高校・大学の学費支援一覧2026|給付・授業料減免・奨学金・入学費用の確認順

子育て・教育

高校や大学の費用は、「授業料」「授業料以外の教育費」「入学金」「生活費」に分けて考えると、申請先を間違えにくくなります。

2026年度は、高校の授業料支援が拡大され、大学では多子世帯の授業料・入学金減免が所得制限なしで一定額まで対象になっています。ただし、制度は自動で始まるわけではありません。学校ごとに締切があり、大学の入学金減免は入学後3か月以内の申請が必要です。

この記事では、高校から大学・専門学校までの主な制度を、対象者、対象外、金額、期限、必要書類、相談先の順に整理します。

先に確認したい5つの結論

  • 高校の授業料は、2026年度から所得要件が撤廃された新制度の対象が広がりました。日本国籍の生徒等では、公立高校・全日制等の上限は年11万8,800円、私立高校・全日制等は年45万7,200円です。支援は授業料に充てられ、制服、教材、通学費、部活動費などは別に確認します。
  • 高校生等奨学給付金は、授業料ではなく教科書、教材、通学用品などを支える返還不要の給付です。高等学校等就学支援金とは別に申請します。
  • 大学・短大・専門学校などは、授業料・入学金の減免と、返還不要の給付型奨学金を組み合わせる「高等教育の修学支援新制度」を確認します。
  • 多子世帯は、扶養する子どもの数などの要件を満たせば、所得制限なく授業料・入学金の減免対象になり得ます。ただし、給付型奨学金まで支給されるとは限りません。
  • 給付型奨学金は、採用候補者になっても入学前の入学金には使えません。入学金の支払い猶予を学校へ相談し、足りない場合は貸付制度も含めて早めに資金計画を立てます。

高校の制度だけを確認したい場合は、2026年度の高校授業料支援の対象・上限額・申請方法と、高校生等奨学給付金の対象・申請先を参照してください。

高校の学費は「授業料」と「授業料以外」を分ける

高等学校等就学支援金:授業料に充てる支援

2026年度の高等学校等就学支援金は、所得要件が撤廃され、日本国籍の生徒等では所得にかかわらず対象になり得ます。対象校は、高等学校の全日制・定時制・通信制、中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部、高等専門学校1~3年、専修学校高等課程などです。

主な支給上限額は次のとおりです。実際の支給額は、学校種、課程、授業料の額によって変わります。

学校・課程の例 年間の支給上限額 支援の使い道
国立高校・全日制等 11万5,200円 授業料
公立高校・全日制等 11万8,800円 授業料
私立高校・全日制等 45万7,200円 授業料
私立高校・通信制 33万7,200円 授業料

私立高校でも、授業料が上限額を超える場合は差額が残ります。また、入学金、施設費、教材費、制服代、通学費、部活動費などは、この授業料支援の対象ではありません。

申請は、学校から案内された方法で行います。日本国籍の生徒等はe-Shienによるオンライン申請を利用できる場合がありますが、学校が書類申請を指定することもあります。締切は全国一律ではないため、学校からの案内に記載された期限を確認してください。

制度の概要や支給限度額は、文部科学省「高校生等への修学支援」で確認できます。

高校生等奨学給付金:授業料以外の教育費を支える給付

高校生等奨学給付金は、教科書費、教材費、学用品費、通学用品費、教科外活動費、修学旅行費など、授業料以外の教育費を支援する返還不要の給付です。高等学校等就学支援金を利用していても、この給付金は別途申請が必要です。

2026年度の国の補助基準による主な給付額は次のとおりです。年収は4人世帯の目安で、実際は保護者全員の住民税所得割額などで判定されます。

世帯の目安 国公立・全日制等 私立・全日制等 主な対象費用
生活保護世帯 年3万2,300円 年5万2,600円 授業料以外の教育費
住民税非課税世帯 年14万3,700円 年15万2,000円 授業料以外の教育費
所得割額100円以上105,500円未満の世帯 年4万7,900円 年5万670円 授業料以外の教育費
所得割額105,500円以上182,500円未満の世帯 年3万5,930円 年3万8,000円 授業料以外の教育費

