情報確認日:2026年10月15日
仕事や通勤による障害で義肢・補聴器などが必要になった人は、労災の「義肢等補装具費支給制度」を利用できる場合があります。品目ごとの対象条件があり、事業場を管轄する労働局へ申請し、承認後に注文するのが基本です。購入代金の全額が一律に出る制度ではないため、見積額と支給範囲を先に合わせてください。
障害が残った人の生活を支える制度
厚生労働省の制度案内は、仕事中・通勤中などのけがや病気で身体の一部を失ったり、障害が残ったりした人の社会復帰を目的としています。障害者手帳を持つ人全員への一般的な補装具助成とは、申請先も要件も異なります。
対象には義肢、上下肢装具、体幹装具、補聴器、義眼、車椅子、ストマ用装具、重度障害者用意思伝達装置などがあります。どれを選んでも自由に購入できるわけではありません。購入対象の別表で、障害の部位や等級、使用の必要性を品目別に定めています。
例えば、補聴器は片耳・両耳の聴力障害により障害等級第11級以上の障害(補償)等給付の支給決定を受けた人、または受けると見込まれる人などが対象です。両耳に障害があっても、支給対象は1人につき1器とされています。「両耳用だから2台分」と自己判断で契約しないでください。
義肢には、障害給付の決定を受ける見込みの人や、所定の医療機関で療養し、症状固定後も対象となることが明らかな人などの経路があります。申請時期は、治療担当医と労働局へ相談できます。一方、治療中の仮義足など療養給付で扱うものを、そのまま同じ費用として重ねて申請することはできません。
申請、承認、製作、費用請求の順に進める
支給要綱では、購入・修理の必要性を審査した後、支給承認・不承認を通知する手順です。実際には次の順で、医療機関と事業者にも準備を依頼します。
- 事業場を管轄する都道府県労働局に、希望する品目、障害の状態、前回の支給年月日を伝える。
- 医師の判断や事業者の見積内容を整理し、様式第1号(1)の購入・修理費用支給申請書を提出する。
- 承認通知で、認められた品目・範囲と手配方法を確認してから注文する。
- 義肢等で必要な場合は、指定の採型指導医による採型指導や完成品の適合検査を受ける。
- 製作・修理後、費用請求書と承認通知の写し、必要な添付資料を提出する。
現行の申請様式には、労働保険番号、年金証書番号、受傷・発病日、障害等級・部位、購入か修理か、前回受給日、希望事業者や採型機関の欄があります。年金証書や以前の承認通知、修理する用具の型式を手元に置くと、相談が進めやすくなります。
筋電電動義手や介助用リフターなどでは、就労・介護の状況に関する追加資料があります。必要書類は品目によって変わるため、申請書だけを送って手続きが完了したと思わず、不足資料の有無も確認してください。
立替払いと代理受領、自己負担の違い
| 支払い方・費用 | 確認する内容 |
|---|---|
| 本人が立て替える | 代金を支払い、領収書等を添えて所定の費用請求をする |
| 事業者に代理受領を委任する | 事業者が認められた費用を本人に代わって請求・受領する |
| 好みの材料・意匠などを追加する | 支給範囲を超える部分は本人負担になることがある |
代理受領を利用すれば、承認された費用について本人がいったん全額を用意する負担を抑えられます。ただし、どの店でも当然に利用できるとは限りません。見積書を「支給対象の費用」と「追加の本人負担」に分けてもらい、注文前に労働局と事業者の両方へ確かめます。
本人が支払った場合の請求には領収書が必要です。義肢・装具・姿勢保持装置・車椅子・電動車椅子では所定の内訳書、採型指導を受けた場合は医師の証明書なども添付します。見積書や納品書だけで領収書の代わりになると考えないでください。
壊れたときは、買替えと修理を分けて相談する
修理にも別の対象品目があります。人工内耳の音声信号処理装置は、購入品目と同じ扱いではなく、所定の修理費支給の対象です。修理できるか、部品交換で足りるかを、使用中の機器と症状を示して相談します。
耐用年数を過ぎた用具の再購入のほか、通常の使用で壊れ、修理不能または修理費が支給基準上の購入費を上回る場合など、耐用年数前でも検討される経路があります。故意の破損は別です。耐用年数が来れば希望品へ無条件に交換できる、という意味でもありません。
日常の使用に危険があるときは、まず事業者や医療機関へ使用継続の可否を確認し、破損状況の写真、修理見積、以前の支給通知を保管してください。採型や装着訓練のための受診交通費も支給対象になる場合があります。予約前に対象となる移動と請求資料を労働局へ尋ねると、後から証明できない事態を防げます。
不承認の場合は、通知に記された理由と不服申立ての案内を読み、障害・品目・修理範囲のどこが要件に合わなかったのかを確認します。別制度の助成を利用している場合も、同じ費用を二重に受け取らないよう、その支給内容を申請先へ伝えてください。
参照資料
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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

