情報確認日:2026年10月15日
東京都では、生殖機能に影響する対象のがん治療等を受ける人が、43歳未満などの条件を満たして卵子・精子等を凍結する場合、治療費の助成を受けられます。原疾患の主治医と温存治療の専門医による評価、指定医療機関での実施、研究への情報提供の同意が必要です。治療予定を聞いた段階で、主治医に温存治療と助成の相談をしてください。
がん治療等に備える制度。加齢への備えの卵子凍結とは別
制度名は「東京都若年がん患者等生殖機能温存治療費助成事業」です。生殖機能は、子どもを授かるための機能を指します。卵子・精子・胚などを凍結する温存治療、凍結更新、後に妊娠を目指す治療を支援します。東京都の制度全体
対象となる原疾患の治療には、所定の妊孕性低下リスクがあるがん治療のほか、造血幹細胞移植が行われる非がん疾患や、一定の薬剤が投与される非がん疾患もあります。病名が「がん」でないから直ちに対象外とは限りません。東京都の原疾患・治療の区分
加齢への備えの卵子凍結や、通常の不妊治療費助成とは別の制度です。費用の支援だけを見て原疾患の治療時期を変更せず、両方の医師に治療の安全性と日程を調整してもらいます。原疾患の治療中・治療後でも、医学的な必要性がある場合は対象となることがあります。
凍結保存時43歳未満、指定機関、医師の評価が必要
温存治療費の助成には、東京都内の住民登録、温存治療の実施時(凍結保存時)に43歳未満であること、対象の原疾患治療を受ける・受けたこと等の要件があります。
指定医療機関の生殖医療専門医と原疾患担当医が、温存治療による影響を評価し、生命予後への影響が許容されると認めることも条件です。また、国の研究事業への臨床情報提供に同意し、原則として指定のアプリへ登録します。
他の道府県で治療を受ける場合も、その道府県の指定医療機関かを確認します。健康保険を扱う病院ならどこでもよい、という条件ではありません。胚(受精卵)凍結では婚姻関係を確認する資料も必要です。
温存治療の上限は方法ごとに違う。卵子は30万円まで
東京都の現在の案内による、1回の助成上限額です。
| 温存治療等 | 1回の上限 |
|---|---|
| 精子凍結 | 5万円 |
| 精巣内精子採取術を伴う精子凍結 | 35万円 |
| 卵子凍結 | 30万円 |
| 胚(受精卵)凍結 | 40万円 |
| 卵巣組織凍結 | 70万円 |
| 卵巣組織再移植 | 60万円 |
上限まで一律に支給されるのではなく、対象治療に実際に支払った費用が基準です。医療保険適用外の費用が対象で、必要な検査や通常の入院料相当費用は含まれますが、差額ベッド代、食事代、文書料等は対象外です。東京都の対象費用・上限・回数
患者一人につき原則2回までで、卵巣組織凍結・再移植はそれぞれ1回までです。他の道府県での助成回数も合算します。同じ費用に他の助成を重ねたり、同一の一連の治療を方法別に切り離して上限を足したりはできません。
都の公式例では、同じ採卵周期で一部を胚、残りを未受精卵子として凍結した場合、1回の治療として上限40万円です。卵子30万円と胚40万円を足して70万円にはなりません。
2人の医師に、それぞれの証明書を依頼する
成人の患者は本人が申請者となり、未成年の場合は親権者が申請します。主な書類は次のとおりです。
- 生殖機能温存治療分の申請書。
- 温存治療の医師が記入する実施証明書。
- 原疾患の主治医が記入する受診等証明書。
- 申請前3か月以内の住民票の写し。個人番号の記載なし、コピー不可。
- 対象治療の領収書の写しと申請者名義の口座資料。
- 該当時は他院分の領収金額内訳証明書、胚凍結の婚姻関係資料。
「病院の証明書」を1枚頼むだけでは、原疾患と温存治療の両方の証明を満たさないことがあります。公式の様式をそれぞれの病院に見せ、必要日数・文書料を確認します。同じ原疾患の2回目では原疾患の証明を省略できる扱い等もあるため、最新の必要書類表を使ってください。
領収書の原本は自分で保管し、請求書やカード売上票だけを領収書の代わりにしないようにします。複数回の申請をまとめる場合も、申請ごとに資料を分けます。
期限は原則、対象費用を支払った年度の3月31日
東京都の温存治療費の申請は、対象費用の支払日が属する年度内です。例えば2026年度の支払いなら、原則2027年3月31日までの申請になります。一般不妊治療等の「治療開始から1年」など別制度の期限を使いません。
やむを得ない事情で年度内の申請が困難な場合は、翌年度に申請できる扱いがあります。遅れることが分かった時点で、期限前に都へ事情を相談してください。単に期限が自動延長されると考えて、証明書を待ったままにしないことが大切です。
凍結更新や妊娠のための治療には別の申請区分・条件があります。温存治療分を申請しただけで、将来の保管費・生殖補助医療が全て支給されるわけではありません。
書類は東京都へ郵送。結果通知後の振込も確認する
申請先は〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1、東京都保健医療局医療政策部医療政策課がん対策担当です。現在の案内は郵送申請で、問い合わせは03-5320-4389、平日9〜12時・13〜17時です。東京都の申請先・支給手順
書類不備等の連絡方法に配慮が必要な場合は、希望する発信者名や連絡方法等を記したメモを添えられます。提出書類は返却されないため、控えを残します。審査結果通知から振込までは約1か月が目安ですが、申請から必ず1か月で入金されるという意味ではありません。
参照資料
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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

