2026年7月28日に発生した熊本地震について、内閣府は8月10日、熊本県全域への被災者生活再建支援法の適用を正式に公表しました。住宅が全壊した世帯などは、住宅の被害程度と今後の再建方法に応じて、返済不要の「被災者生活再建支援金」を申請できます。
複数人世帯は最大300万円、単身世帯は最大225万円です。ただし、被災した全世帯へ一律300万円が支給される制度ではありません。最大300万円となるのは、全壊世帯などの複数人世帯が住宅を建設・購入する場合です。
法適用の決定と、市町村窓口での受付開始は別です。2026年8月11日時点では、熊本県の地震情報ポータルで市町村ごとの受付開始日や今回の災害に固有の申請期限は確認できません。まず、被災時に住んでいた市町村へ受付状況を確認してください。
制度の一般的な支給額、被害区分、基礎支援金・加算支援金、申請書類の整理は、被災者生活再建支援金の制度全体の解説で確認できます。熊本地震の記事では、今回の法適用と市町村ごとの受付情報を優先して案内します。
30秒で確認|今回決まったこと
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象地域 | 熊本県全域 |
| 対象となる主な世帯 | 全壊、解体、長期避難、大規模半壊、中規模半壊の世帯 |
| 最大額 | 複数人世帯300万円、単身世帯225万円 |
| 申請先 | 被災時に居住していた市町村 |
| 最初に必要になるもの | 原則として住家のり災証明書 |
| 返済 | 不要 |
| 現在の注意点 | 市町村ごとの受付開始日・窓口・今回の正式な締切は最新発表を確認 |
報道では当初「熊本県全域に適用される見込み」と伝えられましたが、内閣府は同じ8月10日付の公表資料で、熊本県から法適用の報告があったことを正式に明らかにしています。今回の適用基準は、被災者生活再建支援法施行令第1条第3号の「100以上の世帯の住宅が全壊する被害が発生した都道府県における自然災害」です。
被災者生活再建支援法とは|返済不要の支援金制度
被災者生活再建支援法は、自然災害で住宅が全壊するなど、生活の基盤に大きな被害を受けた世帯へ支援金を支給する法律です。
都道府県が拠出した基金を活用し、国が支給額の2分の1を補助します。実際の支援金は、公益財団法人都道府県センターから被災世帯へ支給されます。
支給額は、次の2つを組み合わせて決まります。
- 住宅の被害程度で決まる「基礎支援金」
- 建設・購入、補修、賃借という再建方法で決まる「加算支援金」
現行制度は、被害程度と再建方法に応じた定額支給です。支援金の使い道に制限はなく、返済も必要ありません。
支援金の対象になる5つの世帯
対象になるのは、令和8年熊本地震の発生時に熊本県内の被災住宅を生活の本拠としていた世帯のうち、次のいずれかに該当する世帯です。
- 住宅が全壊した世帯
- 住宅が半壊した、または敷地に被害が生じ、やむを得ず住宅をすべて解体した世帯
- 災害による危険な状態が続き、長期間住宅に住めない「長期避難世帯」
- 住宅が大規模半壊した世帯
- 住宅が中規模半壊した世帯
持ち家だけが対象ではありません。借家やアパートに住んでいた世帯も、住家の被害判定などの要件を満たせば対象になります。
一方、貸家の所有者がその住宅に住んでいなかった場合は、大家としての建物被害だけでは対象になりません。この制度は、被災時に実際に住んでいた世帯の生活再建を支援するものだからです。
「半壊」「一部損壊」なら必ず対象になるわけではありません
国の支援金で特に注意したいのは、り災証明書の判定です。
- 中規模半壊:加算支援金の対象
- 大規模半壊:基礎支援金と加算支援金の対象
- 半壊:そのままでは原則として対象外。ただし、やむを得ず住宅をすべて解体した場合は「解体世帯」として全壊世帯と同等に扱われる可能性がある
- 準半壊・一部損壊:国の被災者生活再建支援金は原則として対象外
- 家財、倉庫、カーポートだけの被害:この支援金の対象となる住家被害には含まれない
半壊住宅を解体する場合は、解体すれば自動的に対象になるわけではありません。「倒壊の危険がある」「補修費が著しく高額になる」など、やむを得ない事情の確認が必要です。写真やり災証明書、解体に関する書類を残し、解体前に市町村へ相談してください。
複数人世帯はいくら?最大300万円
世帯員が2人以上の場合の支給額は次のとおりです。
| 住宅の被害区分 | 基礎支援金 | 建設・購入 | 補修 | 民間賃貸住宅などを賃借 |
|---|---|---|---|---|
| 全壊・解体・長期避難 | 100万円 | 加算200万円/計300万円 | 加算100万円/計200万円 | 加算50万円/計150万円 |
| 大規模半壊 | 50万円 | 加算200万円/計250万円 | 加算100万円/計150万円 | 加算50万円/計100万円 |
| 中規模半壊 | なし | 100万円 | 50万円 | 25万円 |
