前に
    6. 1人が合計5日(回)利用する
    7. 申請期限は5回目の翌日から2か月以内
    8. 申請に必要な主な書類
    9. 申請までの流れ
    10. 不支給につながりやすい確認漏れ
    11. 公式情報・申請先
  8. 公式情報

6コースの比較

コース対象となる場面主な支給額申請期限の起点
出生時両立支援コース男性従業員が子の出生後8週間以内に育児休業を取得1人目20万円(雇用環境整備を4つ以上で30万円)/2人目・3人目 各10万円育児休業終了日の翌日から2か月以内
育児休業等支援コース育休復帰支援プランに基づく育休取得と職場復帰育休取得時30万円+職場復帰時30万円取得時:育休開始から3か月経過後2か月以内/復帰時:復帰後6か月経過後2か月以内
育休中等業務代替支援コース育休・育児短時間勤務中の業務を代替する体制の整備代替手当の4分の3(育休は上限月10万円・最長24か月、短時間勤務は上限月3万円)+業務体制整備経費2万〜20万円/代替要員の新規雇用9万〜81万円区分と育児休業の期間により異なる
柔軟な働き方選択制度等支援コース3歳から小学校入学前の子を育てる従業員が柔軟な働き方を利用3制度導入で20万円、4制度以上で25万円/子の看護等休暇の有給化30万円制度利用開始から6か月経過後2か月以内
介護離職防止支援コース家族の介護をする従業員の休業・両立支援制度の利用介護休業40万円(連続15日以上は60万円)/介護両立支援制度20万〜40万円/介護休暇の有給化30万〜50万円各区分の要件を満たした後
不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース不妊治療・月経に伴う症状・更年期の不調と仕事の両立不妊治療・月経・更年期の各区分30万円(各1回限り)合計5日(回)を経過した日の翌日から2か月以内

どのコースにも共通する前提が3つあります。

  • 受け取るのは休業や治療をする労働者本人ではなく、制度を整備・運用した事業主です
  • 対象は原則として中小企業事業主で、基準は業種ごとに資本金または常時雇用する労働者数で判断します
  • 申請先は本社等の所在地を管轄する都道府県労働局です

いずれのコースも「制度を就業規則に書いた」だけでは支給されません。規定の整備、面談や個別プランの作成、担当者の選任などを対象者が制度を利用し始める前に終えておく必要があります。後から整えても遡って対象にはなりません。

出生時両立支援コース|男性従業員の育児休業

男性従業員が子の出生後8週間以内に育児休業を始める中小企業は、2026年度(令和8年度)の両立支援等助成金「出生時両立支援コース」を申請できる可能性があります。1人目の支給額は20万円で、雇用環境整備の措置を4つ以上実施した場合は30万円です。

ただし、育休を取った後から社内制度を整えればよいわけではありません。就業規則、育休を取りやすくする雇用環境整備、休業者の業務を見直す規定などは、原則として対象者の育児休業開始日の前日までに準備する必要があります。申請期限も、対象となる育児休業が終わった日の翌日から2か月以内です。

制度名両立支援等助成金・出生時両立支援コース
主な対象男性従業員の育児休業取得を支援する中小企業事業主
1人目20万円(雇用環境整備を4つ以上実施すると30万円)
2人目・3人目各10万円
情報公表加算2万円(いずれか1回限り)
申請期限対象となる育児休業終了日の翌日から2か月以内

出生時両立支援コースとは

出生時両立支援コースは「子育てパパ支援助成金」とも呼ばれます。男性従業員が育児休業を取得しやすい職場環境と業務体制を整え、実際に子の出生後8週間以内に始まる育児休業を取得した場合に、事業主へ支給される助成金です。

育児休業給付金や出生後休業支援給付金は原則として休業する従業員本人に支給されますが、この助成金は職場環境を整えた事業主が申請します。従業員本人が申請する制度ではありません。

2026年度の支給額

区分育児休業の要件支給額
1人目連続5日以上、うち所定労働日4日以上20万円
1人目・環境整備を4つ以上実施上記に加え、所定の雇用環境整備措置を4つ以上実施30万円
2人目連続10日以上、うち所定労働日8日以上10万円
3人目連続14日以上、うち所定労働日11日以上10万円

日数は暦日で数えるため、土日などの休日を含められます。ただし、休業期間内に表の所定労働日数が含まれていることが必要です。産後パパ育休を複数回に分けて取得した場合でも、必要日数を連続して取得した休業が対象になります。

育児休業等に関する情報公表加算は2万円です。男性労働者の育児休業取得(1~3人目)または後述する取得率上昇の申請のいずれか1回に限って加算できます。1人目で雇用環境整備を4つ以上実施し、情報公表加算も受ける場合は合計32万円になります。

対象になる中小企業

男性労働者の育児休業取得に対する助成は、中小企業事業主が対象です。業種ごとに、資本金または常時雇用する労働者数の基準があります。個人事業主でも、雇用保険の適用事業主で要件を満たせば対象になり得ます。

  • 対象の男性従業員が雇用保険被保険者である
  • 育児休業開始から支給申請日まで継続雇用している
  • 育児休業と育児のための短時間勤務制度を就業規則等に定めている
  • 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定・届出・公表・周知している
  • 雇用関係助成金に共通する不支給要件に該当しない

一般事業主行動計画は、申請日時点で計画期間内にあることが必要です。プラチナくるみん認定事業主は、行動計画の策定・届出がなくても対象になり得ます。

育休開始前に必要な雇用環境整備

助成対象になるには、次の5項目から必要数の措置を実施します。単に方針を決めるだけでなく、研修案内、相談窓口の周知資料、イントラネットの掲載画面など、実施した日と内容が分かる証拠を残してください。

  1. 労働者に対する育児休業の研修
  2. 育児休業に関する相談体制の整備
  3. 自社の育児休業取得事例の収集・提供
  4. 育児休業制度と取得促進方針の周知
  5. 育休申出者の業務配分または人員配置に関する措置
対象人数産後パパ育休の申出期限が2週間前まで申出期限が2週間前より長い
1人目2つ以上3つ以上
2人目3つ以上4つ以上
3人目4つ以上5つすべて

1人目について4つ以上実施すると、支給額は20万円から30万円になります。申出期限を2週間より長く定めている企業では必要数が増えるため、自社の労使協定と就業規則を先に確認してください。

業務見直しの規定と体制整備も必要

雇用環境整備とは別に、育児休業取得者の業務を代替する従業員の負担を軽くするため、業務整理・引継ぎと引継ぎ対象業務の見直しを行う規定が必要です。就業規則、労使協定、内規、または必要事項を含む育休復帰支援プランで定めます。

  • 休止・廃止できる業務を洗い出す
  • 作業手順を簡素化し、マニュアルを作る
  • 担当者や実施体制を変更する
  • 必要に応じて外注や代替要員を検討する

規定は育休開始日の前日までに策定します。規定に基づく実際の業務体制整備は育休開始前が望ましく、遅くとも育児休業の終了日までに行う必要があります。周囲へ業務を渡しただけで負担調整の検討記録がない場合、要件を説明できないおそれがあります。

申請期限は育休終了日の翌日から2か月以内

男性労働者の育児休業取得で申請する場合、期限は申請対象となる育児休業の終了日の翌日から起算して2か月以内です。郵送は消印日ではなく労働局への到達日で判断されるため、期限内必着となります。

分割取得では、初回の育児休業だけで必要日数を満たした場合、その休業の終了日の翌日から申請期間が始まります。2回目の休業が終わるまで待つと期限を過ぎることがあるので注意してください。

主な申請書類

  • 出生時両立支援コース支給申請書(様式第1~4号)
  • 支給要件確認申立書
  • 就業規則、労働協約、関連する労使協定
  • 雇用環境整備措置の内容と実施日が分かる資料
  • 業務見直しの規定と実施内容が分かる資料
  • 対象者の育児休業申出書、出勤簿、賃金台帳
  • 雇用契約期間・所定労働日が分かる書類
  • 子の出生日を確認できる母子手帳の該当部分や住民票など
  • 一般事業主行動計画策定届

