
生活費が足りず、食費や家賃、受診代を払えない人は、生活保護を相談できます。働いている人や年金を受け取っている人も、世帯の収入が国の定める最低生活費に届かなければ対象になる場合があります。
申請先は福祉事務所の生活保護担当です。必要書類がそろっていなくても申請できます。 今日の食事や今夜の住まいがないときは、その事情を最初に伝えてください。厚生労働省の申請案内
確認日:2026年10月8日。この記事は国の生活保護制度について、申請の入口と支援内容を説明します。自治体の福祉事務所が調査・決定します。適正に受給する保護費は貸付ではありませんが、収入の遡及支給などで返還が必要になる場合があります。
自動車の保有条件、申請できる人と緊急時の扱い、通知がない場合の手続きは、2026年10月9日に補足しました。
もらえる額は「最低生活費と認定された収入の差額」
生活保護は原則として世帯単位です。地域、世帯人数、年齢、家賃、障害などに応じた最低生活費と、給与・年金・手当などの収入を比べます。
| 確認するもの | 決定にどう関係するか |
|---|---|
| 最低生活費 | 世帯構成と地域、必要な扶助などをもとに計算 |
| 認定された収入 | 給与、年金、仕送りなど。給与には一定の控除がある |
| 保護費 | 最低生活費から認定収入を引いた不足分 |
福祉事務所は、世帯の収入と、預貯金・保険・不動産など生活に活用できる資産を確認します。全国一律の「年収○万円以下」という目安だけでは判定できません。仕事があっても収入が少ない人は相談できます。厚生労働省「生活保護制度」
食費・家賃・医療・介護・子どもの学校を支える扶助
必要に応じて、次の8種類の扶助を組み合わせます。
| 扶助 | 主な支援内容 |
|---|---|
| 生活扶助 | 食費、衣類、光熱水費など |
| 住宅扶助 | 基準の範囲内の家賃など |
| 教育扶助 | 義務教育の学用品費など |
| 医療扶助 | 必要な医療。費用は原則医療機関へ直接支払い |
| 介護扶助 | 必要な介護。費用は原則事業者へ直接支払い |
| 出産扶助 | 基準の範囲内の出産費用 |
| 生業扶助 | 技能習得、高校就学費用の一部など |
| 葬祭扶助 | 基準の範囲内の葬祭費用 |
医療扶助・介護扶助の対象になった費用は、原則本人負担がありません。自由診療や差額ベッド代などの扱いは、受診やサービス利用の前に福祉事務所へ確認してください。医療機関名と必要な支援を伝えましょう。
持ち家・車・親族の事情を福祉事務所へ伝える
現在住んでいる持ち家は、価値や利用状況によって保有が認められる場合があります。住宅ローンがある場合も含め、福祉事務所が個別に確認します。
自動車は処分が原則です。障害のある人の通勤・通院等や、公共交通機関の利用が著しく困難な地域での通勤・通院等では、保有が認められる場合があります。
車の処分価値、利用目的、他の移動手段、維持費などの条件を福祉事務所が確認します。通勤用の車を保有しながら求職する場合も、処分を保留できる条件と、車を使える条件は分けて確認してください。
自営業に必要な店舗や器具も、保有が認められる場合があります。用途を具体的に説明してください。
働ける年齢でも申請できます。福祉事務所は、健康状態、仕事を探している状況、介護などの制約を確認します。働ける人には、能力に応じた就労が求められます。
親族から受けられる援助は保護に優先します。別居の親族へ事前に相談していない人も申請できます。申請後、福祉事務所が援助の可能性を調べる「扶養照会」を行うことがあります。
DV・虐待、長年の音信不通、著しい関係不良など、援助が期待できない事情がある人は、誰への連絡がなぜ困るのかを申請時に伝えてください。本人の事情を確認して照会しない扱いになる場合があります。厚生労働省の扶養照会に関する説明
書類がそろっていない人も、申請の意思を伝える
住んでいる地域を担当する福祉事務所へ連絡してください。住まいがない人は、現在いる場所の近くの福祉事務所へ相談してください。福祉事務所がない町村では、町村役場でも申請手続きができます。
相談と申請は別です。申請する意思がある場合は「生活保護を申請したい」と伝え、申請日が分かる控えを保管します。申請書を作れない特別な事情がある場合は、申請書がなくても申請できる扱いがあります。
申請できるのは、生活保護を必要とする本人、その扶養義務者、その他の同居の親族です。緊急に保護を要する状況では、申請がなくても、行政が必要な保護を始める規定があります。
調査に役立つ資料は、本人確認書類、通帳・取引明細、給与明細・年金通知、家賃の契約書、保険・不動産・車の資料、病気・障害・介護の資料などです。手元にある資料を用意してください。全部がそろっていなくても申請できます。
申請後、福祉事務所は、家庭訪問での生活状況、収入・資産、利用できる年金や手当、就労の可能性などを調べます。年金や年金生活者支援給付金を受けていても、不足分があれば保護の対象を検討します。
決定は原則14日以内。緊急の生活事情も窓口へ
決定通知は申請から原則14日以内です。調査に時間を要する特別な理由がある場合でも30日以内と、生活保護法に定められています。開始・却下の判断と理由は書面で通知されます。生活保護法第24条
食料がない、住まいを失った、薬が切れるなどの事情は、決定を待つ間にも伝えてください。「所持金はいくら」「次の支払日はいつ」「乳幼児や病人がいる」と説明すると、緊急の支援を相談しやすくなります。
30日を過ぎても通知がない、申請を受け付けてもらえない場合は、申請日の控えや相談記録をもとに担当・上席者へ確認します。却下の理由に納得できなければ、通知書にある不服申立ての案内や法律相談を利用できます。
申請から30日以内に通知がない場合は、申請者は却下されたものとみなすこともできます。決定に不服がある場合や通知がない場合は、審査請求の窓口と期限を確認してください。
受給後は収入と暮らしの変化を届け出る
受給中は、給与、年金、仕送りなどの収入を毎月申告してください。少額のアルバイト代も伝えます。就職・退職、入院・転居、家族の増減なども届け出て、ケースワーカーの訪問や必要な相談を受けてください。
家賃の不足だけが問題なら住居確保給付金、一時的な不足で返済の見込みがあるなら生活福祉資金も候補です。
借りても生活費が継続して足りない場合は、返済を増やす前に生活保護も相談してください。
公式情報・相談先
福祉事務所は、世帯の事情をもとに、金額や資産の保有、扶養照会を判断します。全国共通の制度と、地域・世帯ごとの決定を確認しながら利用してください。
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