給付金を装う詐欺に注意|手口の見分け方と相談窓口

「還付金があります」「給付金の手続きが必要です」——そんな電話やSMS(ショートメッセージ)が届いたら、まず一呼吸置いてください。市区町村役場や年金事務所、税務署、金融機関が、電話やメールだけで還付金・給付金の手続きを求めることは基本的にありません。とくにATMでの操作を指示された場合、それは100%詐欺と考えて間違いありません。

警察庁の発表によれば、2026年(令和8年)は特殊詐欺の被害が過去最悪のペースで推移しており、還付金詐欺やなりすまし詐欺の手口も年々巧妙になっています。この記事では、給付金・還付金・年金を騙る詐欺の典型的な手口と、行政機関が絶対にしないこと、そして家族を守るための具体策・相談窓口をまとめました。ご自身のためだけでなく、離れて暮らす高齢のご家族と共有していただければと思います。

給付金・還付金詐欺とは何か

給付金・還付金詐欺とは、市区町村役場、税務署、年金事務所、健康保険組合、金融機関などの職員を装って電話やメール・SMSで連絡し、「医療費の払い戻しがある」「年金の未払い分がある」「税金の還付金がある」などと持ちかけたうえで、ATM操作や振込を誘導し、金銭をだまし取る手口の総称です。警察庁の統計では「還付金詐欺」として単独の類型に分類されており、特殊詐欺全体の中でも被害件数が多い手口のひとつです。

警察庁のまとめによると、令和8年(2026年)1〜3月の特殊詐欺全体の認知件数は11,093件、被害額は937.9億円で、前年同期比で2,576件・413.9億円の増加となっています。1日あたりの被害額も10.4億円(令和7年は8.9億円)に達しており、被害の勢いは衰えていません。手口別ではSNSを使った投資詐欺やニセ警察詐欺が金額として大きな割合を占めていますが、還付金詐欺は高齢者を中心に依然として多発しており、「自分は大丈夫」と思っている人ほど狙われやすい傾向があります。

よくある手口

1. 「還付金があります」というATM誘導型の電話

もっとも典型的なのがこのパターンです。

  • 「〇〇市役所の〇〇です。〇年分の医療費(または介護保険料、年金保険料)の還付金が〇万円あります」
  • 「今日中であれば特別に手続きができます」「通知を送ったはずだが期限が来ている」など、時間的な焦りを与える
  • 「近くのATMに行ってください。着いたら携帯電話からこの番号にかけてください」と誘導
  • ATMに着くと「銀行の職員」役の別人物が電話口で操作方法を指示し、実際には犯人の口座への「振込」操作をさせる

被害者は「還付金を受け取るための操作」と信じ込まされていますが、実際にはATMから犯人へお金を振り込まされているだけです。還付金の受け取りにATM操作が必要になることは絶対にありません。

2. 市区町村・年金機構・税務署をかたる不審な電話・SMS・メール

「日本年金機構です」「税務署です」「国民健康保険課です」などと名乗り、還付や給付の対象になっていると伝える手口です。近年はショートメッセージ(SMS)や、公的機関のロゴを使った偽メールも増えており、本物そっくりの文面で不安をあおるケースが目立ちます。

3. 個人情報・口座番号・キャッシュカードの暗証番号を聞き出す手口

「還付金の振込先を確認したい」「本人確認のため」などと称して、口座番号、キャッシュカードの暗証番号、マイナンバー、健康保険証番号などを電話やメールで聞き出そうとします。これらの情報は、後日別の犯人が「金融機関職員」や「警察官」を装って自宅を訪れ、キャッシュカードや現金そのものを受け取りに来る「受け子」による被害につながることもあります。

4. 「手数料を先に振り込めば給付金を受け取れる」という詐欺

「給付金〇〇万円をお支払いします。ただし事務手数料として先に〇万円を振り込んでください」という手口です。給付金や還付金を受け取るために、申請者側が先にお金を支払う必要のある制度は存在しません。「先に支払えば、後でもっと戻ってくる」という話は、金額の大小にかかわらず詐欺と考えてください。

5. 偽サイト・フィッシングリンク

SMSやメールに記載されたリンクから、マイナポータルや行政機関、金融機関そっくりの偽サイトに誘導し、ログインID・パスワードやクレジットカード情報を入力させて盗み取る手口です。フィッシング対策協議会も、マイナポータルや内閣府など公的機関をかたるフィッシングについて繰り返し注意喚起を行っています。本物のサイトと見分けがつきにくいケースもあるため、メールやSMSに記載されたリンクは開かず、公式サイトはブックマークや検索から自分でアクセスするのが基本です。

行政機関・金融機関が絶対にしないこと

以下は、市区町村役場、税務署、年金事務所、健康保険組合、金融機関が絶対に行わないことです。これらを求められた時点で、詐欺と判断して問題ありません。

  • 電話・SMS・メールでキャッシュカードの暗証番号を聞く
  • 電話やメールだけで還付金・給付金の手続きのためにATMへ行くよう指示する
  • ATMの操作(振込・残高照会など)を電話で指示する
  • 給付金・還付金を受け取るための「手数料」「保証金」の振込を求める
  • キャッシュカードや通帳、現金を自宅まで取りに来る、または宅配便で送るよう求める
  • 電話一本でマイナンバーや口座番号など重要な個人情報をすぐに答えるよう求める
  • 「今日中」「今すぐ」など、極端に短い期限を切って判断を急がせる

