自然災害で家族を亡くした人、重い障害が残った人、住居や家財に大きな被害を受けた人は、市区町村の被災者支援・福祉窓口へ相談してください。災害弔慰金・災害障害見舞金は返済不要、災害援護資金は返済が必要な貸付です。
住宅の再建には別の支援があります。家族・生活費・既存の借入れはこの記事で、住宅の支援金・応急修理・仮設住宅は被災者生活再建支援金と住まいの記事で確認できます。
制度確認日:2026年10月8日。全国制度の原則を説明しています。対象災害、受付期限、利率等は被災した自治体の案内で確認してください。
受け取る支援と借りる支援の入口
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| 制度 | 主な対象・用途 | 金額等の目安 | 返済 |
|---|---|---|---|
| 災害弔慰金 | 災害で亡くなった人の遺族 | 500万円または250万円 | 不要 |
| 災害障害見舞金 | 法律が定める重度障害を受けた人 | 250万円または125万円 | 不要 |
| 災害援護資金 | 負傷、住居・家財に一定の被害がある世帯 | 被害等に応じて最大350万円 | 必要 |
| 生活福祉資金の福祉費 | 災害等で臨時に必要となる費用 | 資金・審査で決まる | 必要 |
| 災害復興住宅融資 | 住宅の建設・購入・補修 | 工事・融資条件で決まる | 必要 |
利用したい支援金・貸付ごとに申請してください。罹災証明書を1枚取得した後も、それぞれの制度の申請が必要です。
食費や今夜の住まいが不足する場合は、その事情を先に窓口へ伝えてください。
出典:内閣府「災害弔慰金・災害障害見舞金の概要」、被災者に対する支援制度。
災害弔慰金は、家計を支えていた人の死亡で500万円
災害弔慰金の国の制度上の金額は、生計維持者が亡くなった場合500万円、それ以外の人が亡くなった場合250万円です。
市町村は条例に基づき、災害と死亡との関係や遺族関係などを確認して支給します。
対象となる遺族は、死亡当時の配偶者、子、父母、孫、祖父母が基本です。これらの遺族がいない場合は、死亡当時に同居または生計を同じくしていた兄弟姉妹が対象になります。
実際の受給者・順位は、条例と遺族の事情によって決まります。
対象は、住居の滅失数や災害救助法の適用等に関する基準を満たす自然災害です。小規模な被害や個別事故に遭った人は、自治体独自の見舞金等の対象になるかを別に確認してください。
避難後の死亡も、災害関連死として相談できる
災害による直接の死亡のほか、避難生活の負担等による災害関連死も、災害との因果関係が認められれば弔慰金の対象になる場合があります。
遺族は死亡診断書の病名だけで判断せず、市区町村へ相談してください。
審査には、被災前後の病状、避難先・移動、医療の中断、亡くなるまでの経過が分かる資料などが関係します。担当窓口が、必要な資料と申出方法を案内します。
内閣府は、認定された事例と認定されなかった事例の両方を公開しています。認定は、申請後に個別の経過を審査して決まります。
出典:内閣府「災害関連死事例集」。
災害障害見舞金は、法律が定める重度障害が対象
災害による負傷・病気で、両眼の失明、常時介護が必要な状態、両上肢のひじ関節以上の切断等、法律が定める重度の障害を受けた本人が対象です。けがをした人全員に支払う見舞金とは異なります。
支給額は、生計維持者なら250万円、それ以外なら125万円です。申請する人は、障害の状態と災害との関係を示す診断書などを用意します。
診断書を取得する前に、自治体所定の様式と必要な記載内容を窓口へ確認してください。
弔慰金・障害見舞金の窓口は、原則として被災時の市区町村です。資料の例は、申出書、死亡診断書・死体検案書、戸籍、障害の診断書、口座・本人確認等です。
自治体が調査を進める場合もあります。申出をする人は、まず受付方法と期限を確認してください。
災害援護資金は、世帯主の負傷や住居・家財の被害を支える貸付
対象となるのは、都道府県内で災害救助法が適用された市町村がある自然災害などです。申込先の自治体は、世帯主の1か月以上の負傷、家財の3分の1以上の損害、住宅の半壊等と、所得の条件を確認します。
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| 主な被害の例 | 貸付限度額の基本 | 追加確認 |
