キャリアアップ助成金2026|正社員化コースの対象・助成額・申請方法

助成金・補助金

更新日:2026年8月2日

キャリアアップ助成金は、パート・契約社員・派遣社員などの非正規雇用労働者を、正社員に転換したり、賃金や待遇を改善したりする事業主を支援する制度です。労働者本人に直接振り込まれる給付金ではありません。

この記事では、2026年度版で利用を検討する人が多い正社員化コースを中心に、対象者、助成額、正社員転換前に必要な準備、申請期限、対象外になりやすいケースを整理します。

状態:正社員化・助成金の申請前

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非正規雇用の正社員化を考える事業主・労働者で、転換前の準備と申請時期を確認したい人

次に取る行動:正社員転換日の前日までにキャリアアップ計画の提出状況を確認し、転換前の雇用区分、就業規則、賃金台帳をそろえます。転換後6か月分の賃金を支払った後、基本は翌日から2か月以内に事業主が申請します。労働者本人が直接申請する制度ではありません。

先に確認するポイント

確認項目 2026年度のポイント
誰が申請するか 対象労働者を雇用する事業主。労働者個人が直接申請する制度ではありません。
中心となるコース 有期雇用・無期雇用の労働者を正規雇用労働者へ転換する「正社員化コース」
助成額 中小企業の有期雇用労働者では、重点支援対象者に該当すると1人最大80万円。それ以外は40万円。
最初にすること 正社員転換日の前日までに、キャリアアップ計画を提出する。
転換後の条件 正社員転換後6か月分の賃金を支払った後、転換前6か月分より3%以上増額されていること。
申請時期 取組後6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内が基本です。

助成金は、正社員にした事実だけで自動的に支給されるものではありません。転換前の雇用区分、就業規則、賃金台帳、計画書の提出日を先に確認してください。

キャリアアップ助成金とは

厚生労働省のキャリアアップ助成金は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者などの企業内でのキャリアアップを促すため、正社員化や処遇改善を行う事業主に助成する制度です。

正社員化だけでなく、非正規雇用労働者の基本給を引き上げる「賃金規定等改定コース」、正規雇用労働者と共通の賃金規定を導入するコース、賞与・退職金制度を導入するコースなどがあります。

この記事では、転換を検討する事業主と、勤務先に正社員化を相談したい労働者が最初に確認しやすい正社員化コースに絞ります。

正社員化コースの助成額

2026年度版の正社員化コースでは、正社員転換前の雇用形態、企業規模、重点支援対象者に該当するかで助成額が変わります。

転換前 区分 中小企業 大企業
有期雇用労働者から正規雇用労働者 重点支援対象者 80万円(40万円×2期) 60万円(30万円×2期)
無期雇用労働者から正規雇用労働者 重点支援対象者 40万円(20万円×2期) 30万円(15万円×2期)
有期雇用労働者から正規雇用労働者 上記以外 40万円(1期) 30万円(1期)
無期雇用労働者から正規雇用労働者 上記以外 20万円(1期) 15万円(1期)

重点支援対象者は、正社員転換後6か月の定着を確認した第1期に加え、さらに6か月雇用した場合の第2期も申請できます。1年度・1事業所あたりの支給申請上限人数は20人です。同じ労働者の2回目の申請は、この上限人数の数え方から除かれます。

重点支援対象者に該当する人

区分 主な要件
a 雇入れから3年以上の有期雇用労働者
b 雇入れから3年未満で、過去5年間の正規雇用期間が合計1年以下、かつ過去1年間に正規雇用されていない有期雇用労働者
c 派遣労働者、母子家庭の母等・父子家庭の父、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者など

雇用期間が通算5年を超える有期雇用労働者は、無期雇用労働者とみなされる扱いがあります。また、新規学卒者は、申請事業主に雇い入れられてから1年を経過するまで支給対象外となる場合があります。個別の判定は、最新のQ&Aと対象者確認票で確認してください。

2026年度から確認したい加算

加算の対象となる取組 中小企業 大企業
正社員転換制度を新たに規定し、その区分へ転換 20万円 15万円
勤務地限定・職務限定・短時間正社員などの多様な正社員制度を新たに規定し、その区分へ転換 40万円 30万円
転換制度などの所定の情報を、自社サイトまたは「しょくばらぼ」に公表 20万円 15万円

情報公表加算は、2026年4月8日以降に対象労働者を転換する場合が対象です。加算は取組の内容、計画期間、公表場所などの要件を満たす必要があり、1事業所あたり1回のみです。

対象労働者の主な条件

「契約社員を正社員にした」というだけでは足りません。正社員化コースでは、転換前後の雇用区分と就業規則、採用時の約束、賃金の変化を確認します。

確認する条件 チェックポイント
転換前の雇用区分 原則として、正規雇用労働者と賃金の額または計算方法が異なる就業規則等の適用を、通算6か月以上受けていること。
派遣労働者 派遣先での直接雇用など、派遣労働者向けの要件を確認すること。
採用時の約束 最初から正規雇用労働者として雇用することを約束して採用された人ではないこと。
転換後の雇用区分 同じ事業所の正規雇用労働者に適用される就業規則が適用されること。
昇給・賞与等 転換時点で、昇給と、賞与または退職金の制度が適用される正規雇用労働者であること。
新規学卒者 申請事業主に雇い入れられてから1年を経過していない新規学卒者は対象外となる場合があること。