申請先は、登記上の本店とは限らず、人事労務管理の機能を持つ本社等の所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。電子申請は雇用関係助成金ポータルから行えます。

取得率が上がった事業主は60万円の区分も

出生時両立支援コースには、個々の男性従業員の育休取得とは別に、男性の育児休業取得率が上昇した場合の区分があります。申請年度の前年度を基準に、前々年度から30ポイント以上上昇して50%以上となった場合などは60万円です。申請時にプラチナくるみん認定事業主であれば15万円が加算されます。

この区分は特定事業主が対象で、1事業主につき1回限りです。申請期限は、要件を満たした事業年度の翌事業年度が始まってから6か月以内です。同じ事業年度に男性労働者の育休取得分と取得率上昇分の両方を申請することはできず、取得率上昇分の受給後に個人の育休取得分を申請することもできません。

申請前に確認したい注意点

  • 社内制度や雇用環境整備を育休開始後に実施していないか
  • 休業日数だけでなく、期間内の所定労働日数も満たしているか
  • 一般事業主行動計画が申請日時点で有効か
  • 対象者を申請日まで雇用保険被保険者として継続雇用しているか
  • 同じ育休で育児休業等支援コースを申請していないか
  • 郵送書類が期限内に労働局へ到着するか

同じ男性従業員の同じ育児休業について、出生時両立支援コースと育児休業等支援コース(育休取得時・職場復帰時)の併給はできません。どのコースで申請するか迷う場合は、育休開始前に管轄労働局へ相談すると安全です。

公式情報・申請先

育児休業等支援コース|育休の取得と職場復帰

従業員ごとに「育休復帰支援プラン」を作り、3か月以上の育児休業と職場復帰を支えた中小企業は、2026年度(令和8年度)の両立支援等助成金を申請できる可能性があります。育児休業を取得した段階で30万円、同じ従業員が職場復帰して6か月以上継続して雇用された段階で30万円です。

この「育児休業等支援コース」を受け取るのは、育児休業を取った従業員本人ではなく、休業前の面談、業務の引き継ぎ、休業中の情報提供、復帰前の面談まで行った中小企業事業主です。育休の申出を受けてから準備を始めると間に合わない項目があるため、面談とプランの期限を先に確認してください。

制度名両立支援等助成金・育児休業等支援コース
主な対象育休復帰支援プランに基づき、従業員の育休取得と職場復帰を支えた中小企業事業主
育休取得時30万円
職場復帰時30万円
支給回数各区分とも1事業主2回まで。無期雇用労働者・有期雇用労働者について各1回
情報公表加算2万円、育休取得時または職場復帰時のいずれか1回
申請先本社等の所在地を管轄する都道府県労働局

育児休業等支援コースは取得時と復帰時の2段階

区分会社の主な取組支給額申請時期
育休取得時休業前に面談と個別プランを作り、業務の引き継ぎを行った上で、対象者が連続3か月以上の育児休業を取得30万円産後休業開始日または育児休業開始日から3か月経過後、2か月以内
職場復帰時休業中に職場情報を提供し、復帰前に面談。原職等へ復帰させ、6か月以上継続雇用30万円育児休業終了日の翌日から6か月経過後、2か月以内

職場復帰時の30万円は、同じ対象労働者の同じ育児休業について、先に育休取得時の助成金を受給した場合に申請できます。復帰だけを切り離して30万円を申請する制度ではありません。

支給対象は中小企業事業主のみです。資本金・出資額または常時雇用する労働者数の基準は業種で異なるため、厚生労働省の2026年度手引きにある「中小企業事業主の範囲」を確認します。

1事業主2回まで、無期と有期で各1回

育休取得時と職場復帰時は、それぞれ1事業主2回まで申請できます。内訳は、雇用期間の定めがない労働者について1回、有期雇用労働者について1回です。雇用期間の定めがあるかどうかは、育休復帰支援プランを作った時点で判断します。

  • 無期雇用労働者の育休取得時:1回30万円
  • 有期雇用労働者の育休取得時:1回30万円
  • 上記と同じ対象者の職場復帰時:それぞれ1回30万円
  • 育児休業等に関する情報公表加算:2万円、いずれか1回限り

同じ会社で働く父母が同じ子について育児休業を取得した場合は、2026年度Q&Aで、それぞれについて申請可能とされています。ただし、無期・有期の支給回数上限や、それぞれの面談・プラン・育休実績を満たす必要があります。

育休取得時は連続3か月以上が必要

育休取得時の30万円では、対象労働者が連続3か月以上の育児休業を取得していることが必要です。産後休業から続けて育児休業を取得した場合は、産後休業を含めて連続3か月以上なら対象になり得ます。

  • 育休復帰支援プランで取得・復帰を支援する方針を、休業開始前に全労働者へ書面等で周知する
  • 対象者と面談し、面談シートに育休期間、引き継ぎ、復帰後の働き方などを記録する
  • 面談結果をもとに、対象者ごとの育休復帰支援プランを作る
  • プランに基づいて、休業前に業務の整理と引き継ぎを行う
  • 育児休業と育児短時間勤務の制度を、労働協約または就業規則へ具体的に定める
  • 一般事業主行動計画を策定・届出・公表・周知する
  • 休業開始日に対象者を雇用保険被保険者として雇用している

育児休業中に一時的に働いた日がある場合は、すべての月について就業日数が10日以下、10日を超えるときは就業時間が80時間以下などの扱いを確認します。労使合意に基づかない就業や、恒常的・定期的な就業は育児休業と認められません。

面談・プラン・引き継ぎは休業開始前に終える

このコースで最も確認したいのは、育休が始まる前の日付です。次の取組は、対象労働者の休業開始日の前日までに終えておきます。

休業の取り方面談・プラン・引き継ぎの期限
産前休業から産後休業・育児休業を連続取得産前休業開始日の前日まで
産後休業から育児休業を連続取得産後休業開始日の前日まで
上記以外育児休業開始日の前日まで

支援方針は、今回の対象者だけを支援するという内容ではなく、今後も育休取得希望者ごとにプランを作って支援する会社の方針として明文化します。就業規則、社内報、イントラネットなど、日付と周知範囲を確認できる方法を使います。

すでに通常の引き継ぎを終えた後でプランを作り、その引き継ぎをプランの実施として扱うことはできません。面談、プラン作成、引き継ぎが同じ順序でつながっていることを、日付入りの記録で示せるようにします。

育休復帰支援プランに書く2つの内容

育休復帰支援プランには、少なくとも次の2項目を盛り込みます。

  1. 業務の整理と引き継ぎ:休止・縮小できる仕事、引き継ぐ仕事、担当者、マニュアル作成、引き継ぎ日程
  2. 休業中の情報・資料の提供:職場の組織変更、業務マニュアル、月報、研修資料などを、いつ、どの方法で届けるか

プランの目的は書類を埋めることではありません。育休に入る人の仕事を棚卸しし、残る従業員の負担が偏らないよう引き継ぎ方を決め、本人が休業中も必要な情報にアクセスできるようにするための実施計画です。

厚生労働省は育休復帰支援プランと面談シートの参考様式を公開しています。参考様式を使っても、助成金で求められる項目や日付が抜けていれば対象外になるため、自社の育休日程と実際の引き継ぎ内容を記録してください。

育休取得時の申請期限は3か月経過後の2か月以内

ケース3か月の起算日申請期間
産後休業から育児休業を連続取得産後休業開始日起算日から3か月を経過した日の翌日から2か月以内
産後休業を取らず育児休業のみ取得育児休業開始日起算日から3か月を経過した日の翌日から2か月以内
産後休業と育児休業が連続していない育児休業開始日起算日から3か月を経過した日の翌日から2か月以内