|---|---|---|
| 世帯主の1か月以上の負傷のみ | 150万円 | 診断・療養期間 |
| 家財の3分の1以上の損害 | 150万円 | 世帯主の負傷との組合せ |
| 住居の半壊 | 170万円 | 負傷・解体等による限度の違い |
| 住居の全壊 | 250万円 | 負傷・解体等による限度の違い |
| 住居全体の滅失・流失 | 350万円 | 自治体が確認する被害区分 |
世帯主の負傷と住居・家財の損害が重なる場合や、住宅の残存部分を取り壊す必要がある等の事情では、限度額が変わります。
国の一覧には、東日本大震災の特例も併記されています。申込む人は、今回の災害に使える条件を確認してください。
所得は、世帯全員の市町村民税の総所得金額で確認します。給与の額面年収とは異なります。
基本の限度額は1人220万円、2人430万円、3人620万円、4人730万円です。5人以上は、4人の額に1人当たり30万円を加えます。住居滅失の場合は1,270万円の扱いがあります。
申込む人は、対象年と基準の境界を申込先の案内で確認してください。
出典:内閣府「災害援護資金の概要」、港区「災害援護資金貸付」。港区の案内は自治体の条件例です。
利率・保証人・返済額を自治体へ確認する
国の基本は、年3%以内で条例に定める利率です。据置期間中は無利子です。
償還期間は原則10年で、その中に3年の据置期間を含みます。特別な事情では、据置5年の扱いがあります。10年に据置期間をさらに足す計算ではありません。
2019年の見直しで、国の保証人の必置義務はなくなりました。申込む人は、保証人の要否と条件を自治体へ確認してください。
保証人ありで無利子、なしで年1.0%などの自治体例があります。自治体ごとの利率と保証人の条件を確認してから、借入計画を作ってください。
申込む人は、所得・世帯・被害の資料と、必要に応じて診断書等を提出し、自治体の審査を受けます。必要額、生活の収支、返済計画を窓口へ相談してください。
受付期限は、災害・自治体によって異なります。
信用情報機関への照会等を申込先がどう扱うかは、国の制度概要だけでは分かりません。気になる場合は、自治体へ確認してください。
借りた後に返済が難しくなった人も、督促を待たず、償還担当へ猶予等を相談してください。
ローンの返済が難しい人は、金融機関へ債務整理の相談をする
自然災害による被災者の債務整理ガイドラインは、一定の対象災害の影響で、住宅・事業ローン等の返済が困難になった個人が利用する仕組みです。
金融機関等の同意と簡易裁判所の特定調停を使い、返済の免除・減額等を進めます。
全銀協の現行案内では、東日本大震災と、2015年9月2日以降に災害救助法が適用された自然災害が対象です。収入・資産・災害との関係等の要件があります。家が壊れたことだけでローンが自動的に免除されるわけではありません。
利用する人は、最も多額の借入先へ手続着手を申し出てください。同意を得た後、登録支援専門家による手続支援を依頼します。
専門家の手続支援は無料ですが、特定調停の申立費用は本人負担です。
債務整理を行った事実等を信用情報として登録しない取扱いがあります。手続き前の延滞等まで自動的に消えるという意味ではありません。
出典:全国銀行協会「大規模な自然災害でローンの返済が困難になったら」。返済が難しい人は、借入先へガイドラインの利用を相談し、当面の返済変更も確認してください。
税・保険料、住宅、生活福祉資金の相談も進める
所得税の雑損控除・災害減免・納税猶予、国民年金保険料、医療費の窓口負担、雇用保険の特例等も、災害と制度の条件に応じて利用できます。
利用を考えている人は、給付とは別に、税務署、自治体、保険者等へ手続きを確認してください。
自治体で災害援護資金の対象にならない場合は、社会福祉協議会へ生活福祉資金の福祉費を相談できます。
住宅の借入れは災害復興住宅融資、税の支援は雑損控除・減免・猶予の記事も確認してください。
被災した人は、安全が確保できる範囲で被害写真、契約・領収書等を残し、住居被害は罹災証明を申請してください。
弔慰金の申出やローン相談まで罹災証明の完成を待つ必要があるかは、各窓口へ確認してください。被災後72時間〜1週間に確認する支援も、相談の準備に使えます。


