生活困窮者自立支援制度とは|家賃・仕事・家計の相談窓口

住まい・生活

家賃を払えない、仕事が見つからない、税金や公共料金を滞納している。いくつもの問題が重なると、どの窓口へ相談すればよいのか分からなくなります。

生活困窮者自立支援制度は、こうした生活上の困りごとを一か所で聞き取り、住まい、家計、仕事、子どもの支援などを組み合わせて生活の立て直しを支える制度です。

ただし、相談すれば一律に現金を受け取れる制度ではありません。支援員と状況を整理し、要件を満たす給付や貸付、就労支援、福祉制度などへつないでもらう仕組みです。

この制度は「無料で使える支援」が入口

生活困窮者自立支援制度の中心は、現金を受け取ることではなく、相談員と一緒に問題を整理することです。自立相談支援機関への相談は無料で、相談内容の秘密は守られます。

家計への効果 支援の例 注意点
無料で使える支援 自立相談、家計改善、就労準備、子どもの学習・生活支援 現金が振り込まれる制度ではない
もらえる支援 住居確保給付金など 収入・資産など個別の要件と申請がある
借りる支援 生活福祉資金などへの接続 原則として返済が必要
払わなくてよくなる支援 税・保険料の減免や納付猶予などへの接続 別制度の審査・申請が必要

相談窓口が、すべての支援を直接支給・実施するわけではありません。相談者の状況を整理し、利用できる給付、貸付、減免、就労・住まいの支援へつなぐ役割を担います。

また、相談が無料でも、紹介先のサービスや貸付がすべて無料になるわけではありません。費用、返済義務、利用条件を個別に確認してください。自治体によって実施している事業も異なります。

ほかの制度も家計への効果から探したい方は、給付金プラスの使い方|5つの支援分類から探すをご覧ください。相談の無料・秘密厳守については、政府広報オンライン「様々な事情で暮らしにお困りのかたのための相談窓口があります!」でも案内されています。

生活困窮者自立支援制度は「一つの給付金」ではない

厚生労働省は、生活に困っている人に対し、仕事の支援、家賃相当額の支給、家計の立て直しなど、状況に応じた支援を提供すると説明しています。

相談内容と主な支援の関係は次のとおりです。

困っていること 主に確認する支援
何から手を付ければよいか分からない 自立相談支援事業
家賃を払えない、住まいを失いそう 住居確保給付金、居住支援事業
すぐ一般就労することが難しい 就労準備支援事業、就労訓練事業
家賃、税金、公共料金、借金を整理したい 家計改善支援事業
子どもの勉強や生活、進学が心配 子どもの学習・生活支援事業
今夜泊まる場所がない 居住支援事業など地域の緊急支援

利用できる事業や支援内容、窓口の名称は自治体によって異なります。制度名だけで自分は対象外だと決めず、まず地域の自立相談支援機関へ状況を伝えてください。

失業した人だけが相談する制度ではない

対象は、仕事や生活に関するさまざまな事情で生活に困っている人です。

厚生労働省は、仕事が見つからない、働きたくても働けない、家賃を払えない、住む場所がない、社会に出ることへ不安がある人などを例に挙げています。

働いていても、収入の減少や物価高、病気、家族の介護などが重なり、生活を維持することが難しい場合は相談できます。相談の段階で、すべての給付制度の収入要件を満たしている必要はありません。個別の給付や貸付を利用できるかどうかは、それぞれの要件に基づいて判断されます。

最初の窓口は「自立相談支援機関」

自立相談支援事業では、支援員が困りごとを聞き取り、必要な支援を相談者と一緒に整理します。

たとえば、「家賃を2か月滞納している」「国民年金保険料も払えていない」「病気があり、すぐには働けない」という場合、問題を別々の窓口へ丸投げするのではなく、優先順位を付けた支援計画を考えます。

最寄りの窓口が分からない場合は、市区町村へ「生活困窮者の自立相談支援機関を教えてください」と確認します。住まいを失っている、または失うおそれがある場合は、厚生労働省の住まい・生活の相談窓口「すまこま。」でも地域の窓口案内を受けられます。

家賃が払えないときは住居確保給付金を確認

離職や廃業、本人の責任によらない収入減少などで家賃を払えない場合は、住居確保給付金を利用できる可能性があります。

家計全体を見直すため、より家賃の低い住宅へ移る必要がある人には、一定の要件を満たすと住居確保給付金の転居費用補助が対象になる場合もあります。

住居確保給付金には収入・資産などの要件があります。家賃なら無条件で支給されるわけではなく、申請・相談先は自立相談支援機関です。

すぐ働くことが難しい人には就労準備支援がある

生活リズムが崩れている、人とのコミュニケーションに不安がある、長く仕事から離れているなど、すぐに一般就労することが難しい人には就労準備支援事業があります。

厚生労働省は、原則1年間、プログラムに沿って一般就労に必要な基礎能力を養う支援と説明しています。一般の求人へ直ちに応募させるだけではなく、生活習慣の改善、社会参加、就労体験などから始める支援です。