育児休業が長く続く場合でも、育休の終了を待ってから申請するわけではありません。育休終了前に育休取得時の申請期限が来ることがあります。対象者の休業開始日を決めた段階で、3か月経過日と申請期限をカレンダーへ入れておきます。

郵送申請は消印日ではなく、労働局への到着日で判断されます。簡易書留など配達記録が残る方法を使い、期限内必着で提出します。

職場復帰時は原職等への復帰と6か月雇用

職場復帰時の30万円では、育休中から復帰後までの支援が確認されます。

  • プランに基づき、休業中に職務・業務内容に関する情報や資料を提供する
  • 職場復帰前に上司または人事労務担当者が面談し、面談シートへ記録する
  • 原則として、休業前の部署・職務である原職、または原職相当職へ復帰させる
  • 復帰日から6か月以上、支給申請日まで雇用保険被保険者として継続雇用する
  • 一般事業主行動計画が申請日時点で有効である

原職相当職は、職務の関連性、勤務する事業所、職制上の地位などから判断されます。育児との両立を理由に本人が希望して別の事業所や職務へ復帰する場合は、復帰前面談で本人の希望を確認できるようにします。

育児休業を取ったことや育児短時間勤務を利用することを理由に、本人が希望しない雇用形態や給与形態への変更を強いる場合は、職場復帰時の要件を満たさない可能性があります。復帰前後の雇用契約、職務、賃金、所定労働時間を比較できるようにしておきます。

職場復帰時の申請期限は復帰後6か月の翌日から2か月

職場復帰時の申請期間は、育児休業終了日の翌日から数えて6か月を経過する日の翌日から2か月以内です。たとえば7月15日に育児休業を終え、7月16日に復帰した場合、翌年1月16日から3月15日までが申請期間の目安になります。

育児休業中に次の子の産前・産後休業が始まった場合は、次の子の産前・産後休業開始日から6か月を数える扱いがあります。連続して別の産休・育休へ入る場合は、2026年度Q&Aと管轄労働局で起算日を確認してください。

情報公表加算は2万円

「両立支援のひろば」の一般事業主行動計画公表サイトで、男性・女性の育児休業取得割合と男女別の平均取得日数を公表するなどの要件を満たすと、2万円を加算できます。

  • 育休取得時または職場復帰時のいずれかの申請へ加算する
  • 1事業主につき1回限り
  • 加算だけを単独で申請することはできない
  • 自社サイトだけで公表した場合は対象外

他の両立支援等助成金のコースで同名の情報公表加算を受給していても、このコースの加算を別に1回受けられる場合があります。

出生時両立支援コースとの違い

コース中心となる取組対象となる主な育休
育児休業等支援コース対象者ごとの育休復帰支援プラン、3か月以上の育休、休業中の情報提供、職場復帰男女を問わず、要件を満たす育児休業
出生時両立支援コース男性が育休を取りやすい雇用環境・業務体制の整備男性が子の出生後8週間以内に開始する育児休業など
育休中等業務代替支援コース周囲の従業員への代替手当、または代替要員の新規雇用育休中の業務代替が行われる育児休業

同じ労働者の同じ育児休業について、育児休業等支援コースと出生時両立支援コースの「男性労働者の育児休業取得」は併給できません。どのコースで申請するかを、育休開始前に支給額だけでなく必要な取組と日程で比較してください。

従業員本人が受け取る育児休業給付や出生後休業支援給付は、雇用保険から本人へ支給される別制度です。会社向け助成金と本人向け給付を混同しないようにします。

申請に必要な主な書類

  • 育児休業等支援コース支給申請書
  • 支給要件確認申立書
  • 育休復帰支援面談シートと育休復帰支援プラン
  • プランで支援する方針と周知日を確認できる就業規則、社内報、イントラネット画面など
  • 育児休業・育児短時間勤務を確認できる労働協約、就業規則、労使協定
  • 雇用期間の定めを確認できる雇用契約書、労働条件通知書
  • 育児休業申出書、期間変更申出書
  • 休業期間と復帰後の勤務を確認できる出勤簿、タイムカード、賃金台帳
  • 休業中に職務・業務情報を提供した日付と内容を確認できるメール、資料、掲示画面
  • 子の出生を確認できる母子手帳、住民票など
  • 一般事業主行動計画策定届と、公表・周知を確認できる資料

職場復帰後に在宅勤務をする場合は、勤務日と始業・終業時刻を確認できる業務日報なども必要です。申請先は、人事労務管理の機能を持つ本社等の所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。

申請までの流れ

  1. 会社が中小企業事業主の範囲に入るか確認する
  2. 育児休業・育児短時間勤務の規定と一般事業主行動計画を確認する
  3. 育休復帰支援プランで取得・復帰を支える方針を全労働者へ周知する
  4. 対象者と面談し、面談シートへ記録する
  5. 個別の育休復帰支援プランを作り、休業前に業務を整理・引き継ぐ
  6. 3か月以上の育児休業を確認し、育休取得時を申請する
  7. 休業中に職場情報を提供し、復帰前に面談する
  8. 原職等へ復帰させ、6か月以上継続雇用した後に職場復帰時を申請する

対象外につながりやすい確認漏れ

  • 育休復帰支援プランによる支援方針を休業開始前に周知していない
  • 面談やプラン作成より前に、通常の引き継ぎを終えている
  • プランに業務の整理・引き継ぎ、または休業中の情報提供が書かれていない
  • 育児休業が連続3か月に達していない
  • 就業規則に育児休業と育児短時間勤務の具体的な規定がない
  • 休業中に職場情報を提供した日付と内容を確認できない
  • 復帰前面談を行っていない、または本人の希望を記録していない
  • 本人の希望によらず雇用形態・給与形態・職制上の地位を不利に変更した
  • 育休取得時と職場復帰時の申請期限を取り違えた
  • 郵送書類が期限までに労働局へ到着していない

この助成金では、育児休業の取得実績だけでなく、休業前・休業中・復帰前・復帰後の会社の支援が一続きで確認されます。面談シート、プラン、引き継ぎ記録、情報提供メール、出勤簿、賃金台帳の日付を、申請前に同じ時系列で並べてください。

公式情報・申請資料

育休中等業務代替支援コース|業務の代替体制

育児休業や育児短時間勤務を利用する従業員の仕事を周囲が引き受け、会社が代替者へ手当を支給した場合、2026年度(令和8年度)の両立支援等助成金を申請できる可能性があります。育児休業中の業務代替手当は、会社が支給した手当総額の4分の3が基本で、助成上限は月10万円・最長24か月です。

この「育休中等業務代替支援コース」を受け取るのは、休業する従業員本人ではなく、業務を代替する体制を整えた事業主です。育児休業給付や育児時短就業給付とは、対象者も申請先も異なります。

制度名両立支援等助成金・育休中等業務代替支援コース
主な対象育休・育児短時間勤務中の業務代替体制を整えた事業主
育休中の手当支給業務体制整備経費2万~20万円+代替手当の4分の3(上限月10万円、最長24か月)
短時間勤務中の手当支給業務体制整備経費3万~20万円+代替手当の4分の3(上限月3万円)
代替要員の新規雇用業務代替期間に応じ9万~81万円(認定事業主は11万~99万円)
申請先本社等の所在地を管轄する都道府県労働局

育休中等業務代替支援コースは3区分

区分会社の取組対象事業主
手当支給等(育児休業)育休取得者の仕事を周囲の従業員が代替し、会社が代替手当を支給全事業主
手当支給等(短時間勤務)短時間勤務で減った業務を周囲の従業員が代替し、会社が代替手当を支給全事業主
新規雇用(育児休業)育休取得者の代替要員を新たに雇用、または派遣で受け入れ常時雇用する労働者が300人以下の特定事業主

2026年度は、手当支給等の2区分について事業主の労働者数要件が撤廃されました。新規雇用も、業種にかかわらず常時雇用する労働者が300人以下の事業主へ対象が広がっています。

