病気やけがを理由に退職した場合、会社の離職票に「自己都合」と書かれただけで、雇用保険の扱いがすべて決まるわけではありません。疾病・負傷などによる正当な理由のある離職として、特定理由離職者に該当するかをハローワークが資料に基づき判断します。ただし、診断書があるだけで一律に認められる制度ではありません。
同時に、退職した理由と、現在すぐに働ける状態かを分けて確認する必要があります。離職理由が認められても、治療で働けない間に失業給付の基本手当をそのまま受け取れるとは限りません。この記事では、その2つの確認を順番に整理します。
- 退職時:病気・けがのために、その仕事を続けられなかった事情は何か。
- 現在:就職する意思があり、実際に求職・就労できる状態か。
会社の表記と、ハローワークの離職理由の判断は別
特定理由離職者の範囲には、体力不足、心身の障害、疾病、負傷等による正当な理由のある自己都合離職が含まれます。該当するかは個別の事情と資料を確認して判断されます。ハローワークの特定理由離職者等の範囲が根拠です。
会社へ伝えた事情と離職票の記載が違う場合、受給手続きの窓口でその違いを伝えてください。ハローワークは本人・事業主の主張や確認資料を踏まえて最終的な離職理由を判断します。厚生労働省の雇用保険Q&Aで説明されています。
会社の記載に異議がある場合は、離職票の記入欄を確認し、提出時に事情を説明します。事実と違う説明に合わせてしまうのではなく、「いつから、どの仕事が、なぜ難しくなったか」を時系列にまとめましょう。
資料は「退職せざるを得なかった事情」が分かるもの
診断名だけでなく、退職時の勤務内容、病気による制限、会社との調整経過が説明できると、確認すべき事情が明確になります。次の資料は相談時に整理する候補で、全国共通で全部必須という意味ではありません。
- 離職票、退職日、雇用契約や担当業務が分かるもの。
- 診断書や医師の意見など、退職当時の症状・仕事への影響を確認できるもの。
- 休職、勤務時間の短縮、業務変更などについて会社とやり取りした記録。
- 退職理由を伝えた文書やメール、その説明と離職票で違う点。
有料の診断書を新たに依頼する前に、ハローワークへ必要な様式・記載内容を確認します。「離職理由の確認用」と「現在働けることの確認用」は、目的が異なります。医師へ何を証明してもらうか分からないまま作成を依頼すると、必要事項が足りず再取得になることがあります。
今すぐ働けるかで、受給手続きの進め方が変わる
表が画面に収まらないときは、表の中を左右にスクロールして確認できます。
| 現在の状態 | 確認する手続き | 相談で伝える内容 |
|---|---|---|
| 以前の仕事は無理だが、条件に合う仕事なら働ける | 就労可能な範囲と受給資格の確認 | できる業務、時間、通勤等の制限 |
| 治療のため働くことができない | 受給期間延長の確認 | 働けない開始日と見込み期間 |
| 状態が変わり、求職できるようになった | 延長後の受給手続き等 | 回復・就労可能の確認資料 |
| 働けるかまだ判断できない | 必要な医師の確認と窓口相談 | 現在の症状と診察予定 |
基本手当は、就職する意思と働ける能力がありながら就職できない状態を前提に確認されます。病気・けがで30日以上続けて働けない場合は、受給期間の延長を確認します。延長は、その間の基本手当を前払いする仕組みではありません。ハローワーク墨田の雇用保険の案内を参照してください。
基本手当の受給期間は原則、離職日の翌日から1年間です。病気等で30日以上継続して働けない場合、働けない日数を最大3年間加える延長を申請できます。申請を遅らせると、延長しても所定給付日数をすべて受け取れないことがあるため、条件に該当したら早めに相談します。来所が難しい場合は郵送や代理申請も確認してください。
出典:厚生労働省「Q&A〜労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)〜」。
この記事の受給期間延長の説明は、雇用保険の基本手当の対象者向けです。65歳以上で離職した人などが対象となる高年齢求職者給付金や、短期雇用特例被保険者の特例一時金では、受給期限の延長はできません。自分の給付の種類を確認し、療養中でも早めにハローワークへ相談してください。
出典:厚生労働省「離職されたみなさまへ」(受給期間延長、本文5ページ)。
働けるかどうかを本人だけで決めず、医師と窓口に確認しましょう。「以前の夜勤は難しいが日中の軽作業なら可能」など、仕事の条件によって判断が必要なこともあります。無理に求職できると申告したり、逆にすべての仕事ができないと決めつけたりしないことが大切です。
退職後の相談を進める順番
- 離職票を確認:会社の理由と自分の説明の相違、退職日、被保険者期間等を整理する。
- 離職理由を相談:退職当時の事情を伝え、必要な医師の資料や会社側の確認を聞く。
- 現在の就労可否を確認:働ける条件を整理し、受給手続きか延長の確認へ進む。
- 申請・照会の結果を保存:決定した離職理由、追加資料、次の来所日をメモする。
- 健康保険側の給付も別に確認:傷病手当金の申請期間や退職後の条件を確認し、雇用保険側にも受給状況を正しく伝える。
特定理由離職者に該当すれば、雇用保険の加入期間の条件や給付制限などの確認に関係します。ただし、すべての特定理由離職者で給付日数が同じように増えるとは限りません。自分の離職理由、年齢、加入期間に基づく案内を受けてください。
そのまま使える窓口への相談文
よくある質問
診断書があれば必ず特定理由離職者になりますか?
診断書だけで自動的に決まるわけではありません。症状と勤務の関係、離職に至る事情等をハローワークが確認します。
退職後すぐに病気が治れば、病気退職だったことは考慮されませんか?
退職時の事情と現在の能力は別の確認です。今働けることを説明するとともに、退職時の資料も提出できるよう整理します。
会社から離職票が届きません。相談を待つべきですか?
届かない状況と退職日を伝え、ハローワークへ相談してください。届くまで何も確認できないと考えず、必要な手続きと資料を聞いておきます。
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公式資料・確認日
公式資料の確認日:2026年10月12日。必要な資料や窓口手続きは、受給手続きをするハローワークの最新案内を確認してください。


