情報確認日:2026年10月15日
仕事や通勤の災害で親が亡くなったり、重い障害などで労災年金を受けたりして、子の学費をまかなうことが難しい家庭は、「労災就学援護費」を申請できる場合があります。2026年度は小学生月1万6,000円、中高生等月2万1,000円、大学生等月3万9,000円が基本額です。年金とは別の申請が必要で、返還を要しない支援です。
労災年金の種類と、誰が在学しているかを確認する
この援護費は、労災保険の社会復帰促進等事業です。学校の授業料減免や、日本学生支援機構の奨学金とは別の制度になります。現行の労災保険法施行規則第33条では、学資等の支給が必要な状態にある次のような人を対象にしています。
- 遺族(補償)等年金の受給権者で、本人が所定の学校等に在学している人。
- 死亡した労働者に生計を維持されていた子が在学し、その子と生計を同じくする遺族(補償)等年金の受給権者。
- 障害等級1〜3級の障害(補償)等年金の受給権者で、本人が在学している人。
- 在学する子と生計を同じくする障害(補償)等年金の受給権者。
- 在学する子と生計を同じくし、傷病の程度が重篤な傷病(補償)等年金の受給権者。
業務災害だけでなく、複数業務要因災害や通勤災害の年金も含まれます。国民年金・厚生年金の遺族年金だけを受けているという事情では、この労災の支援対象にはなりません。
労災年金を受けていても自動支給ではなく、学資の支弁が困難であることなどの審査があります。年金給付基礎日額による支給制限や、既に援護費の対象になった人の扱いもあるため、初めて相談するときは年金証書・支給決定通知を示し、自分の年金の種類と在学者との関係を確認してください。
2026年度の月額と、学校区分の注意点
東京労働局の2026年4月1日現在の案内と現行規則では、在学者1人当たりの月額は次のとおりです。
| 学校等の区分 | 通学課程等 | 通信制課程 |
|---|---|---|
| 小学校等 | 1万6,000円 | ― |
| 中学校等 | 2万1,000円 | 1万8,000円 |
| 高等学校等 | 2万1,000円 | 1万8,000円 |
| 大学等 | 3万9,000円 | 3万円 |
例えば、支給対象となる小学生1人と、通信制ではない高校生1人がいる家庭なら、月額の合計は1万6,000円+2万1,000円=3万7,000円です。これは両者について支給要件を満たした場合の計算例で、学費の領収額をそのまま払い戻す計算ではありません。
高等専門学校は1〜3年と4・5年等で区分が変わります。専修学校も、高等課程・一般課程と専門課程・専攻科などで扱いが異なります。夜間・通信制、大学院、職業訓練などの場合は、学校名だけで判断せず、課程名・学年・修業年限を伝えてください。幼稚園は就学援護費の対象校に含まれませんが、未就学児には別の「労災就労保育援護費」を検討する余地があります。
申請する人が、在学証明などを監督署へ提出する
厚生労働省の支給手続の案内では、「労災就学等援護費支給(変更)申請書」を、原則として災害に係る事業場の所在地を管轄する労働基準監督署へ提出します。複数業務要因災害の場合などは、年金の支給決定をした監督署へ提出する扱いがあります。迷うときは年金の担当署に尋ねてください。
申請をするのは、その家庭の該当する年金受給権者です。子が在学しているからといって、子本人がいつも申請者になるわけではありません。遺族年金の受給権者が複数いる場合は、代表者の扱いも確認します。
準備する資料は、主に次のものです。
- 所定の支給・変更申請書。
- 在学証明書・在校証明書。専修学校や職業訓練等では修業年限・課程・訓練期間を証明する資料。
- 子との身分関係や同一生計を証明する資料。死亡当時の扶養関係等の証明が必要になる場合もある。
住民基本台帳情報の確認によって省略できる書類もあります。家族関係や在学者の年齢によって追加資料が変わるため、戸籍等を何通も取得する前に、監督署へ必要な組合せを聞くと負担を抑えられます。
入学時だけでなく、進学・休学・家族の変更も届ける
支給期間は、対象となる学校等の通常の修業年限が基本です。入学した月、労災年金の支給事由が生じた月、年金の支給が終わった月などの関係で開始・終了月が変わります。申請が遅れた場合も、自己判断で卒業まで待たず、過去分を含めていつから対象になるかを監督署へ相談してください。
休学・停学・留年、退学、対象の子の増減、婚姻などは支給の継続や金額に関係します。進学時には学校区分と支給額も変わることがあります。学校の証明を更新し、現在の在学状態を伝えます。
支払いは労災年金と合わせて行われます。また、原則として毎年6月に定期報告が必要で、東京労働局は提出期日を6月30日と案内しています。高校以上の在学証明など必要資料があるため、通知が届いたら学校へ早めに依頼してください。報告がないと支払いを一時止める扱いがあります。
日本学生支援機構などの奨学金を受けていることだけで、この援護費を減額する扱いではありません。一方、職業訓練中の技能修得手当など、同じ期間の給付によって対象外となる場合があります。併用する制度名と受給期間を担当署へ伝え、不支給の通知が来た場合は理由と不服申立ての案内を確認してください。
参照資料
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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