さらに、育児休業中の業務代替手当について、助成の算定対象となる期間が最長12か月から最長24か月へ延長されました。新規雇用には「1年以上」の区分が追加され、通常81万円、プラチナくるみん認定事業主は99万円です。

育休中の代替手当は月10万円・最長24か月

育児休業取得者の業務を既存の従業員が代替し、会社が代替者の賃金を増額した場合は、次の2つを合計して申請します。

  1. 業務体制整備経費:6万円。育児休業が1か月未満なら2万円。労務コンサルティングを外部の専門事業者へ委託した場合は20万円
  2. 業務代替手当:代替者へ支給した手当総額の4分の3。助成上限は月10万円、代替期間24か月分まで

プラチナくるみん認定事業主は、業務代替手当の助成率が5分の4になります。外部専門家への委託による業務体制整備経費20万円と、月10万円を24か月受ける場合の上限を単純合算すると260万円です。ただし、実際の支給額は会社が代替者へ支給した手当総額、代替期間、申請時期などで決まります。

育休7日以上と代替手当の事前規定が必要

手当支給等(育児休業)の主な要件は次のとおりです。育休が始まってから慌てて手当制度を作っても、対象にならない可能性があります。

  • 対象労働者が7日以上の育児休業を取得している
  • 休業者の業務を、会社が雇用する1人以上の従業員が代替している
  • 業務の休止・廃止、手順の見直し、マニュアル作成など、業務効率化に取り組んでいる
  • 代替業務に応じて賃金を増額する制度を、労働協約または就業規則へ定めている
  • 制度に基づき、業務代替期間中の代替者の賃金を実際に増額している
  • 育児休業制度と育児短時間勤務制度を就業規則等へ定めている
  • 一般事業主行動計画を策定・届出・公表・周知している

業務の見直しと賃金制度は、業務代替期間の開始日までに実施します。就業規則に「会社が必要と認めた場合に手当を支給する」とだけ書くのではなく、対象となる代替業務、手当額の計算方法、支給期間などを確認できる形にしておく必要があります。

育児休業が1か月以上の場合は、原則として原職等への復帰と、復帰後3か月以上の継続雇用も必要です。育休開始から復帰後までの出勤簿、賃金台帳、業務分担表をつなげて確認できるようにしておきます。

短時間勤務中の代替手当は月3万円が上限

3歳未満の子を養育する従業員が育児短時間勤務制度を1か月以上利用し、そのために増えた仕事を周囲の従業員が代替した場合も対象になります。

  1. 業務体制整備経費:3万円。外部の専門事業者へ労務コンサルティングを委託した場合は20万円
  2. 業務代替手当:代替者へ支給した手当総額の4分の3。助成上限は月3万円

助成対象となるのは、子が3歳になるまでの期間です。申請は利用開始後の初回だけで終わらず、制度利用が続く場合は1年ごとに行います。

  • 短時間勤務前と比べ、1日の所定労働時間を原則として平均1時間以上短縮している
  • 対象者が制度利用開始日と支給申請日に雇用保険被保険者である
  • 短縮された業務の一部または全部を、会社が雇用する従業員が代替している
  • 業務効率化、代替手当制度の規定、実際の賃金増額を行っている
  • 短時間勤務の利用日、始業・終業時刻、代替者の勤務と手当額を確認できる

所定労働時間を短くした事実だけでは足りません。誰がどの業務を引き受け、どの期間についていくら賃金を増額したかを、業務分担表と賃金台帳で説明できることが重要です。

代替要員の新規雇用は9万~81万円

育休中に代替した期間通常の支給額プラチナくるみん認定事業主
7日以上14日未満9万円11万円
14日以上1か月未満13.5万円16.5万円
1か月以上3か月未満27万円33万円
3か月以上6か月未満45万円55万円
6か月以上1年未満67.5万円82.5万円
1年以上81万円99万円

この区分は、育児休業取得者の仕事を代替する人を新たに雇い入れた場合、または派遣労働者を受け入れた場合に利用できます。2026年度は対象が、業種を問わず常時雇用する労働者300人以下の特定事業主へ広がりました。

  • 代替要員は、育休取得者の業務を実際に代替している
  • 代替要員の所定労働時間が、原則として育休取得者の2分の1以上である
  • 代替要員を育休開始日の前日から6か月前以降に新規雇用・派遣受入している
  • 育児休業が7日以上あり、代替期間も7日以上ある
  • 1か月以上の育児休業では、原職等への復帰と復帰後3か月以上の継続雇用を確認できる

代替要員は正社員である必要はなく、育休取得者の復帰後も雇用を続けることができます。ただし、単に人を採用しただけでは対象にならず、育休取得者の業務を代替した期間と勤務実績を確認できる書類が必要です。

有期雇用労働者は10万円加算

対象となる育休取得者または短時間勤務制度利用者が有期雇用労働者で、所定の要件を満たす場合は、1人当たり10万円が加算されます。業務代替期間が1か月未満の場合は、この加算の対象になりません。

育児休業等に関する情報公表加算は2万円です。「両立支援のひろば」で男性・女性の育児休業取得割合と男女別の平均取得日数を公表するなど、所定の要件を満たした場合に1回限り申請できます。いずれも加算だけを単独で受け取ることはできません。

申請期限は育休期間と区分で変わる

区分申請時期の主な考え方
育休中の手当支給・育休1か月未満育児休業終了日の翌日から2か月以内
育休中の手当支給・育休1か月以上育休開始から1か月経過後に初回申請。1年を超える場合は追加申請があり、復帰後3か月継続雇用した後にも申請
短時間勤務中の手当支給利用開始から1か月経過後に初回申請。利用が続く場合は1年ごとに申請
新規雇用・育休1か月未満育児休業終了日の翌日から2か月以内
新規雇用・育休1か月以上復帰後3か月以上継続雇用した期間の翌日から2か月以内

育児休業を分割取得した場合や、短時間勤務の利用を中断・再開した場合は、申請期間の起算日が複雑になります。特に育休が1か月以上続く手当支給区分は、育休中と復帰後に申請が分かれます。最初の申請時期を逃さないよう、育休開始前に管轄労働局へ確認してください。

郵送申請は消印日ではなく、労働局への到着日で期限を判定します。簡易書留など配達記録が残る方法を使い、期限内必着で提出します。

支給人数は1年度10人、初回から5年間

3区分を合計して、1事業主につき1年度10人まで申請できます。申請できる期間は、初回の対象者が支給要件を満たした時点から5年間です。通常の最大支給可能人数は50人となります。

くるみん認定またはトライくるみん認定を受けた事業主には、年度10人の上限にかかわらず、令和12年度まで延べ50人を限度とする特例があります。特例を使うには、最初の対象者が要件を満たす日までに認定を受けている必要があります。

同じ育休で他の両立支援コースも併用できる

厚生労働省の2026年度Q&Aでは、同じ労働者の同じ育児休業について、育休中等業務代替支援コースと出生時両立支援コース、または育児休業等支援コースを併用できるとしています。

同じ子について、育休中の手当支給または新規雇用の対象となった従業員が、その後に育児短時間勤務を利用した場合は、短時間勤務中の手当支給も対象になり得ます。ただし、各コース・各区分の要件と申請期限をそれぞれ満たす必要があります。

申請に必要な主な書類

  • 育休中等業務代替支援コース支給申請書
  • 支給要件確認申立書
  • 育児休業・育児短時間勤務・原職等復帰の規定を確認できる就業規則、労働協約
  • 育児休業申出書、短時間勤務申出書
  • 対象者と代替者の労働条件通知書、雇用契約書
  • 出勤簿、タイムカード、勤務シフト、賃金台帳
  • 業務の見直し・効率化と代替分担を確認できる資料
  • 代替手当制度と実際の増額支給を確認できる資料
  • 新規雇用日、派遣受入期間、代替業務を確認できる書類
  • 一般事業主行動計画策定届、公表・周知を確認できる資料

申請先は、人事労務管理の機能を持つ本社等の所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。登記上の本店所在地と異なる場合があります。電子申請は雇用関係助成金ポータルから行えます。

