この記事の情報基準日:2026年10月8日
3行でわかる結論
- 2027年4月から、中くらい・少なめの収入で働く人に、収入に応じたお金を配る新しい制度が始まる予定です。
- 1年に1回、住んでいる市区町村から振り込まれ、公金受取口座を登録していれば原則として申請不要の仕組みにする方針です。
- ただし金額も、どの年収の人が対象かも、まだ決まっていません(2026年10月8日時点)。
ひとことで言うと
「働いているのに、税金や社会保険料を引かれると手元にあまり残らない」という人に、国がお金を足す仕組みです。
社会保険料とは、病気や老後に備えてみんなで積み立てるお金(健康保険料や年金保険料など)のことです。お給料が少なめの人ほど、この負担が重く感じやすいのが課題でした。
もうひとつの狙いは「働き控え」を減らすことです。パートで働く人が、年収が一定額を超えると保険料がかかって手取りが減るため、わざと働く時間を減らすことがあります。この「年収の壁」を越えても損をしにくくするための上乗せも用意される予定です。
どうしていま始まるの?
この制度は、食料品の消費税を8%から1%に下げる計画とセットです。残る「1%分」をこの給付金でお返しし、食料品の消費税を「実質ゼロ」にする、という組み立てです。
さらに先には、「給付付き税額控除」という大きな制度があります。税金を安くするだけでなく、税金が少ない人には現金も渡す仕組みです。政府は今回の支援金をその「第一歩」と位置づけ、2029年度(令和11年度)に本格導入するとしています。
| 時期 | 予定 |
|---|---|
| 2026年9月15日 | 大綱(制度の設計図)を閣議決定 |
| 2026年10月〜12月 | 臨時国会で法案を審議(未成立) |
| 2027年4月 | 支援金を導入(食料品の消費税1%と同時) |
| 2027年度・2028年度 | 「つなぎ」期間。支援金の総額は食料品の消費税1%分の範囲 |
| 2029年度 | 本格導入(2029年4月に半年分を先に支給する予定) |
だれがもらえるの?
家族単位ではなく、1人ひとり単位で判定します。2027年度・2028年度は、次の3つをすべて満たす人が対象です。
- 働いて得た収入(給料など)が、ある金額(所得下限額)より多い
- 収入全体が、ある金額(所得上限額)より少ない。上限は16歳未満の子どもの人数によって変わる
- 税金・社会保険料を、現役世代なみに負担している(年金を受け取っている分は差し引いて考える)
3つ目があるので、年金だけで暮らしている人は基本的に対象外です。一方で、働いていて現役世代と同じくらい負担している高齢の方は対象になり得ます。
「ある金額」が具体的にいくらになるかは、まだ決まっていません。なお、2029年度の本格導入からは「配偶者の収入が一定額以下」という条件も加わる予定です。
いくらもらえるの?(決まり方の「形」だけわかっています)
金額そのものは未定ですが、大綱で「決め方の形」は示されています。山の形(台形)を思い浮かべるとわかりやすいです。
- 登り坂:収入が少ないうちは一定額。住民税がかかり始めるあたり(一人暮らしなら給与収入119万円)を超えると、働いた分だけ少しずつ増える
- てっぺんの平らなところ:ある収入に達したら一定額(支援基本額)
- 下り坂:収入が多くなると少しずつ減っていき、上限を超えるとゼロ
- 上乗せ:16歳未満の子どもがいれば「こども加算」。年収の壁で保険料が増えた人には「就業促進特例加算」
「働けば働くほど、最初のうちは給付も増える」のが大事なポイントです。これによって、少し多く働いたら損をする、という状態を減らそうとしています。
金額は1,000円単位で、税金はかかりません。2027年度・2028年度は、支援金全体の費用を「食料品の消費税1%分」の範囲に収めるとされています。報道では、その規模は年約6,000億円と伝えられています。
どうやって受け取るの?
- 毎年1月1日に住んでいる市区町村が、対象かどうかと金額を決めます
- 公金受取口座を登録している人は、市区町村が自動で認定するのが原則(申請書や通帳のコピーが不要)
- 支給は年1回。決定から2か月以内に振り込まれます
- 国はコールセンターや、自分で支援額を計算できるウェブサイトを用意する予定です
大綱では、税金がかからない人も「確定申告をしてほしい」と呼びかけるとしています。収入の情報が市区町村に届いていないと、正しく判定できないからです。今のうちにできる準備は、公金受取口座の登録状況を確かめておくことくらいです。
対象にならない人はどうなるの?
働いていない高齢者や、病気・障害で働くのが難しい人は、この支援金では対象から外れやすい仕組みです。大綱では、こうした人への対応を別に検討するとしています。働くのが難しい人への対応は2028年度中に結論を出し、働いていない高齢者については2030年までに結論を出す予定です。
生活保護を受けている人がこの支援金を受け取った場合は、収入として扱われるとされています。
決まったこと・まだ決まっていないこと
| 項目 | 状態(2026年10月8日) |
|---|---|
| 制度の名前・始まる時期(2027年4月) | 政府方針として決定 |
| 市区町村が年1回支給、口座登録者は原則申請不要 | 政府方針として決定 |
| 法律 | 未成立(臨時国会で審議予定) |
| 1人あたりの金額 | 未定 |
| 対象になる年収の下限・上限 | 未定 |
まとめ
就業者負担軽減支援金は、「働いているのに手取りが少ない」人を支えるための、日本では新しいタイプの給付金です。金額が決まるのはこれからなので、「いくらもらえる」と断言する情報には注意しましょう。給付金を装った詐欺も増えやすいので、市区町村が手数料やATM操作を求めることはないと覚えておいてください。
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参考資料
- 内閣官房「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」(2026年9月15日閣議決定)
- 内閣官房 事務連絡「「就業者負担軽減支援金」の導入について」(2026年9月15日)
- 報道:共同通信「自民、消費税1%大綱了承」(2026年9月11日)
更新履歴:2026年10月8日 公開