通信制は別の給付額です。国公立は、住民税非課税世帯で年5万500円、所得割額100円以上105,500円未満で年1万6,830円、所得割額105,500円以上182,500円未満で年1万2,630円です。私立通信制は、それぞれ年5万2,100円、年1万7,370円、年1万3,030円です。

新入生は、4~6月に一部早期支給を申請できる場合があります。通常の申請時期、提出先、家計急変時の扱いは都道府県によって異なります。保護者が住む都道府県または学校へ確認してください。

制度の詳細と都道府県の相談先は、文部科学省「高校生等奨学給付金」から確認できます。

大学・短大・専門学校の支援は2本立て

高等教育の修学支援新制度の対象

高等教育の修学支援新制度は、次の2つを組み合わせた制度です。

  • 大学等が行う授業料・入学金の減額または免除
  • JASSOが学生本人へ支給する返還不要の給付型奨学金

対象となる学校は、国などの確認を受けた大学、短期大学、高等専門学校4・5年、専門学校です。学校が対象校かどうかは、出願前に文部科学省の対象機関一覧で確認します。

低所得世帯などは世帯収入、扶養人数、資産、学修意欲・学業要件などで支援区分が決まります。多子世帯は、申込者本人が生計維持者に扶養され、JASSOの基準で「子ども」の数が3人以上と判定される場合、所得制限なく授業料・入学金の減免対象になり得ます。

ただし、多子世帯でも、収入が第4区分を超える場合や、本人と生計維持者の資産合計が5,000万円以上3億円未満の場合は、授業料・入学金の減免対象になっても給付型奨学金は0円です。「授業料の減免」と「毎月の給付」は別々に確認してください。子どもの数は毎年確認されるため、きょうだいの就職や扶養から外れる時期によって支援区分が変わることもあります。

授業料・入学金の上限額

第1区分の満額支援または多子世帯の上限額は、次のとおりです。学校が国公立か私立か、学校種は何かで上限が変わります。

学校種 国公立:入学金 国公立:授業料(年額) 私立:入学金 私立:授業料(年額)
大学 28万円 54万円 26万円 70万円
短期大学 17万円 39万円 25万円 62万円
高等専門学校4・5年 8万円 23万円 13万円 70万円
専門学校 7万円 17万円 16万円 59万円

世帯収入に応じた第2~第4区分では、上限額の3分の2、3分の1、4分の1など支援額が変わります。授業料が上限を超える場合、施設整備費、実習費、教材費、通学費、生活費などは別に用意する必要があります。

詳細は、文部科学省「高等教育の修学支援新制度・制度の概要」と、JASSO「多子世帯支援について」で確認できます。

給付型奨学金の金額例

大学・短大・専門学校の通常課程で、第1区分の給付額は次のとおりです。第2区分以降は支援区分に応じて減額されます。

学校の設置者 自宅通学(月額) 自宅外通学(月額)
国公立の大学・短大・専門学校 2万9,200円 6万6,700円
私立の大学・短大・専門学校 3万8,300円 7万5,800円

生活保護世帯や社会的養護を必要とする人は別の金額が適用される場合があります。自宅外通学として認められるには、家賃を支払っていることなどの要件があるため、実家から遠いだけで自動的に自宅外になるわけではありません。

給付額の全区分は、JASSO「給付奨学金の支給額」で確認できます。

入学金は「進学前」と「入学後」の手続きを分ける

大学進学の資金計画で、最も誤解が起きやすいのが入学金です。採用候補者になっただけでは、入学前の支払いに使える現金が振り込まれるわけではありません。

高校3年生の春から:予約採用

大学等へ進学する予定の高校生は、高校在学中にJASSOの予約採用へ申し込めます。申込書類は在籍する高校から受け取り、スカラネットで申込情報を入力し、本人と生計維持者のマイナンバーを提出します。採用候補者決定通知は、進学先で手続きするまで保管します。