申請までの流れ

  1. 育児休業・育児短時間勤務と原職等復帰の規定を確認する
  2. 休業者・制度利用者の業務を棚卸しし、休止・効率化・標準化を検討する
  3. 業務代替者と代替する業務を決める
  4. 代替手当制度を就業規則等へ規定し、対象者へ周知する
  5. 必要に応じて代替要員を新規雇用、または派遣で受け入れる
  6. 育休・短時間勤務期間中の業務代替と賃金増額を記録する
  7. 区分ごとの申請時期に、必要書類を都道府県労働局へ提出する

不支給につながりやすい確認漏れ

  • 業務代替が始まった後に手当制度を規定した
  • 代替者へ手当を支給したが、賃金台帳に項目や金額が明示されていない
  • 業務を引き継いだだけで、業務の休止・効率化・標準化を検討していない
  • 育休期間または短時間勤務の利用期間が最低要件に達していない
  • 新規雇用者が育休取得者の仕事を代替した記録がない
  • 1か月以上の育休後に原職等へ復帰していない、または復帰後3か月の雇用実績を確認できない
  • 初回・年次・復帰後の申請時期を取り違えた
  • 郵送書類が申請期限までに労働局へ到着していない

この助成金は、育休取得者がいることだけで支給される制度ではありません。業務の見直し、代替者の特定、賃金増額、勤務実績を一続きの記録で示せるようにすることが、申請準備の中心です。

公式情報・申請先

柔軟な働き方選択制度等支援コース|3歳〜就学前の子

3歳から小学校入学前の子を育てる従業員が、時差出勤やテレワークなどを選べる会社では、2026年度(令和8年度)の両立支援等助成金を申請できる可能性があります。柔軟な働き方を3制度導入し、従業員が実際に利用すると1人20万円、4制度以上なら1人25万円です。有給の子の看護等休暇を整備した会社には、別枠で30万円の支援があります。

この「柔軟な働き方選択制度等支援コース」を受け取るのは、制度を利用する従業員本人ではなく、仕事と育児を両立できる制度を整えた中小企業事業主です。就業規則へ制度名を書くだけでは足りず、利用前の面談、個別プラン、6か月間の利用実績まで確認されます。

制度名両立支援等助成金・柔軟な働き方選択制度等支援コース
主な対象育児期の柔軟な働き方を支える制度を整備した中小企業事業主
3制度を導入対象労働者1人につき20万円
4制度以上を導入対象労働者1人につき25万円
子の看護等休暇を有給化30万円、1事業主1回限り
申請先本社等の所在地を管轄する都道府県労働局

柔軟な働き方選択制度等支援コースは2本立て

区分会社の取組支給額上限
柔軟な働き方選択制度対象となる制度を3つ以上導入し、面談・個別プランに基づいて従業員が利用3制度は20万円、4制度以上は25万円1事業主5人まで
子の看護等休暇制度有給化支援法を上回る有給の子の看護等休暇を整備し、雇用保険被保険者が10時間以上利用30万円1事業主1回限り

2025年10月から、3歳から小学校就学前までの子を養育する従業員に対し、事業主は法律で定められた5つの措置から2つ以上を選んで講じる必要があります。この助成金の「柔軟な働き方選択制度」は、法定の2つを超えて3つ以上を導入し、そのうち1つを対象労働者が一定基準以上利用した場合に支給されます。

会社が制度を用意しただけでは支給されません。対象労働者ごとの面談と「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」を制度利用前に作り、実際の利用日数・時間・費用を記録する必要があります。

対象となる5つの柔軟な働き方

制度助成金で求められる主な内容
フレックスタイム制度・時差出勤制度フレックスを利用可能にするか、所定労働時間を変えず始業・終業時刻を1時間以上ずらす
育児のためのテレワーク等週または月の勤務日の半数以上利用でき、時間単位の利用にも対応する
柔軟な働き方を実現するための短時間勤務制度1日の所定労働時間を平均1時間以上短縮し、6時間勤務以外の選択肢も用意する
保育サービスの手配・費用補助ベビーシッターや一時預かりなどを手配し、費用の全部または一部を会社が補助する
養育両立支援休暇制度年次有給休暇や子の看護等休暇とは別に、有給で年10労働日以上、時間単位・中抜け可能な休暇を設ける

フレックスタイム制度と時差出勤制度は、両方を導入しても1制度として数えます。3制度と4制度以上では支給額が変わるため、会社がどの制度を組み合わせるかを決める段階で数え方を確認してください。

3制度で20万円、4制度以上で25万円

柔軟な働き方選択制度の支給額は、導入した制度の数で決まります。

  • 対象制度を3つ導入し、労働者が利用:1人20万円
  • 対象制度を4つ以上導入し、労働者が利用:1人25万円
  • 支給人数:1事業主につき延べ5人まで

対象は中小企業事業主です。資本金・出資額または常時雇用する労働者数の基準は業種により異なるため、申請前に厚生労働省の2026年度手引きにある「中小企業事業主の範囲」を確認します。

制度を利用する労働者は、制度利用期間中と支給申請日の両方で雇用保険被保険者として雇用されている必要があります。6か月の間に解雇・退職した場合や、雇用保険被保険者でなくなった場合は対象になりません。

対象となる子の年齢は3歳から小学校入学前

原則として、対象労働者が養育する子は3歳以降、小学校就学前までです。会社が3歳未満の子を養育する労働者も柔軟な働き方選択制度の対象にすると就業規則等へ定めた場合は、3歳未満の子も対象になり得ます。

ただし、3歳未満の子について「柔軟な働き方を実現するための短時間勤務制度」を使った申請は、このコースの対象外です。3歳未満の子を養育する労働者には法律上の短時間勤務制度があるため、助成金で扱う範囲を混同しないようにします。

利用実績は20日・20時間など制度ごとに違う

利用した制度6か月間に必要な主な実績
フレックスタイム制度所定労働日ベースで合計20日以上
時差出勤制度始業・終業を1時間以上ずらした日が、所定労働日ベースで合計20日以上
育児のためのテレワーク等所定労働日ベースで合計20日以上。勤務日・始業終業時刻を業務日報等で確認できること
短時間勤務制度所定労働日ベースで合計20日以上。時間当たりの基本給等の水準を利用前より下げないこと
保育サービスの手配・費用補助労働者負担額の5割程度以上を補助し会社負担3万円以上、または会社負担10万円以上
養育両立支援休暇制度合計20時間以上

複数制度の実績は合算できません。たとえば、テレワーク10日と時差出勤10日を合わせて20日にしても、利用基準を満たしたことにはなりません。助成対象として申請する1制度について、単独で基準を満たす必要があります。

タイムカードや出退勤記録、テレワークの業務日報、休暇簿、保育サービスの領収書など、制度ごとの実績を確認できる記録を残します。出勤簿への押印だけで実際の始業・終業時刻を確認できない場合は、休暇制度を除き対象にならない可能性があります。

面談と個別プランは利用開始前に行う

対象労働者が制度を使い始める前日までに、次の準備を終えておきます。

  1. 3つ以上の柔軟な働き方選択制度を就業規則等へ規定する
  2. 個別プランで制度利用と利用後のキャリア形成を支援する方針を、全労働者へ書面等で周知する
  3. 対象労働者と面談し、希望する制度、業務上の配慮、育児の状況を面談シートへ記録する
  4. 面談結果をもとに、育児に係る柔軟な働き方支援プランを作成する

プランには、利用する制度名だけでなく、制度利用中の業務体制をどう整えるか、利用終了後のキャリア形成をどう支えるかを盛り込みます。夕方以降の担当を見直す、会議を日中に行う、業務マニュアルを作るなど、本人の希望と職場の実情をつないだ内容が必要です。

制度利用が始まってから面談やプランを作成しても、原則として助成対象になりません。従業員から申出があった時点で、就業規則、面談シート、プラン様式をまとめて確認します。

