情報確認日:2026年10月15日
特別支給の老齢厚生年金を受ける権利があり、厚生年金に加入しておらず、年金制度上の3級以上の障害状態にある人は、「障害者特例」を請求できます。原則は請求翌月から、報酬比例部分に定額部分が加わります。障害年金を受ける権利がある人には、一定の遡及の扱いもあります。
退職した人すべてに加算される制度ではない
対象は、65歳前の「特別支給の老齢厚生年金」に設けられた特例です。65歳からの老齢年金を早める繰上げ受給とは違います。
まず、自分に特別支給の老齢厚生年金の受給権があるかを確認してください。原則として男性は1961年4月1日以前、女性は1966年4月1日以前生まれで、老齢基礎年金の受給資格期間10年、厚生年金保険等の加入1年以上、生年月日ごとの開始年齢などを満たす必要があります。共済組合等から支給される老齢厚生年金の開始年齢は、女性も男性と同じ扱いです。特別支給の制度案内
障害者特例には、さらに次の3条件が必要です。
- 特別支給の老齢厚生年金の受給権があること。
- 厚生年金保険法の1〜3級に該当する障害状態にあること。
- 厚生年金保険の被保険者資格を喪失していること。
障害者手帳の3級を持つことと、年金制度の3級に該当することは同じではありません。障害年金を受給していない人も、所定の診断書による状態確認などを経て請求できる場合があります。
定額部分が加わる。金額は本人の記録で計算する
特例が認められると、報酬比例部分に加えて定額部分を受け取れます。定額部分は、すべての人に同じ月額を上乗せする手当ではありません。加入記録などで計算されるため、年金事務所で本人の見込額を出してもらってください。
厚生年金の加入が240月以上あり、生計維持などの条件を満たす配偶者・子がいる場合は、加給年金額も確認します。配偶者がいるだけで一律に加算されるわけではありません。
例えば、10月に初めて通常の請求をして認められた場合、原則として11月分から定額部分の対象になります。実際の振込時期とは区別してください。障害者特例の請求案内
障害年金の受給権がある人は、遡及の日付を確認する
障害年金を受ける権利がある人には、条件がそろった日に請求があったとみなす扱いがあります。主な確認日は次のとおりです。
| 先にそろっていた条件 | あとからそろう日 |
|---|---|
| 障害年金の受給権があり、厚生年金に加入していない | 特別支給の老齢厚生年金の受給権を得た日 |
| 特別支給の受給権があり、厚生年金に加入していない | 障害年金の受給権を得た日 |
| 特別支給と障害年金の両方の受給権がある | 厚生年金の被保険者資格を失った日 |
この扱いは2014年4月1日より前には遡りません。「昔から病気だった」「手帳があった」という事情だけで、すべての過去分が対象になるわけでもありません。年金証書・決定通知、退職後の資格喪失日をそろえ、どの日に3条件がそろったかを確認します。
診断書を依頼する前に請求書と必要資料を確認する
提出するのは「障害者特例・繰上げ調整額請求書」です。お近くの年金事務所や街角の年金相談センターへ相談できます。電子申請は、e-Govの所定の送付書を使い、請求書をPDFまたはJPEGで添付する方法が案内されています。
障害年金を現在受給している人は、原則として診断書の添付は不要です。一方、受給権はあっても障害年金が支給停止中の人には、障害状態を記載した診断書が必要です。受給していない人も診断書を用意します。医療機関へ依頼する前に、障害に合った様式や記載する状態の時点を窓口で確かめてください。
加給年金額も請求する場合は、戸籍、世帯全員の住民票、配偶者・子の収入資料などを確認します。戸籍・住民票は受給権発生日以後で請求日前6か月以内のもの、収入資料は加給開始時の前年分が原則です。個人番号の記載で省略できる資料もありますが、追加提出を求められることがあります。
再就職と、障害年金との選択に注意する
特例の開始後、再び厚生年金に加入すると、定額部分と加給年金額の支払いは停止します。厚生年金に加入する働き方かどうかが関係するため、再就職先に加入の有無と資格取得日を確認してください。
障害状態に該当しなくなった場合も、「障害者特例不該当届」などの提出が必要です。
また、65歳前の特別支給の老齢厚生年金と障害年金は、両方をそのまま合計して受け取る扱いではありません。年金の併給・選択の原則に沿って受給する年金を選びます。特例による見込額だけでなく、現在の障害年金や加算、65歳以後の組合せも含め、年金事務所で比較してから選択の手続きをしてください。
参照資料
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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