予約採用の申込時期と校内締切は高校によって異なります。2027年3月卒業予定者の申込資格はJASSOの案内で確認できますが、実際の提出期限は高校の奨学金担当へ確認してください。

入学金を先に求められたら:まず大学へ相談

入学前に入学金や授業料を納めた場合、入学後に減免が確定すれば、大学等から減免相当額が還付されます。納付が難しい場合は、入学金・授業料の納付期限を猶予できるか、合格後すぐに進学先の学生課へ相談します。

入学金の減免は、入学後3か月以内に学校へ申請した場合が対象です。秋の在学採用で採用された場合、入学金や前期授業料が支援対象にならないことがあります。複数の大学へ入学金を支払った場合も、減免対象は実際に進学した1校の入学金だけです。

この部分は、文部科学省「高等教育の修学支援新制度・申請手続きガイド」同制度のQ&Aで確認できます。

進学後:進学届と授業料等減免の申請

予約採用候補者は、進学先へ採用候補者決定通知などを提出し、JASSOへ進学届を提出します。授業料・入学金の減免は、進学先の学校へ別に申請します。

既に大学等へ在学している人は、原則として春と秋に在学採用へ申し込めます。学校ごとに募集期間が異なるため、春の案内を逃しても秋の申込時期を確認します。ただし、秋採用では入学金や前期授業料が支援対象にならない点に注意が必要です。

制度別に準備する書類

書類は学校、都道府県、申請者の国籍・在留資格、家計急変の有無によって変わります。次は準備を始めるための確認表です。

制度 まず準備するもの 提出先・確認先
高等学校等就学支援金 学校の申請案内、e-ShienのログインID通知書、申請書類。書類申請や外国籍の場合は住民票・在留カード等が必要になることがあります 在籍校、学校所在地の都道府県
高校生等奨学給付金 都道府県の申請書、保護者全員の課税・非課税証明書等、生活保護世帯は生業扶助の受給証明等。家計急変なら収入減少を示す書類 保護者が住む都道府県、学校
JASSO予約採用 スカラネット入力下書き用紙、本人・生計維持者のマイナンバー、奨学金確認書兼地方税同意書、本人確認書類。該当者は在留資格・施設在籍・海外居住などの追加書類 申込情報は高校を通じて入力。確認書等はJASSOへ簡易書留で郵送する案内に従う
大学等の在学採用 学校から受け取る申込書類、スカラネット入力下書き用紙、本人・生計維持者のマイナンバー、奨学金確認書兼地方税同意書、本人確認書類 在学校、JASSO
授業料・入学金減免 採用候補者決定通知、進学届に関する書類、学校指定の授業料等減免申請書、入学金・授業料の納付書や領収書 進学先・在学校
貸付制度 合格通知、在学証明、学費の請求書、収入・借入状況を確認できる書類など。制度ごとに異なる 日本政策金融公庫、市区町村社会福祉協議会、学校

高校の授業料支援では、2026年度の日本国籍の生徒等について、個人番号カードの写しや住民票が原則提出不要とされる場合があります。一方、外国籍の生徒や制度対象外の可能性がある場合は、在留資格・在留期間を確認できる書類などが必要です。都道府県・学校の案内を優先してください。

JASSOの在学採用では、「奨学金確認書兼地方税同意書」の原本と本人確認書類を、専用封筒でJASSOへ簡易書留で郵送する手続きがあります。学校に提出する書類とJASSOへ直接送る書類を分けて確認します。