有給の子の看護等休暇は30万円

2026年4月8日以降に、法を上回る形で子の看護等休暇を有給化し、雇用保険被保険者が10時間以上利用した場合は、1事業主1回限り30万円を申請できます。

  • 年次有給休暇を取得した場合と同等の賃金が支払われる有給休暇である
  • 1年度につき10労働日以上を付与する
  • 時間単位または時間未満単位で取得でき、中抜けにも対応する
  • 1日の所定労働時間を変更せずに利用できる
  • 年次有給休暇とは別に取得できる

対象となる子は、小学校3年生修了までです。複数の子について取得した時間を合計して10時間以上とすることもできます。同じ会社で働く配偶者が同じ制度を利用した場合は、夫婦の取得時間を合計できる場合があります。

この30万円の制度と、5つの柔軟な働き方の一つである「養育両立支援休暇制度」は別です。養育両立支援休暇は20時間以上の利用が必要で、子の看護等休暇や年次有給休暇とは別の休暇として整備します。

対象期間を広げると20万円加算

加算主な要件支給額
制度利用期間延長加算導入した柔軟な働き方選択制度のすべて、または有給の子の看護等休暇を、中学校修了前までの子を養育する労働者が利用できるようにする20万円
障害児等要配慮支援加算導入制度のすべて、または有給の子の看護等休暇を、18歳年度末まで等の障害児・医療的ケア児を養育する労働者が利用できるようにする20万円
育児休業等に関する情報公表加算男性・女性の育児休業取得割合や男女別の平均取得日数などを指定サイトで公表する2万円

各加算は1事業主1回限りで、加算だけを単独で申請することはできません。柔軟な働き方選択制度または子の看護等休暇制度有給化支援の申請と同時に、対象範囲を確認できる就業規則等を提出します。

申請期限は6か月経過後の2か月以内

申請区分申請期間
柔軟な働き方選択制度制度利用開始から6か月間が経過した日の翌日から2か月以内
子の看護等休暇制度有給化支援有給休暇の利用時間が10時間に達した日の翌日から2か月以内

フレックスタイム、時差出勤、短時間勤務は、本人が申し出た利用期間の初日が制度利用開始日です。テレワーク、保育サービスの手配・費用補助、養育両立支援休暇は、プラン作成後に最初に利用した日から6か月を数えます。

郵送申請は消印日ではなく、労働局への到着日で期限を判断します。簡易書留など配達記録が残る方法を使い、期限内必着で提出します。電子申請は雇用関係助成金ポータルから行えます。

申請に必要な主な書類

  • 柔軟な働き方選択制度等支援コース支給申請書
  • 支給要件確認申立書
  • 対象制度、育児休業、短時間勤務を確認できる労働協約・就業規則・労使協定
  • 支援方針を全労働者へ周知したことが分かる書類
  • 面談シートと育児に係る柔軟な働き方支援プラン
  • 制度利用申出書、出勤簿、タイムカード、業務日報、休暇簿
  • 賃金台帳、労働条件通知書、雇用契約書
  • 保育サービスの領収書と会社の補助額を確認できる書類
  • 対象となる子の出生・年齢を確認できる母子手帳、医療証、住民票など
  • 一般事業主行動計画策定届と、公表・周知を確認できる資料

申請先は、人事労務管理の機能を持つ本社等の所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。登記上の本店所在地と異なる場合があります。

申請までの流れ

  1. 会社が中小企業事業主の範囲に入るか確認する
  2. 5つの選択肢から3制度以上を選び、対象年齢、利用方法、賃金の扱いを就業規則等へ規定する
  3. 支援プランに基づく支援方針を全労働者へ周知する
  4. 利用予定者と面談し、面談シートへ記録する
  5. 個別の育児に係る柔軟な働き方支援プランを作成する
  6. 制度利用を開始し、6か月間の利用日数・時間・費用を記録する
  7. 申請期間を確認し、都道府県労働局または電子申請で提出する

対象外になりやすいケース

  • 柔軟な働き方を2制度しか導入していない
  • 制度利用が始まった後に面談・個別プランを作成した
  • 複数制度の日数を合算して20日の実績にした
  • テレワークや時差出勤を育児目的で利用したことを確認できない
  • タイムカード等がなく、実際の始業・終業時刻を確認できない
  • 短時間勤務の利用中に時間当たりの基本給等の水準を下げた
  • 有給の子の看護等休暇が年10日未満、時間単位や中抜けに対応していない
  • 一般事業主行動計画が申請日時点で有効でない
  • 申請期限を消印日で判断し、書類の到着が遅れた

この助成金では、制度の数だけでなく、従業員の希望を確認し、実際に使える業務体制を作ったかが確認されます。就業規則、面談、プラン、勤務記録、賃金台帳が同じ制度利用を示すよう、開始前から資料をそろえてください。

公式情報・申請先

介護離職防止支援コース|家族の介護との両立

家族の介護に直面した労働者が、介護休業や短時間勤務などを利用して働き続けられるようにした中小企業は、2026年度(令和8年度)の両立支援等助成金を申請できる可能性があります。介護休業から職場復帰させた場合は1人40万円、休業が連続15日以上なら60万円です。

この助成金を受け取るのは労働者本人ではなく、制度を整備・運用した中小企業事業主です。労働者本人が休業中の収入を補う制度は介護休業給付であり、申請先や要件が異なります。

制度名両立支援等助成金・介護離職防止支援コース
対象仕事と介護の両立支援に取り組む中小企業事業主
主な支給額介護休業40万~60万円、両立支援制度20万~40万円、介護休暇の有給化30万~50万円
主な利用要件介護休業は連続5日以上、両立支援制度は原則合計20日以上
申請先本社等の所在地を管轄する都道府県労働局

2026年度は4つの支援区分

区分主な要件支給額
介護休業連続5日以上の介護休業を取得し、職場復帰後3か月以上継続雇用40万円
連続15日以上は60万円
介護両立支援制度制度を導入し、対象労働者が原則合計20日以上利用1制度導入:20万円(30万円)
2制度以上導入:25万円(40万円)
業務代替支援介護休業・短時間勤務をする労働者の業務を代替する体制を整備新規雇用:20万円(30万円)
休業の代替者へ手当:5万円(10万円)
短時間勤務の代替者へ手当:3万円
介護休暇制度有給化支援時間単位・中抜け可能な有給の介護休暇を導入し、10時間以上利用30万円
年10日以上付与は50万円

介護両立支援制度の括弧内は、対象制度を合計60日以上利用した場合の額です。業務代替支援の括弧内は、介護休業が連続15日以上の場合の額です。介護休業、介護両立支援制度、業務代替支援は、それぞれ1事業主5人まで。介護休暇制度有給化支援は1事業主1回限りです。

さらに、所定の雇用環境整備を4項目すべて行うと10万円の環境整備加算があります。介護休業または介護両立支援制度の対象者が有期雇用労働者である場合は、所定の条件を満たすと10万円の有期雇用労働者加算を申請できます。いずれも1事業主1回限りで、加算だけを単独申請することはできません。

対象になるのは中小企業事業主

介護離職防止支援コースは、中小企業事業主のみが対象です。中小企業の範囲は、業種ごとの資本金または常時雇用する労働者数で判定します。雇用保険の適用事業主であることに加え、雇用関係助成金に共通する要件も満たす必要があります。

  • 介護休業や短時間勤務などを就業規則等に明記している
  • 制度内容、申出手続き、賃金の取り扱いを労働者へ周知している
  • 対象労働者と面談し、仕事と介護の両立支援プランを作成している
  • 対象労働者を支給申請日まで雇用保険被保険者として継続雇用している
  • 出勤簿、賃金台帳、制度利用申出書などで実績を確認できる

常時雇用する労働者が10人未満で、就業規則の作成・届出をしていない事業場でも、制度を明文化して労働者へ周知していれば対象になり得ます。ただし「育児・介護休業法に準拠する」とだけ書くのでは足りず、対象制度の内容や取り扱いを具体的に定めます。

