この記事の情報基準日:2026年10月8日
3行でわかる結論
- 2026年(1月〜12月)の給料から、所得税がかかり始める年収が160万円から178万円に上がりました。法律は2026年3月31日に成立済みです。
- 会社員やパートで働く人は、2026年12月の年末調整でまとめて反映され、税金が戻ってくる人もいます。
- ただし「社会保険の壁(106万円・130万円)」や「住民税のライン」は別のルールです。
そもそも「年収の壁」ってなに?
年収(1年間のお給料の合計)がある金額を超えると、税金や保険料がかかり始める「境目」のことです。
たとえば、お小遣いが月ごとに決まっていて、「それを超えたら家に少し入れてね」と言われたら、その金額が「壁」になりますよね。壁の手前で働く時間を減らす人が多かったため、人手不足の原因のひとつとも言われてきました。
なぜ178万円なの?「控除」の足し算でできています
所得税は、稼いだお金ぜんぶにかかるわけではありません。「ここまでは計算に入れない」と先に差し引く金額があり、これを控除(こうじょ)といいます。税金の「割引券」のようなものです。
お給料だけで暮らす人には、次の2枚の割引券があります。
- 基礎控除:だれでも使える割引券
- 給与所得控除:お給料をもらう人の「必要経費」の代わりの割引券
この2枚の合計より年収が少なければ、所得税はゼロです。この合計が、そのまま「壁」になります。
| 年分 | 基礎控除(最大) | 給与所得控除(最低) | 合計=壁 |
|---|---|---|---|
| 2024年分まで | 48万円 | 55万円 | 103万円 |
| 2025年分 | 95万円 | 65万円 | 160万円 |
| 2026年分 | 104万円 | 74万円 | 178万円 |
2026年分の「18万円アップ」は2つの部分に分かれます。
- 物価が上がった分に合わせた引き上げ(基礎控除と給与所得控除をそれぞれ4万円)
- 政策としての上乗せ(基礎控除の特例を5万円、給与所得控除に5万円)
2つ目の上乗せは2026年・2027年の期間限定とされています。また、基礎控除の上乗せは収入が多い人ほど小さくなるので、「最大104万円」は年収が低めの人の場合です。
いつ、どうやって反映されるの?
会社は毎月のお給料から所得税を少しずつ引いています(源泉徴収)。2026年は、会社のシステム変更の負担を減らすため、毎月の引き方は変えず、年末調整でまとめて精算する仕組みです。
年末調整は、「1年分の税金を正しく計算し直して、引きすぎた分を返す」手続きです。多くの会社では12月か1月のお給料で戻ってきます。
計算例として、パートで年収170万円(ほかに収入なし、控除は基礎控除と給与所得控除だけ)の場合を見てみます。
- 2025年分のルールなら:160万円を超えた10万円に5%と復興特別所得税がかかり、所得税は年約5,100円
- 2026年分のルールなら:178万円以下なので、所得税は0円
実際には社会保険料控除なども引かれるので、もっと少なくなることもあります。自分の金額は、年末調整のあとにもらう源泉徴収票で確かめられます。
注意!「壁」はほかにもあります
178万円は、あくまで所得税の壁です。ほかの壁は別のルールで動いています。
- 住民税:都道府県と市区町村に納める税金です。内閣官房の資料では、一人暮らしの人の住民税(所得割)は給与収入119万円を超えるとかかり始めるとされています。
- 社会保険の壁(106万円・130万円):勤め先の健康保険・厚生年金に入るラインや、家族の扶養から外れるラインです。保険料は税金より金額が大きくなりやすいので、手取りへの影響はこちらのほうが大きいことがあります。
- 家族の扶養控除:子どもがアルバイトをするときに、親の税金に影響するラインです。高校生や大学生のアルバイトは、こちらもあわせて確認しましょう。
「178万円まで働いても大丈夫」と思い込む前に、自分がどの壁に関係するのかを確かめるのが大切です。
まとめ
所得税の壁は、2年連続で大きく上がりました。2026年分は178万円で、年末調整でまとめて反映されます。ただし上乗せの一部は2027年までの期間限定で、保険の壁や住民税は別ルールです。年末に届く源泉徴収票を一度じっくり見てみるのが、いちばんの勉強になります。
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参考資料
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日閣議決定)
- 内閣官房「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」(住民税の非課税限度額の注記)
- 参考:山田&パートナーズ「年収の壁の引上げ~2026年度税制改正大綱」
更新履歴:2026年10月8日 公開