返済不要の制度だけで足りないとき

入学金や生活費が不足する場合、貸与型奨学金や教育ローンを検討することがあります。ただし、これは給付金ではなく返済が必要な借入です。

JASSOの貸与奨学金

第一種奨学金は無利子、第二種奨学金は有利子で、学生本人が借りて卒業後に返還します。入学時特別増額貸与奨学金も貸与型で、返還が必要です。必要額を月額と総返還額に置き換えてから申し込みます。

国の教育ローン

日本政策金融公庫の教育一般貸付は、主に保護者が借りる制度です。2026年7月時点では子ども1人につき上限350万円、一定の要件では450万円で、固定金利は年4.05%です。受験前でも申し込めますが、必要時期の2~3か月前が申込目安です。これは給付金ではなく、保護者が返済する融資です。

高等教育の修学支援新制度で減免される入学金・授業料は、国の教育ローンの融資対象にならない場合があります。借りる前に、減免後に残る費用だけを計算してください。

教育支援資金

低所得世帯で、他の制度を利用しても学費の準備が難しい場合は、社会福祉協議会へ教育支援資金を相談できることがあります。無利子でも貸付であるため、申請前に返済額、据置期間、連帯借受人などを確認します。

厚生労働省の貸付条件表では、教育支援費の上限は高校が月3万5,000円以内、高等専門学校・短大が月6万円以内、大学が月6万5,000円以内です。入学時の就学支度費は50万円以内で、教育支援費の据置期間は卒業後6か月以内、償還期限は据置期間後20年以内とされています。申請の受付時期、世帯要件、他制度との調整は地域で異なるため、市区町村社会福祉協議会へ確認します。

対象外になりやすい費用・手続きの注意点

  • 高校の就学支援金は授業料の支援であり、入学金、教材費、制服代、通学費、部活動費まで自動で支援する制度ではありません。
  • 高校生等奨学給付金は、就学支援金とは別制度です。授業料支援を申請しただけでは、授業料以外の教育費の給付は始まりません。
  • 大学の授業料等減免は、施設整備費、実習費、教材費、生活費を含みません。
  • 多子世帯の「3人以上」は、子どもの人数を自己申告するだけで確定するものではありません。生計維持者の扶養親族や住民税情報など、JASSOの判定を受けます。
  • 大学の入学金減免は、実際に進学した1校が対象です。併願校へ支払った入学金がすべて減免されるわけではありません。
  • 申請期限は、学校、都道府県、入学時期によって異なります。「制度の締切」ではなく、自分が提出する学校の締切を確認します。
  • 給付型奨学金、JASSO貸与奨学金、国の教育ローン、教育支援資金は役割と返済義務が違います。借入を「給付金」として家計計画に入れないでください。

迷ったときの相談先

困っていること 最初の相談先 相談内容
高校の授業料支援の申請期限・e-Shien 在籍高校の事務室 締切、ログインID、徴収・還付、支払猶予
高校生等奨学給付金 保護者が住む都道府県、学校 所得判定、給付額、早期支給、家計急変
大学の給付型奨学金・授業料減免 進学先・在学校の学生課、奨学金窓口 対象校、校内締切、必要書類、入学金の支払猶予
JASSOの制度全般 JASSO奨学金相談センター 0570-666-301(平日9時~20時。最新の受付時間は公式サイトで確認)
入学前にまとまった費用が必要 日本政策金融公庫 国の教育ローンの対象、必要書類、審査、入金時期
低所得世帯で他の制度でも不足 市区町村社会福祉協議会 教育支援資金の対象、貸付額、返済、必要書類

相談するときは、学校名・課程、入学日または在学年、世帯の人数、扶養している子どもの人数、授業料・入学金の請求額、支払期限を手元に置いてください。制度名だけでなく、「いつまでに、いくら必要か」を伝えると確認が進みます。

2026年度の公式情報

この記事は、2026年8月3日に確認できた公的資料をもとに作成しています。支援額、必要書類、申請期限は改定や学校・都道府県の運用で変わることがあるため、申請時は最新の案内を確認してください。

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