「最大300万円」という数字だけを見ると、全壊すれば300万円受け取れるように見えます。しかし、全壊・解体・長期避難世帯の基礎支援金は100万円です。残る200万円は、住宅を建設または購入した場合の加算支援金です。
単身世帯はいくら?最大225万円
地震発生時に1人で暮らしていた単身世帯は、複数人世帯の4分の3の金額です。
| 住宅の被害区分 | 基礎支援金 | 建設・購入 | 補修 | 民間賃貸住宅などを賃借 |
|---|---|---|---|---|
| 全壊・解体・長期避難 | 75万円 | 加算150万円/計225万円 | 加算75万円/計150万円 | 加算37.5万円/計112.5万円 |
| 大規模半壊 | 37.5万円 | 加算150万円/計187.5万円 | 加算75万円/計112.5万円 | 加算37.5万円/計75万円 |
| 中規模半壊 | なし | 75万円 | 37.5万円 | 18.75万円 |
金額の具体例
例1|夫婦世帯・住宅が全壊・新しい住宅を購入
- 基礎支援金:100万円
- 加算支援金:200万円
- 合計:300万円
例2|2人以上の世帯・住宅が大規模半壊・住宅を補修
- 基礎支援金:50万円
- 加算支援金:100万円
- 合計:150万円
例3|2人以上の世帯・住宅が中規模半壊・民間賃貸住宅へ入居
- 基礎支援金:なし
- 加算支援金:25万円
- 合計:25万円
例4|単身世帯・住宅が全壊・住宅を補修
- 基礎支援金:75万円
- 加算支援金:75万円
- 合計:150万円
基礎支援金と加算支援金は、同時に申請しなくてもよい
住宅を建て直すか、補修するか、賃貸住宅へ移るかを、被災直後に決められない方もいます。
基礎支援金と加算支援金は、必ず同時に申請する必要はありません。先に基礎支援金を申請し、再建方法が決まってから加算支援金を申請できます。必要書類がそろっていれば、同時申請も可能です。
再建場所は、被災した土地に限られません。日本国内であれば、別の市町村や県外で住宅を建設・購入・補修する場合も審査対象になります。
申請までの5ステップ
1.安全な範囲で被害写真を残す
片付け、修理、解体の前に、建物の外観、各部屋の全景、壊れた箇所を撮影してください。危険な建物へ写真を撮るために戻ってはいけません。
2.住家のり災証明書を申請する
被災者生活再建支援金では、原則として市町村が発行する住家のり災証明書で被害程度を確認します。
り災証明書の申請方法は、市町村ごとに異なります。熊本市の手続きは、熊本地震の住家り災証明書|電子申請・写真の撮り方で確認できます。
3.被災時に住んでいた市町村へ相談する
支援金の申請先は、現在の避難先ではなく、原則として被災時に居住していた市町村です。県外へ避難している場合も、被災した住宅がある市町村の窓口へ連絡してください。
4.基礎支援金の書類をそろえる
一般的に必要になる書類は次のとおりです。
- 被災者生活再建支援金支給申請書
- 住民票など、被災時の世帯構成を確認できる書類
- 住家のり災証明書
- 申請者名義の預金通帳の写し
- 解体世帯は、解体証明書や滅失登記簿謄本など
- 敷地被害による解体では、宅地の応急危険度判定結果など追加書類
住民票の住所と実際に住んでいた場所が違う場合は、公共料金の領収書や自治会長・民生委員の居住証明書など、生活の本拠を示す書類が必要になることがあります。
5.再建方法が決まったら加算支援金を申請する
住宅の建設・購入・補修・賃借に関する契約書などを添付します。自分で補修し契約書がない場合は、見積書、請求書、注文書、領収書などを組み合わせて確認を受けます。
申請期限は「基礎13か月・加算37か月」が原則
国の制度上の標準的な申請期間は、次のとおりです。
- 基礎支援金:災害発生日から13か月以内
- 加算支援金:災害発生日から37か月以内
ただし、災害ごとの正式な期限や延長は、県・市町村から改めて案内されます。今回の熊本地震については、市町村が公表する日付を優先してください。
期限まで時間があるように見えても、り災証明書の交付や解体証明、住宅再建の契約書をそろえるには時間がかかります。受付が始まったら、まず基礎支援金の相談をしておくと安心です。
よくある質問|借家・税金・世帯分離
借家やアパートでも対象ですか
被災時に実際に住んでいた住宅で、り災証明書の判定などの要件を満たせば、賃貸住宅の入居者も対象になります。住宅の所有権ではなく、被災世帯の生活の本拠だったかが確認されます。
仮設住宅や公営住宅への入居で、賃借の加算支援金は出ますか
公営住宅、災害公営住宅、仮設住宅、みなし仮設住宅は、賃借区分の加算支援金の対象外です。その後、自己負担のある民間賃貸住宅へ移る場合などは扱いが変わることがあるため、申請時点の住まいを市町村へ伝えてください。
被災後に世帯を分ければ、それぞれ申請できますか
できません。支援金は被災時の世帯を基準に、1つの被災世帯につき1回支給されます。被災後の結婚、離婚、世帯分離だけで支給世帯を増やすことはできません。
支援金に税金はかかりますか