逆に言えば、本物の行政機関からの連絡は、原則として書面(郵送)による通知が基本であり、内容に疑問があれば自分で役所の代表番号を調べて確認する時間的余裕が必ずあります。

家族・高齢の親を守るためにできること

  • 「一人で判断しない」を家族の合言葉にする — 少しでも不審に感じたら、その場で即答せず、まず家族に電話で相談する習慣をつけておく
  • 知らない番号にはすぐ出ない・留守番電話を活用する — 固定電話は常に留守番電話設定にしておき、名乗った相手だけ折り返す
  • 迷惑電話防止機能付き電話機や録音装置を設置する — 通話が自動録音される電話機は、詐欺の抑止に効果があるとされています(お住まいの自治体で助成制度がある場合もあります)
  • ATMの利用限度額を低めに設定しておく — 万が一操作を指示されても、被害額を抑えられます
  • 金融機関の窓口・職員は、ATMの前で客に声をかけたり携帯電話で操作を指示したりしないことを家族で共有しておく
  • 定期的に詐欺の最新手口を話題にする — ニュースや自治体の広報で取り上げられた実例を家族で共有し、「うちにも来るかもしれない」という意識を持ってもらう

被害に遭った・遭いそうになったときの相談窓口

今まさに詐欺の電話中、または直後の場合

警察庁は、還付金詐欺について「ATMでお金が返ってくることは絶対にない」と注意喚起しています。電話の相手に言われた番号へかけ直したり、ATMを操作したりせず、いったん切って警察相談専用窓口#9110または消費者ホットライン188へ相談してください。固定電話への国際電話の着信拒否やATM利用限度額の引下げも、家族と一緒に事前に設定しておくと被害防止につながります。

  • 110番(警察) — お金を振り込んでしまった直後は一刻を争います。ためらわずすぐに警察へ通報してください。
  • 振込先の金融機関に連絡する — 振り込んでしまった場合は、振込先の金融機関(または自分の取引金融機関)のコールセンターに至急連絡し、口座凍結の手続きを依頼してください。「振り込め詐欺救済法」に基づき、被害回復の手続きが取られる場合があります。

「怪しいけれど、まだ被害には遭っていない」場合

  • 消費者ホットライン188(いやや!) — 局番なしの「188」に電話すると、お住まいの地域の消費生活センター・消費生活相談窓口につながります。給付金詐欺かどうか迷ったときの相談先として最適です。
  • 警察相談専用電話 #9110 — 緊急ではないが警察に相談したい場合の全国共通ダイヤルです。「これは詐欺の電話だったのでは」という相談にも対応してくれます。
  • 最寄りの警察署・交番 — 直接足を運んで相談することも可能です。

そのほかの窓口

  • お住まいの市区町村の消費生活センター
  • 年金に関する不審な連絡は、日本年金機構「ねんきん加入者ダイヤル」などで真偽を確認
  • クレジットカード情報を入力してしまった場合は、カード会社にも速やかに連絡

確認しておきたいポイント

  • 電話の相手が名乗った所属先に、自分で調べた代表番号からかけ直して確認したか
  • ATMの操作を指示されていないか
  • キャッシュカードの暗証番号や口座番号を電話・メールで聞かれていないか
  • 「手数料」「保証金」などの振込を求められていないか
  • 「今日中」「今すぐ」など、判断を急がされていないか
  • SMSやメールに記載されたリンクを安易にタップ・クリックしていないか
  • マイナンバーや健康保険証番号など、重要な個人情報をその場で答えていないか
  • 一人で判断せず、家族や周囲の人に一言相談したか

結び

給付金・還付金詐欺は、「自分は騙されない」と思っている人ほど、実際の電話を受けたときにとっさに判断できず、被害に遭いやすいという指摘もあります。大切なのは、手口の詳細をすべて覚えることではなく、「ATM操作を求められたら詐欺」「先にお金を払えと言われたら詐欺」というシンプルな原則を、いざというときに思い出せるようにしておくことです。ご自身はもちろん、離れて暮らすご家族とも、この記事の内容をぜひ一度話題にしてみてください。少しでも不安なことがあれば、一人で抱え込まず、消費者ホットライン188や警察相談専用電話#9110へ気軽に相談することをお勧めします。

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公的資料

次に確認すること

制度は、対象・金額・期限・申請先の4点がそろって初めて動けます。次のページで残りを確認してください。

迷ったときの相談先

最終的な支給の可否・金額は、お住まいの市区町村の窓口、年金事務所、ハローワークなどの公的機関が判断します。当サイトは公式情報をもとに整理していますが、申請前に必ず窓口でご確認ください。制度の内容は変更されることがあります。

この記事の調査・編集について

調査・執筆・編集確認:カネさん(給付金プラス運営者)

2021年3月から、給付金・助成金・公的支援制度の情報発信を行っています。記事は、制度の実施機関が公開する案内・募集要項・申請書、所管省庁の法令・通知・公表資料、実施機関の公式FAQを確認して作成しています。AIは調査と構成の補助に使うことがありますが、公開前に運営者が公式資料と照合しています。

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