介護休業は連続5日以上、復帰後3か月の雇用が必要

介護休業の支援は、対象労働者が連続5日以上の介護休業を取得し、原則として元の職務または原職相当職へ復帰した場合が対象です。連続15日以上の介護休業なら、支給額は40万円から60万円に上がります。

  • 仕事と介護の両立支援プランによる支援方針を社内へ周知する
  • 対象労働者と面談し、希望や介護の状況をプランへ記録する
  • プランに基づき、業務の整理・引き継ぎを実施する
  • 介護休業と所定労働時間短縮等の措置を休業開始前に規定する
  • 職場復帰後にフォロー面談を実施する
  • 復帰後3か月以上継続雇用し、その期間の5割以上就業する

申請期限は、介護休業終了日の翌日から3か月が経過する日の翌日から2か月以内です。郵送は消印ではなく、労働局への到着日が期限内でなければなりません。

介護両立支援制度は5種類

対象制度主な利用要件
時差出勤制度所定労働時間を変えず、始業・終業時刻を1時間以上変更して合計20日以上利用
介護のための短時間勤務制度1日の所定労働時間を1時間以上短縮し、合計20日以上利用
介護のための在宅勤務制度勤務日・始業終業時刻を業務日報等で確認でき、合計20日以上利用
介護のためのフレックスタイム制度介護目的の利用実績を確認でき、合計20日以上利用
介護サービス費用補助制度利用開始から6か月間に、本人負担額の5割程度以上または10万円以上を会社が補助

時間や勤務場所を調整する4制度は、制度利用開始から1年以内に所定労働日ベースで合計20日以上の利用が必要です。合計60日以上なら支給額が増えます。介護サービス費用補助制度は、利用開始から6か月間の補助実績で判定します。

同じ労働者について、同一の介護両立支援制度で申請できるのは1回です。同一の対象家族について異なる制度を利用した場合は、合計2回まで支給対象になり得ます。ただし、利用した制度ごとに改めて面談し、別の仕事と介護の両立支援プランを作成する必要があります。

介護休暇の有給化は2026年度の新設支援

2026年度は、介護休暇制度有給化支援が新設されました。法律上の介護休暇を無給のまま置くだけでは対象になりません。次の条件を満たす有給休暇として、対象労働者が利用を始める前に就業規則等へ定めます。

  • 年次有給休暇とは別に取得できる
  • 年次有給休暇と同等の賃金を支払う
  • 時間単位または時間未満単位で取得できる
  • 始業・終業時刻と連続しない中抜け利用ができる
  • 1日の所定労働時間を変更せず利用できる

支給申請日までに、雇用保険被保険者が有給の介護休暇を合計10時間以上利用している必要があります。同じ対象家族を介護する配偶者または親族も同じ会社で働いている場合は、両者の利用時間を合算できます。

支給額は、1年度に5日以上10日未満を付与する制度なら30万円、10日以上付与する制度なら50万円です。申請期間は、利用時間が10時間に達した日の翌日から2か月以内です。

業務代替支援は新規雇用と手当支給で分かれる

介護休業取得者の業務を代替する人を新たに雇用・派遣受入した場合は20万円、介護休業が連続15日以上なら30万円です。既存の労働者が業務を代替し、会社が手当を支給した場合は5万円、連続15日以上の休業なら10万円です。

介護短時間勤務を合計15日以上利用した労働者の業務を既存労働者が代替し、手当を支給した場合は3万円です。手当支給等を申請する場合は、手当制度を就業規則等へ規定するだけでなく、業務の見直し・効率化も実施し、誰がどの業務を代替したか確認できる書類を残します。

申請期限は支援区分で異なる

区分申請期間の考え方
介護休業休業終了日の翌日から3か月経過後、その翌日から2か月以内
時差出勤・短時間勤務・在宅勤務・フレックス20日または60日に達した日の翌日を起算日とし、1か月経過後の翌日から2か月以内
介護サービス費用補助利用開始後6か月経過日の翌日を起算日とし、1か月経過後の翌日から2か月以内
介護休暇制度有給化支援利用時間が10時間に達した日の翌日から2か月以内

業務代替支援は、介護休業・短時間勤務の期間、新規雇用か手当支給かによって申請期間が変わります。該当区分の手引きで起算日を確認してください。申請先は、人事労務管理の機能を持つ本社等の所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。

申請に必要な主な書類

  • 両立支援等助成金支給申請書
  • 支給要件確認申立書
  • 介護休業・介護両立支援制度を確認できる就業規則、労使協定
  • 仕事と介護の両立支援プラン(面談シート兼用)
  • 介護休業・制度利用の申出書
  • 出勤簿、タイムカード、勤務シフト、賃金台帳
  • 対象家族が要介護状態であることを確認できる書類
  • 対象労働者の雇用契約書、労働条件通知書
  • 業務代替者、新規雇用、手当支給、業務見直しを確認できる書類

介護保険被保険者証を提出する場合は、保険者番号や被保険者等記号・番号をマスキングします。要介護認定が申請時までに出ていない場合は、自治体へ提出した要介護認定の申請書類などで確認できる場合があります。

申請までの流れ

  1. 介護休業・介護両立支援制度を就業規則等へ明記し、労働者へ周知する
  2. 介護に直面した労働者と面談し、必要な休業・勤務制度を確認する
  3. 仕事と介護の両立支援プランを作成する
  4. 業務の整理、引き継ぎ、代替体制を整える
  5. 対象労働者が介護休業または両立支援制度を利用する
  6. 復帰・継続雇用・利用日数など、申請区分ごとの要件を確認する
  7. 区分ごとの申請期間内に都道府県労働局へ提出する

不支給につながりやすい確認漏れ

  • 対象者が制度を使い始めた後に就業規則を整備した
  • 面談・プラン作成・業務引き継ぎを後からまとめて作成した
  • 介護休業が連続5日に達していない
  • 両立支援制度の利用日数や勤務時間を記録していない
  • 介護休暇を有給化したが、時間単位・中抜け可能などの条件を満たしていない
  • 復帰後3か月の就業実績や原職等への復帰を確認できない
  • 申請書の到着が期限を過ぎた

制度名が同じでも、支給額・必要日数・起算日は申請区分によって違います。「介護だから同じ期限」と扱わず、最初にどの区分を申請するか決めてから記録をそろえてください。

公式情報・申請先

不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース

不妊治療、月経に伴う症状、更年期の不調と仕事を両立できる制度を整えた中小企業は、2026年度(令和8年度)の両立支援等助成金を申請できる可能性があります。対象は事業主で、不妊治療・月経・更年期の3区分について、それぞれ30万円が1回ずつ支給されます。

休暇制度を作っただけでは支給されません。対象者が休暇、時差出勤、短時間勤務、在宅勤務などの制度を利用開始から1年以内に合計5日(回)以上利用し、5回目の利用日の翌日から2か月以内に申請する必要があります。制度の規定と両立支援担当者の選任は、利用開始前に済ませます。

制度名両立支援等助成金・不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース
対象雇用環境を整備し、対象制度を労働者に利用させた中小企業事業主
支給額不妊治療・月経・更年期の各区分30万円
必要な利用対象労働者1人が、制度利用開始から1年以内に合計5日(回)以上
申請期限合計5日(回)を経過した日の翌日から2か月以内
申請先本社等の所在地を管轄する都道府県労働局

3つの区分でそれぞれ30万円

区分対象となる取組支給額
不妊治療不妊治療を受ける労働者が利用できる両立支援制度を導入・運用30万円
女性の健康課題対応(月経)月経やPMSなどに起因する症状へ対応する支援制度を導入・運用30万円
女性の健康課題対応(更年期)更年期の心身の不調へ対応する支援制度を導入・運用30万円

各区分は1事業主につき1回限りです。同じ会社でも、不妊治療、月経、更年期について、それぞれ最初の対象者が要件を満たせば各区分を申請できます。ただし30万円が自動的に支給される制度ではなく、区分ごとに規定整備、担当者選任、利用実績、申請書類が必要です。

