情報確認日:2026年10月14日
日本国籍がなく、日本の公的年金を脱退して国内の住所をなくした人は、原則2年以内に脱退一時金を請求できます。国民年金の納付済期間等または厚生年金の加入期間が6か月以上で、老齢年金の10年の資格期間を満たしていないなどの条件が必要です。受給すると、請求前の日本の年金加入期間はすべて年金の計算から外れます。
一時金を受け取る前に、再来日や社会保障協定による将来の年金も検討してください。5年分を上限に支払われても、5年を超えた加入期間だけ残る仕組みにはなっていません。
出国だけでなく、年金資格と住所の条件がある
対象となるのは日本国籍を有しない人です。日本の公的年金の被保険者でなく、国内に住所がないことが必要です。障害年金などを受ける権利を持ったことがある場合や、老齢年金の受給資格期間を満たす場合は対象になりません。
国民年金では、保険料を納めた期間等が合計6か月以上必要です。未納期間は入りません。一部免除を受けて残りを納めた期間は、免除の種類に応じた割合で合算します。厚生年金は、加入期間等の合計6か月以上が条件です。別々の制度を単純に合計して「国民年金も6か月」とは判定しません。
期限の基本は、最後に公的年金の資格を失った日から2年です。その日に国内の住所があった場合は、その後初めて国内に住所を有しなくなった日から2年となります。帰国予定日だけで数えず、資格喪失日と転出日を年金事務所で確認します。日本年金機構の支給条件に起算の違いが示されています。
将来の年金と交換になる点を先に判断する
老齢年金の資格期間は、国民年金・厚生年金等や、要件を満たす合算対象期間を含めて判断します。母国との社会保障協定で年金加入期間を通算できる場合もあります。通算した結果10年に達するなら、脱退一時金を請求できない場合があります。
受給すると、請求前の日本の加入期間はすべてなくなり、その期間を将来の日本の年金や協定の通算に使えなくなります。公式の例では90か月加入していた人も、支給額は上限60か月分で、残り30か月を年金の記録として残すことはできません。
帰国後に日本へ戻る予定、協定国での加入歴、将来の老齢年金の見込みを、請求前に年金事務所へ伝えて相談します。請求書に付属する公式注意事項は日本語と外国語でこの点を説明しています。
金額は国民年金と厚生年金で計算が違う
国民年金は、最後に保険料を納めた月の年度の保険料額と、納付済期間等の区分で計算します。最後の納付月が2026年4月〜2027年3月の場合の例は次のとおりです。
| 納付済期間等 | 国民年金の脱退一時金 |
|---|---|
| 6か月以上12か月未満 | 53,760円 |
| 12か月以上18か月未満 | 107,520円 |
| 36か月以上42か月未満 | 322,560円 |
| 60か月以上 | 537,600円 |
これは2026年度に申請した人全員の金額ではありません。最後の納付月が別年度なら、その年度の表を使います。最後の納付月が2021年3月以前だけの場合は、計算上の上限が36か月となります。
厚生年金は、加入期間中の平均標準報酬額に所定の支給率を掛けます。標準賞与額も計算に関わり、手取り給与の合計をそのまま掛けるものではありません。最終月が2021年4月以降なら、支給率計算の月数の上限は60か月です。国民年金の表を会社員の厚生年金に流用しないでください。
本人名義の口座と請求書類を準備する
必要書類の中心は、脱退一時金請求書、パスポートの指定ページの写し、国内に住所がないことを確認する資料、本人名義の銀行口座の確認資料、基礎年金番号が分かる資料です。代理人が手続きする場合は委任状も必要です。
帰国前に転出届を提出していれば、住所がないことの確認資料が省略できる場合があります。ただし、古い加入記録でアルファベット氏名を確認できない場合などは別途資料を求められます。再入国許可を持って出国する人も、転出届の有無で扱いが変わるため、事前に確認します。
口座は請求者本人の名義で、受取可能な金融機関であることが必要です。ゆうちょ銀行と一部のインターネット専業銀行では受け取れません。国内口座の場合はカタカナ名義の登録も条件です。銀行名、支店名・所在地、口座番号、名義が確認できる証明を銀行に依頼します。
国民年金・厚生年金のみの加入なら、日本年金機構へ郵送または所定の電子申請で提出します。共済組合等の期間がある場合は、加入先と国民年金の期間等で提出先が変わります。請求手続きの公式案内で確認し、提出書類の控えと発送記録を残してください。
厚生年金の源泉徴収と、帰国後の連絡
非居住者に支払う厚生年金の脱退一時金には、支給時に20.42%の税金が源泉徴収されます。国民年金の脱退一時金は源泉徴収されません。厚生年金の税金は、所定の申告で還付を受けられる場合があります。
帰国前に、日本で最後に住んでいた場所を管轄する税務署へ納税管理人の届出や申告方法を相談します。帰国前に届出をしなかった場合は、申告時に併せて届ける方法も公式案内にあります。年金の請求代理人と、税務手続きの納税管理人は役割が異なります。
支給決定通知書は還付手続きにも使うため保管します。住所や送金先に変更があれば、処理中の請求について年金機構へ連絡してください。税金が必ず全額戻る、という前提で受取額を決めず、年金と税務の両方の条件を確認してから請求を選びます。
参照した公式資料
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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

