この記事の情報基準日:2026年9月24日
2026年10月8日:公式資料を再確認し、対象条件と手続きの補足を加えました。
日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金を受けている学生は、毎年10月に「支援区分」が見直されます。区分が変わると、10月分からの給付奨学金の月額と、授業料・入学金の減免額が変わります。
10月の振込額が減ったり、支給が止まったりしたときは、支援区分の見直しが理由となっていることがあります。この記事では、2026年10月の見直しについて、次の点を順番に整理します。
- 何をもとに判定されるのか
- 区分ごとにいくらもらえるのか
- 結果はどこで確認できるのか
- 区分が下がったときにできること
奨学金の手続きは学生本人が行うものですが、判定には、学生本人と、親など「生計維持者」の所得を使います。親御さんや祖父母の方も、一緒に確認しておくと安心です。
10月の見直しで、翌年9月までの支援区分が決まる
毎年10月に家計で区分を判定し直す
JASSOは、採用後も毎年、学生の家計の状況を確認して支援区分を見直します。この手続きを「適格認定(家計)」と呼びます。給付型奨学金は、高等教育の修学支援新制度による支援です。
2026年度の見直しは、次のように行われます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 見直しの時期 | 2026年10月 |
| 判定に使う所得 | 2025年1月〜12月の所得(2026年度の住民税情報) |
| 所得の確認方法 | 本人と生計維持者のマイナンバーで確認 |
| 判定の対象 | 給付奨学生本人と生計維持者(原則として父母) |
| 新しい区分が使われる期間 | 2026年10月〜2027年9月 |
| 判定の材料 | 2026年4月の在籍報告で届け出た内容 |
JASSOが情報を確認して見直すため、原則として新しい申請は不要です。所得確認や子どもの数の申告などで書類提出が必要な場合は、学校の案内に沿って対応してください。2026年度の予約採用者は進学届、春の在学採用者はスカラネット申込で報告した生計維持者を基に見直します。
区分が変わる理由は、親の所得や扶養人数の変化など
区分が変わる主な理由は次のとおりです。
- 親の2025年の収入が、前の年より増えた・減った
- 兄や姉が就職して親の扶養から外れ、扶養している子どもの数が減った
- 生計維持者が変わった(離婚・死別など)
- 扶養控除や住民税の申告の内容が変わった
特に見落としやすいのが、きょうだいの就職です。扶養している子どもの数が3人から2人になると、「多子世帯」の扱いから外れることがあります。
本人と生計維持者の所得・資産で判定する
住民税の情報から、区分判定に使う額を計算する
所得による区分は、住民税の情報から計算した額で決まります。これが「支給額算定基準額」です。学生本人と生計維持者の分を、次の式でそれぞれ計算して合計します。
支給額算定基準額 = 市町村民税の課税標準額 × 6% −(調整控除額 + 税額調整額)
※補足:100円未満は切り捨てです。政令指定都市に市民税を納めている場合は、調整控除額と税額調整額の合計に4分の3をかけて計算します。
合計額と支援区分の関係は次のとおりです。
| 支援区分 | 本人と生計維持者の支給額算定基準額の合計 |
|---|---|
| 第1区分 | 100円未満 |
| 第2区分 | 100円以上25,600円未満 |
| 第3区分 | 25,600円以上51,300円未満 |
| 第4区分 | 51,300円以上154,500円未満 |
| 多子世帯 | 154,500円以上(多子世帯に限る) |
出典:JASSO「2026年10月の支援区分見直し(2026年度適格認定(家計))」
給付奨学金は資産5,000万円未満、多子の授業料等減免は3億円未満
所得の基準に加え、本人と生計維持者の資産を合計して、次の基準を確認します。
- 本人と生計維持者の資産額の合計が5,000万円未満であること
- 多子世帯の授業料等減免については、3億円未満であること
資産には、現金や預貯金、有価証券などが含まれます。土地や建物などの不動産は含まれません。
課税標準額200万円を使った計算例
たとえば、住民税の課税標準額が父200万円、母0円、本人0円の世帯を考えてみます。
