地震後、建物に貼られる赤・黄・緑の紙は、り災証明書ではありません。
赤・黄・緑のステッカーは、余震による倒壊や外壁の落下などから人を守るための「被災建築物応急危険度判定」です。公的支援の申請に使う「り災証明書」や、保険会社が行う地震保険の損害認定とは目的が異なります。
最終確認:2026年8月1日17時。国土交通省と熊本県の制度説明に基づいて整理しています。
8月1日現在の実施状況
被災建築物応急危険度判定は、宇城市・氷川町・熊本市に加え、8月1日から八代市・芦北町でも始まりました。その他の市町村は協議中です。
判定を待っている場合でも、傾き、外壁落下、ガス臭など危険を感じた建物には入らず、市町村へ連絡してください。
赤・黄・緑は、建物へ近づいてよいかを知らせる判定です
被災建築物応急危険度判定は、地震で被害を受けた建物を応急的に調べ、余震などによる二次災害を防ぐ制度です。市町村から派遣された応急危険度判定士が現地を確認します。
| 色 | 表示 | 受け止め方 |
|---|---|---|
| 赤 | 危険 | 建物への立入りは危険です。自分の判断で入らないでください。 |
| 黄 | 要注意 | 立ち入る場合に十分な注意が必要です。ステッカーの注記を確認してください。 |
| 緑 | 調査済 | 応急的な調査が済んだことを示します。 |
ステッカーには、危険と判定した理由や注意事項が書かれることがあります。色だけでなく、記載内容も確認してください。
赤紙でも「全壊」や「取り壊し」が決まったわけではありません
赤い「危険」のステッカーが貼られても、り災証明書で全壊と認定されたことにはなりません。建物の取り壊しが決まったという意味でもありません。
応急危険度判定は、地震直後に限られた調査項目で、二次災害の危険を応急的に判断する制度です。後日、詳しく調査した結果と異なる場合があります。
り災証明書は、公的支援のための被害認定です
り災証明書は、災害で被害を受けた住宅について、市町村が被害の程度を証明する書類です。被災した方が申請し、市町村が調査を行います。
被害は、全壊、大規模半壊、中規模半壊、半壊、準半壊、一部損壊などに区分されます。住宅の応急修理、生活再建、税や保険料の減免などで提出を求められることがあります。
赤・黄・緑のステッカーが貼られていても、り災証明書は別に申請が必要です。
地震保険の判定も別です
地震保険では、保険会社が契約内容と損害状況を確認し、全損、大半損、小半損、一部損などを判定します。
応急危険度判定で赤になったから、地震保険でも自動的に全損になるわけではありません。り災証明書が全壊だから、必ず保険金が同じ区分になるとも限りません。それぞれ目的と判断基準が違います。
ステッカーが貼られたら、どうすればよいですか
- 赤の場合は建物へ入らない
薬、通帳、印鑑などを取りに戻りたい場合も、市町村や消防へ相談してください。 - 黄の場合は注記を読む
落下物、傾き、隣の建物など、注意すべき理由が書かれている場合があります。 - 安全な場所から写真を残す
建物全体、ステッカー、被害箇所を撮ります。写真のために危険な場所へ入ってはいけません。 - 市町村へ、り災証明書を申請する
応急危険度判定とは別の手続きです。 - 加入している保険会社へ連絡する
修理や片付けを始める前に、必要な写真と書類を確認してください。
3つの判定を混同しないでください
| 制度 | 主な目的 | 主な結果 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 応急危険度判定 | 余震などの二次災害防止 | 赤・黄・緑 | 市町村の建築・防災担当 |
| り災証明書 | 公的支援に使う住家被害の証明 | 全壊、半壊、一部損壊など | 市町村のり災証明窓口 |
| 地震保険 | 保険金の支払い判断 | 全損、大半損、小半損、一部損 | 加入している保険会社・代理店 |
カネさんからひとこと
赤い紙を見ると、「家を失った」「もう取り壊すしかない」と考えてしまうかもしれません。しかし、赤紙はまず人命を守るための緊急の警告です。
危険な建物には戻らず、そのうえで、り災証明書と地震保険を別々に進めてください。分からないことを自己判断せず、市町村と保険会社の両方へ確認することが大切です。


