この記事の情報基準日:2026年10月8日
3行でわかる結論
- 2027年1月から、所得税に1%を上乗せする「防衛特別所得税」が始まります。
- 同時に、今ある「復興特別所得税」を2.1%から1.1%に下げるので、合計は2.1%のまま。当面の手取りは変わりません。
- ただし復興特別所得税は10年延長され、防衛特別所得税には終わりの年がありません。長い目で見ると負担が続く仕組みです。
まず「復興特別所得税」から
2011年の東日本大震災のあと、被災地の復興に使うお金を集めるため、所得税に2.1%を上乗せする税金が作られました。これが「復興特別所得税」です。
ここでいう「2.1%」は、年収の2.1%ではありません。計算した所得税の額に対しての2.1%です。所得税が年10万円の人なら、復興特別所得税は2,100円です。もともとは2037年までの予定でした。
何が変わるの?
国は、防衛力を強めるためのお金を確保する方法として、法人税・たばこ税・所得税の3つを使うと決めていました。所得税については始める時期が先送りされていましたが、2027年1月からと決まりました。
やり方は「入れかえ」です。
| 期間 | 復興特別所得税 | 防衛特別所得税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 2026年まで | 2.1% | なし | 2.1% |
| 2027年〜2037年 | 1.1% | 1% | 2.1%(変わらない) |
| 2038年〜2047年 | 1.1%(延長された分) | 1% | 2.1%(以前の予定では0%) |
| 2048年以降 | なし | 1%(当分の間) | 1% |
つまり、「いま払っている分の中身が変わるだけ」なのが2037年までです。そのあとは、本来なら終わっていたはずの負担が続くことになります。
身近な例で考えると
部活の部費でたとえてみましょう。
毎月210円の部費を「合宿用」として集めていて、「卒業まで(2037年まで)で終わり」と約束していました。ある年から、そのうち100円を「新しい用具用」に振り向けることになりました。毎月の支払いは210円のままです。
でも合宿用のお金が足りなくなるので、集める期間が延長されます。さらに用具用の100円は「いつ終わるか決めていない」…これが今回の仕組みのイメージです。
だれが払うの?どうやって?
- 所得税を払っている人が対象です。所得税が0円の人は、防衛特別所得税も0円です
- 会社員は、会社が毎月の給料から所得税といっしょに引きます(自分で手続きする必要はありません)。国税庁は2026年8月31日に、これを含めた2027年分の源泉徴収税額表を公表しています
- 自営業の人は、2027年分の確定申告(2028年春)から計算に含まれます
2026年は「178万円の壁」で所得税が0円になる人が増えました。そういう人には、防衛特別所得税もかかりません。
法人やたばこはどうなるの?
防衛力強化のための税金は、所得税だけではありません。
- 会社(法人税):2026年4月以降に始まる事業年度から、法人税の額が500万円を超える会社に上乗せ(小さな会社の多くは対象外)
- たばこ:加熱式たばこの課税の見直しを経て、2027年4月から段階的に引き上げ
政府は、2027年度以降、防衛力を維持するために毎年約4兆円の追加のお金が必要だとしています。その一部をこれらの税金でまかなう計画です。
論点になっていること
- 賛成の意見:安全保障のためのお金は、借金ではなく今の世代の税金で支えるべきだ
- 反対・懸念の意見:復興のための税金を防衛に回すような形はわかりにくく、「実質的な増税を目立たなくしている」のではないか
どちらの考えもあります。大事なのは、「当面は変わらない」と「長い目では負担が続く」の両方を知っておくことです。
まとめ
2026〜2027年は、「178万円の壁」や「食料品の消費税1%」のような減税と、「防衛特別所得税」や「子ども・子育て支援金」のような新しい負担が、同じ時期に動いています。片方だけを見るのではなく、両方を並べて「自分の家は全体でどうなるか」を考えると、ニュースの見方が変わります。
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参考資料
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日閣議決定)
- 国税庁「令和9年分 源泉徴収税額表」の公表(PSRネットワークによる紹介)
- 第一生命経済研究所「【1分解説】防衛特別所得税とは?」
- 共同通信「防衛増税は27年1月から」
更新履歴:2026年10月8日 公開