- 父:200万円 × 6% = 120,000円。ここから調整控除額(仮に2,500円)を引くと 117,500円
- 母・本人:0円
- 合計:117,500円 → 第4区分の範囲(51,300円以上154,500円未満)
※補足:この試算は、仮の数字を使って編集部で作成したイメージです。実際の課税標準額と調整控除額は、住民税の課税証明書(または税額決定通知書)で確認できます。JASSOのホームページには「進学資金シミュレーター」もあります。
区分ごとの給付奨学金の月額
大学・短大・専門学校の月額
| 設置 | 通学 | 第1区分 | 第2区分 | 第3区分 | 第4区分(多子世帯) |
|---|---|---|---|---|---|
| 国公立 | 自宅 | 29,200円 | 19,500円 | 9,800円 | 7,300円 |
| 国公立 | 自宅外 | 66,700円 | 44,500円 | 22,300円 | 16,700円 |
| 私立 | 自宅 | 38,300円 | 25,600円 | 12,800円 | 9,600円 |
| 私立 | 自宅外 | 75,800円 | 50,600円 | 25,300円 | 19,000円 |
※補足:生活保護を受けている世帯の人や、児童養護施設などから通学する人が自宅から通学する場合は、特例の金額が適用されます(例:国公立・第1区分で33,300円、私立・第1区分で42,500円)。
出典:JASSO「給付奨学金の支給額」
第4区分・多子世帯は、給付月額と授業料減免をそれぞれ確認
第4区分と「多子世帯」の区分は、給付奨学金の月額と授業料等減免を、次の表でそれぞれ確認してください。
| 区分 | 給付奨学金の月額 | 授業料等減免 |
|---|---|---|
| 第4区分で多子世帯 | 上の表の第4区分の金額 | 上限額まで減免 |
| 第4区分で多子世帯ではなく、私立の理工農系 | 0円 | 文系との授業料の差額を支援 |
| 第4区分で上のどちらでもない | 支給なし(停止) | 対象外 |
| 「多子世帯」区分(154,500円以上の多子世帯) | 0円 | 上限額まで減免 |
多子世帯とは、生計維持者が扶養している子どもが3人以上いる世帯のことです。2025年度からは、多子世帯なら所得制限なしで授業料・入学金が上限額まで減免されるようになりました。
多子世帯の判定では、申告した子どもの数と住民税情報の扶養親族数のうち少ない方が3人以上で、学生本人も生計維持者に扶養されていることなどを確認します。一定の所得がある学生世代のきょうだいや、新たに生まれた子などは、別途申告が必要な場合があります。
※補足:2026年10月の見直しで第4区分になり、多子世帯でもなく、私立の理工農系でもない場合は、給付奨学金の支給が止まります(停止)。JASSOは、在籍している学校を通じて処置の通知を渡すとしています。
授業料・入学金の減免
給付奨学金とセットで、授業料・入学金も減免されます。減免の額も支援区分によって変わります。
| 支援区分 | 減免の割合 |
|---|---|
| 第1区分 | 上限額まで全額 |
| 第2区分 | 上限額の3分の2 |
| 第3区分 | 上限額の3分の1 |
| 多子世帯 | 上限額まで全額(所得制限なし) |
授業料の上限額(年額)は、たとえば国公立大学で約54万円、私立大学で70万円です。授業料等減免の手続きと、区分変更が反映される時期は、在籍校の学生課などへ確認してください。学校によって扱いが異なることがあります。
見直し結果はスカラネット・パーソナルで確認できる
スカラネット・パーソナルで確認する
2026年10月からの支援区分は、JASSOの「スカラネット・パーソナル」で確認できます。
- 確認できる日:見直しの処理が終わっている場合、2026年9月4日(金)から
- 確認する場所:スカラネット・パーソナルの「支援区分適用履歴」
スカラネット・パーソナルは、学生本人がパソコンやスマートフォンで使う奨学金の情報サイトです。家族で結果を確認したい場合は、学生本人に区分を見てもらってください。
所得証明書の提出を求められる場合
次のような場合は、見直しに必要な書類として「2026(令和8)年度所得証明書((非)課税証明書)」の提出を求められることがあります。
- マイナンバーを提出できない場合