被災者生活再建支援金には、法律により所得税・住民税などの公課は課されません。この支援金だけを理由に所得税の確定申告をする必要はありません。
義援金や災害見舞金、災害援護資金と同じですか
別の制度です。
| 制度 | 主な性格 | 返済 |
|---|---|---|
| 被災者生活再建支援金 | 住宅の被害程度と再建方法に応じる国の制度 | 不要 |
| 災害見舞金 | 自治体が定める被害区分などに応じた給付 | 不要 |
| 義援金 | 寄せられた義援金を配分委員会の基準で配分 | 不要 |
| 災害援護資金 | 生活再建のための貸付 | 必要 |
熊本市の見舞金・弔慰金・災害援護資金は、熊本地震でもらえるお金|見舞金・弔慰金・援護資金で整理しています。
2026年8月11日時点で「決まったこと」と「これから確認すること」
決まったこと
- 令和8年熊本地震に被災者生活再建支援法が適用された
- 対象区域は熊本県全域
- 全壊、大規模半壊、中規模半壊などの対象世帯は、申請により支援金を受けられる
- 複数人世帯は最大300万円、単身世帯は最大225万円
これから確認すること
- 各市町村の受付開始日と申請窓口
- 今回の災害に固有の正式な申請期限
- 熊本県や各市町村が追加する独自支援
- 政府の「生活と生業の再建に向けた支援パッケージ」の具体的内容
「法律が適用された」ことと、「今日から窓口で申請できる」ことは同じではありません。申請書を持って行く前に、市町村の公式ページか電話で受付状況を確認してください。
カネさんからひとこと
「最大300万円」という見出しだけでは、自分がいくら対象になるのか分かりません。
確認する順番は、①り災証明書の被害区分、②被災時の世帯人数、③建設・購入・補修・賃借のどれで再建するか、④市町村の受付開始日です。
再建方法をすぐに決められないときは、先に基礎支援金について相談し、加算支援金は住まいの方針が決まってから申請できます。書類を一つの袋やファイルにまとめ、写真、見積書、契約書、領収書を捨てないでください。
先に準備するもの
- 被害箇所の写真と動画
- り災証明書の申請控え
- 本人確認書類、通帳、住民票
- 修理・撤去の見積書と領収書
- 保険会社とのやり取り
確認する制度
被災者生活再建支援金、自治体の災害見舞金、災害援護資金、住宅の応急修理、税・国保・年金・介護保険料の減免や猶予、公共料金の特別措置を確認します。同じ被害でも、制度の適用決定前は申請できないことがあります。
今回の地震向け発表かを見る
熊本県・熊本市には平成28年熊本地震や令和7年豪雨の支援ページも残っています。令和8年7月28日の地震を対象と明記しているか、受付開始日と対象市町村を確認してください。
熊本市の「令和8年熊本地震」公式ページは2026年8月12日更新で、被災者支援制度の冊子、義援金・寄附金、無料入浴、市営住宅の一時提供などを一覧化しています。制度ごとに対象者・申請窓口・期限が違うため、古い平成28年熊本地震の情報と混同せず、公式ページの更新日と各制度の案内を確認してください。
窓口で伝えること
「何がもらえますか」だけでなく、被災時の住所、住宅の被害、持ち家・賃貸、世帯人数、収入減、修理予定を伝えると、該当制度を探しやすくなります。熊本市の制度全般はひごまるコール(096-334-1500、8時~20時)でも確認できます。
全国制度の金額と条件は被災者生活再建支援金も確認してください。
公式情報・相談先
※制度・窓口の情報は2026年8月1日時点です。発災直後は対象地域、受付場所、期限が更新されるため、申請前に必ず自治体や実施機関の最新案内をご確認ください。
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公式資料・参考資料
内閣府の法適用公表は、被災者生活再建支援法を適用することを示す資料です。実際の受付開始日、申請窓口、追加書類、今回の災害に固有の期限は、熊本県と被災時に住んでいた市町村の最新案内で確認してください。申請時は、り災証明書、被災時の世帯構成が分かる書類、再建方法を確認できる書類などをそろえ、県や市町村のページで災害の年を取り違えないようにします。内閣府「令和8年熊本地震による災害に係る被災者生活再建支援法の適用について」、熊本県「令和8年熊本地震に関する情報」
- 内閣府|令和8年熊本地震による災害に係る被災者生活再建支援法の適用について(2026年8月10日)
- 内閣府|被災者生活再建支援制度の概要
- 公益財団法人都道府県センター|支援金支給概要
- 公益財団法人都道府県センター|被災者向け・よくあるお問い合わせ(令和7年4月改訂)
- 熊本県|令和8年熊本地震に関する情報
- Yahoo!ニュース/FNNプライムオンライン|最大300万円の支援金「熊本県全域に被災者生活再建支援法が適用見込み」
最終確認:2026年8月11日
このページは行政機関の公式サイトではありません。支給対象、受付開始日、必要書類、申請期限は、お住まいの市町村の最新案内で確認してください。