すでに求職活動ができる状態で、職業訓練を受けたい場合は、職業訓練受講給付金など別制度の対象になる可能性があります。

家計改善支援は、家計簿の指導だけではない

家計改善支援事業では、収入と支出を見えるようにし、家賃、税金、公共料金などの滞納解消や、利用できる給付制度への接続を支援します。多重債務がある場合は、法律相談などの専門窓口と連携することもあります。

必要に応じて貸付制度を紹介・あっせんする場合がありますが、家計改善支援自体が現金給付や債務の免除を行う制度ではありません。

緊急小口資金・総合支援資金などは原則として返済が必要な貸付です。給付金と混同せず、返済条件まで確認してください。社会福祉協議会が貸付の相談先になる制度もあります。

住む場所がない人への居住支援

住居がない人や、ネットカフェなど不安定な場所で暮らしている人に対し、一定期間の宿泊場所や衣食を提供する居住支援事業があります。退所後の住まい、仕事、生活を整える支援も組み合わせます。

今夜泊まる場所がない場合は、通常の相談予約を待つのではなく、そのことを最初に伝えてください。地域によって利用できる施設や支援方法が異なります。

子どもの学習と生活も支援対象になる

子どもの学習・生活支援事業では、勉強を教えるだけでなく、生活習慣、居場所づくり、進学相談、高校中退の防止など、子どもと保護者の双方を支援します。

学用品費、給食費、修学旅行費などの負担については、就学援助も確認してください。学習・生活支援事業と就学援助は別の制度です。

相談前に手元にあると話が早いもの

最初の相談に必要な書類は、窓口や相談内容によって異なります。次の資料が手元にあれば持参します。

  • 給与明細、年金額、失業給付など収入が分かるもの
  • 通帳や家計の支出が分かるもの
  • 賃貸借契約書、家賃の督促状、退去期限が書かれた通知
  • 税金、国民健康保険料、年金保険料、公共料金の納付書や督促状
  • 借入先、残高、毎月の返済額が分かる書類
  • 病気や障害、介護など、働き方や生活へ影響する事情が分かるもの

書類が全部そろうまで相談を先延ばしにする必要はありません。食費がない、住まいがない、退去や電気・ガスの停止日が迫っている場合は、期限を最初に伝えることが大切です。

相談に全国共通の締切はないが、個別制度には期限がある

自立相談支援機関への生活相談には、給付金のような全国共通の一律申請期限は示されていません。

ただし、住居確保給付金、失業給付、就学援助、貸付制度などには、それぞれ要件や申請時期があります。家賃や公共料金を滞納してから時間がたつほど選択肢が狭くなることもあるため、支払いが難しいと分かった段階で相談してください。

国民年金保険料を払えない場合は、免除・納付猶予制度も確認できます。会社都合の離職や雇い止めで国民健康保険へ加入した人は、国民健康保険料の軽減制度が対象になる可能性があります。

生活保護の相談は福祉事務所へ

収入や資産を活用しても最低限度の生活を維持できない場合は、生活保護の対象になる可能性があります。生活保護の相談・申請窓口は、現在住んでいる地域を所管する福祉事務所です。

自立相談支援機関へ相談したから生活保護を申請できなくなるわけではありません。食費や住まいがなく、生活を維持できない状況では、自立相談支援機関とあわせて福祉事務所にも相談してください。

まず「一番迫っている期限」を伝える

生活困窮者自立支援制度は、給付金を一つ受け取って終わる制度ではありません。住まい、収入、家計、病気、子どものことが重なっているときに、問題を整理し、必要な窓口へつなぐ制度です。

相談するときは、すべてをうまく説明しようとせず、次のように一番困っていることと期限を伝えます。

「3日後に電気が止まる」 「今月末までに家賃を払えない」 「今夜泊まる場所がない」 「病気で働けず、食費が残っていない」

そこから、利用できる給付、貸付、住まい、就労、福祉制度を一緒に確認します。

公式情報

※制度の実施内容、名称、対象要件、必要書類は自治体や利用する支援によって異なります。最新情報は、お住まいの地域の自立相談支援機関、市区町村、各制度の実施機関へ確認してください。

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