特に注意したいのは、就業規則などに正規・非正規の賃金差が明記されているかです。実際の支給額に差があっても、就業規則等から雇用区分の違いを確認できない場合は、対象外となる可能性があります。

賃金3%以上の増額を確認する

正社員転換後6か月分の賃金は、転換前6か月分の賃金と比べて3%以上増額されている必要があります。転換日だけの給与や、雇用契約書の記載だけで判断せず、実際に支払った賃金台帳などで確認します。

時期 確認すること
転換前6か月 非正規雇用労働者としての賃金、雇用区分、就業規則の適用状況を保存
正社員転換日 キャリアアップ計画の期間内か、転換制度の規定があるかを確認
転換後6か月 正規雇用労働者として雇用し、賃金を支払う
6か月分の賃金支払後 転換前6か月分より3%以上増額されているか計算し、支給申請する

賃金の計算方法や対象となる手当は、個別の雇用契約や賃金規程によって判断が変わることがあります。迷った場合は、転換前に管轄の都道府県労働局またはハローワークへ確認してください。

申請から助成金を受け取るまで

段階 事業主が行うこと
1 対象になり得る労働者、転換前6か月の雇用区分、就業規則、賃金の状況を確認する。
2 労働者の意見を聴き、キャリアアップ計画を作成する。
3 正社員転換などのコース実施日の前日までに、計画を管轄の労働局へ提出する。
4 就業規則などに基づき、正社員転換を実施する。
5 転換後6か月分の賃金を支払い、転換前との3%以上の増額を確認する。
6 6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内に、支給申請書と添付書類を提出する。

支給申請先は、事業所の所在地を管轄する都道府県労働局です。ハローワークを通じて提出できる場合もあります。郵送の場合は、申請先への到着日が期限内である必要があります。

電子申請を利用する場合は、雇用関係助成金ポータルとGビズIDの準備が必要です。電子申請を選ぶ場合の計画書の提出方法や、紙で提出済みの計画から電子申請へ切り替える場合の扱いは、最新のQ&Aを確認してください。

対象外になりやすいケース

よくある行き違い なぜ注意が必要か
正社員に転換してから計画を提出する 原則として、コース実施日の前日までの計画提出が必要です。
転換前の雇用区分を6か月確認できない 就業規則等の適用期間や賃金の違いを確認できないと対象外となる可能性があります。
賃金の増額が3%未満 転換後6か月分と転換前6か月分を比較して、要件を満たす必要があります。
正社員の制度に昇給や賞与・退職金制度がない キャリアアップ助成金上の正規雇用労働者の定義を満たさない可能性があります。
新規学卒者を雇入れから1年以内に転換する 新規学卒者には別の対象外期間があります。
申請期限を過ぎる、賃金台帳などが不足する 到着日や添付書類の不足によって、不受理や不支給となる場合があります。

年収の壁を理由に探している場合は別コースも確認

2026年度以降に、短時間労働者を新たに社会保険へ加入させ、労働時間の延長や賃金の増額を行う場合は、正社員化コースとは別に「短時間労働者労働時間延長支援コース」を確認します。

従来の「社会保険適用時処遇改善コース」は、2026年3月31日までに社会保険を適用した取組が対象です。2026年4月1日以降に新たに社会保険へ加入させる取組を予定している場合、古いコースの情報だけで判断しないでください。

目的 確認するコース
契約社員・パート等を正社員に転換したい 正社員化コース
短時間労働者を社会保険に加入させ、労働時間や収入を増やしたい 短時間労働者労働時間延長支援コース
非正規雇用労働者の基本給を引き上げたい 賃金規定等改定コース

事業主と労働者が申請前に確認すること

  • 正社員転換日が決まっているか
  • 転換前6か月の雇用契約・就業規則・賃金台帳がそろっているか
  • 正社員転換前日までにキャリアアップ計画を提出できるか
  • 転換後の正規雇用区分に昇給と賞与または退職金制度があるか
  • 転換後6か月分の賃金が、転換前6か月分より3%以上増える見込みか
  • 支給申請先と、6か月分の賃金支払日から2か月以内という期限を確認したか

労働者が正社員化を希望していても、助成金を使うか、いつ転換するかを決めるのは勤務先の事業主です。まずは人事・労務担当者に、キャリアアップ計画の提出予定、転換後の雇用区分、賃金の扱いを確認してください。

公式資料・相談先

申請先や個別の対象判定は、事業所所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワークに相談してください。制度の支給額・様式・要件は見直されることがあるため、実際に取り組む前に最新資料を確認します。

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この記事の確認日:2026年8月2日

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