対象になるのは中小企業事業主

申請できるのは、雇用保険の適用事業主で、中小企業事業主の範囲に該当する会社や個人事業主です。中小企業の基準は、業種ごとに資本金または常時雇用する労働者数で判断します。

  • 対象となる休暇・勤務制度を労働協約または就業規則に定めている
  • 制度の申請手続きや賃金の取り扱いまで明文化している
  • 制度の内容を労働者へ周知している
  • 労働者の相談に対応する両立支援担当者を選任している
  • 対象者を制度利用開始日から申請日まで雇用保険被保険者として雇用している

対象制度は正社員だけに限定できません。雇用形態を問わず利用できる制度として整備する必要があります。不妊治療の制度は男女を問わず利用できることが要件です。更年期への制度は少なくとも女性が利用できる必要があり、厚生労働省は全労働者が利用できる制度を望ましい例として示しています。

対象になる6種類の制度

制度主な内容
休暇制度不妊治療、月経に伴う症状、更年期の不調に対応する休暇
所定外労働制限制度対象者に残業をさせない制度
時差出勤制度所定労働時間を変えずに始業・終業時刻を繰り上げ・繰り下げ
短時間勤務制度1日の所定労働時間を1時間以上短縮
フレックスタイム制一定期間の総労働時間内で始業・終業時刻を本人が決定
在宅勤務等会社の指示のもと、自宅などで勤務できる制度

6種類すべてを導入する必要はなく、1種類以上で申請できます。通院日の時差出勤と在宅勤務を組み合わせるなど、自社の業務と労働者の必要に合う制度を選びます。

通常の年次有給休暇は、助成金の対象となる休暇制度に含まれません。月経についても、労働基準法上の生理休暇をそのまま設けただけでは対象外ですが、年次有給休暇と同等の給与を支給する有給の生理休暇は対象になり得ます。失効した年次有給休暇を積み立て、不妊治療に利用できる制度も対象例です。

制度は利用開始日の前日までに規定する

対象労働者が制度を使い始めてから就業規則を変更しても、原則として助成対象になりません。各制度の内容、利用手続き、利用中の賃金の取り扱いを、制度利用開始日の前日までに労働協約または就業規則へ定めます。

  • 誰が利用できるか
  • どのような事情で利用できるか
  • 申請方法と申請期限
  • 休暇が有給か無給か
  • 短時間勤務中の賃金計算
  • 利用期間や利用回数

常時雇用する労働者が10人未満で、就業規則を作成・届出していない事業場でも、制度を明文化して全労働者へ周知すれば対象になり得ます。ただし、実際の運用が規定内容と違う場合は支給対象になりません。

両立支援担当者の選任も利用開始前に

会社は、労働者の相談に応じる両立支援担当者を選任します。不妊治療、月経、更年期について、制度の案内や相談対応を行う担当者です。対象者が制度を使い始める日の前日までに選任してください。

担当者は事業主や社内の労働者に限らず、社会保険労務士、産業医、保健師、看護師などの外部専門家も選任できます。制度利用者の健康情報は機微な個人情報です。相談内容を共有する範囲、記録の保管場所、本人への説明をあらかじめ決め、申請に必要な範囲を超えて収集しない運用が必要です。

1人が合計5日(回)利用する

支給要件を満たすには、対象労働者1人が、制度利用開始日から1年以内に合計5日(回)以上利用します。複数の従業員の利用回数を足して5回にすることはできません。

  • 休暇制度を5日利用する
  • 時差出勤を3回、在宅勤務を2回利用する
  • 短時間勤務、残業免除、在宅勤務などを組み合わせて5回利用する

時間単位の利用も可能ですが、5日(回)に分けて利用する必要があります。同じ日に同じ制度を始業時と終業時に使っても1回です。同じ日に別々の制度を使った場合は、それぞれ1回として数えられます。

申請期限は5回目の翌日から2か月以内

申請期間は、対象労働者の制度利用が合計5日(回)に達した日の翌日から2か月以内です。不妊治療、月経、更年期の各区分で同じ考え方です。

郵送の場合は、消印ではなく労働局への到着日が期限内である必要があります。5回目の利用日を確認したら、出勤簿、利用申出書、賃金台帳などをそろえ、余裕を持って申請してください。

申請に必要な主な書類

  • 両立支援等助成金支給申請書
  • 支給要件確認申立書
  • 対象制度を確認できる労働協約・就業規則・労使協定
  • 両立支援担当者の選任日、役職、氏名が分かる書類
  • 制度の利用申出書、休暇簿、出勤簿、タイムカード
  • 対象労働者の雇用保険被保険者番号が分かる書類
  • 制度利用期間の賃金台帳
  • 初めて雇用関係助成金を申請する場合は口座関係書類

審査で疑義が生じた場合は、不妊治療の受診日、治療期間、病院名などを確認する書類を求められることがあります。診断書や領収書が常に一律必須という意味ではありません。申請先の労働局が示す最新の提出書類一覧を確認してください。

申請までの流れ

  1. 導入する休暇・勤務制度を決める
  2. 制度内容と賃金の取り扱いを就業規則等に定める
  3. 労働者へ制度を周知する
  4. 両立支援担当者を選任する
  5. 対象労働者からの申出に基づき制度を利用させる
  6. 利用開始から1年以内に合計5日(回)の実績を確認する
  7. 5回目の翌日から2か月以内に都道府県労働局へ申請する

申請先は、人事労務管理の機能を持つ本社等の所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。登記上の本店所在地と異なる場合があります。

不支給につながりやすい確認漏れ

  • 制度利用後に就業規則を整備した
  • 両立支援担当者の選任日が利用開始後になっている
  • 複数の労働者の利用回数を合算している
  • 通常の年次有給休暇だけを対象実績としている
  • 申請日時点で対象者が雇用保険被保険者ではない
  • 郵送書類の到着が2か月の期限を過ぎた

就業規則の文言だけでなく、実際に利用できる状態になっていたかが確認されます。制度導入時から利用申出、勤務実績、賃金計算まで記録をつなげておくことが大切です。

公式情報・申請先

公式情報

  • 厚生労働省「両立支援等助成金」
  • 厚生労働省「2026年度(令和8年度)両立支援等助成金 支給要領・支給申請の手引き」
  • 各都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)

※本記事は2026年8月25日時点で確認できる厚生労働省の公表資料をもとに整理しています。支給額・要件・申請期限は年度途中で変更されることがあります。申請前に必ず最新の手引きと管轄の都道府県労働局へご確認ください。

次に確認すること

制度は、対象・金額・期限・申請先の4点がそろって初めて動けます。次のページで残りを確認してください。

迷ったときの相談先

最終的な支給の可否・金額は、お住まいの市区町村の窓口、年金事務所、ハローワークなどの公的機関が判断します。当サイトは公式情報をもとに整理していますが、申請前に必ず窓口でご確認ください。制度の内容は変更されることがあります。

この記事の調査・編集について

調査・執筆・編集確認:カネさん(給付金プラス運営者)

2021年3月から、給付金・助成金・公的支援制度の情報発信を行っています。記事は、制度の実施機関が公開する案内・募集要項・申請書、所管省庁の法令・通知・公表資料、実施機関の公式FAQを確認して作成しています。AIは調査と構成の補助に使うことがありますが、公開前に運営者が公式資料と照合しています。

本文中の「確認日」は、その時点で公式資料を確認した日付です。最終更新日は記事冒頭に表示しています。制度改正や受付終了が判明した場合は、公開済みの記事も修正・追記します。

記事の誤り、古くなった情報、リンク切れを見つけた場合は、お問い合わせフォームからご連絡ください。内容を確認のうえ修正します。なお、最終的な支給の可否・金額は、市区町村の窓口、年金事務所、ハローワークなどの公的機関が判断します。

助成金・補助金
カネさんをフォローする
タイトルとURLをコピーしました