- マイナンバーでの所得情報の確認に時間がかかる場合
学校から提出を求められた学生は、案内された証明書を市区町村の窓口やコンビニ交付で取得し、期限までに提出してください。JASSOが見直しを進めるための書類です。提出が遅れると、支給に影響するおそれがあります。
区分が下がった・止まったときにできること
本人と親の所得、扶養人数、住民税の申告を確認する
区分が下がったときは、学生本人と家族で、次の点を確認してください。
- 2025年の親の収入が増えていないか
- きょうだいの就職などで、扶養している子どもの数が変わっていないか
- 住民税の申告で、扶養の申告漏れがないか
扶養の申告漏れなどが見つかった場合は、市区町村へ住民税の申告内容を修正できるか相談してください。住民税の情報が変わると、見直し結果に影響する可能性があります。
2026年の失業・病気などで家計が急変したら、学校へ相談する
10月の見直しは、2025年の所得を基に判定します。2026年に親が失業した、病気で働けなくなった、亡くなったなどの事情で家計が急変した場合は、次の家計急変の手続きを学校へ相談してください。
JASSOには、急変後の収入を基に支援区分を判定する「家計急変」の手続きがあります。対象になるか、早めに学校の奨学金窓口へ相談してください。申請には期限があります。
家計急変の対象と申請期限は「親の失業・病気で学費が苦しいとき|JASSO家計急変採用の対象と申請期限」で解説しています。
停止後も、見直しで基準を満たせば支給が再開する場合がある
第4区分などで「停止」となった場合は、翌年度以降の見直しで基準を満たすと、支給が再開することがあります。届いた通知で処置を確認してください。「廃止」は資格そのものがなくなる処置で、停止とは異なります。
給付が減った分を、貸与奨学金や教育ローンで補えるか調べる
給付額が減った分は、貸与型の奨学金(第一種・第二種)や、国の教育ローンで補えることがあります。第一種奨学金を併せて受けている場合は、給付奨学金の区分に合わせて第一種の月額が調整されることもあります。
学業成績による判定とは別
年度末には、学業成績による判定「適格認定(学業)」もあります。修得単位数や出席率が低い場合などは、警告や支給の打ち切りになることがあります。家計の見直しに加え、学業に関する学校の案内も確認してください。
よくある質問
Q. 見直しのために、何か申請が必要ですか?
原則として新しい申請は不要です。JASSOが在籍報告などの内容と、マイナンバーで確認した住民税情報を基に見直します。2026年度の予約採用者は進学届、春の在学採用者はスカラネット申込で報告した生計維持者を使います。所得確認や子どもの数の申告などで書類が必要な場合は、学校の案内に沿って提出してください。
Q. いつの所得で判定されますか?
2026年10月の見直しでは、2025年1月〜12月の所得(2026年度の住民税情報)で判定します。
Q. 区分が上がることもありますか?
親の収入が減った場合などは、区分が上がり、月額が増えることがあります。
Q. 兄が就職して扶養から外れました。影響はありますか?
扶養している子どもの数が3人未満になると、多子世帯の扱いから外れることがあります。多子世帯でなくなると、授業料等減免の上限や、第4区分での支給の扱いが変わるため、影響が大きくなる場合があります。
Q. 結果に納得できないときは?
在籍校の奨学金窓口へ相談してください。住民税の申告内容に誤りがあった場合は、市区町村で修正した後、学校を通じてJASSOへ相談します。
Q. 高校生の予約採用の人も対象ですか?
見直しの対象は、すでに給付奨学金を受けている大学・短大・専門学校・高専(4年生以上)の学生です。高校生の予約採用は、進学後に支給が始まってから対象になります。
あわせて確認したい制度
- 高校・大学の学費支援一覧2026|給付・授業料減免・奨学金・入学費用の確認順
- 親の失業・病気で学費が苦しいとき|JASSO家計急変採用の対象と申請期限
- JASSO機関保証|連帯保証人なしで奨学金を借りる条件・保証料・信用情報
- 国の教育ローン|子ども1人350万円、金利・年収上限・奨学金との違い
公式情報・問い合わせ先
見直しの結果や手続きについては、まず在籍している学校の奨学金窓口に相談してください。
更新履歴
- 2026年9月24日:公開


