持ち家や車がある場合も、生活保護の相談や申請はできます。一方で、申請できることと、その資産を持ち続けながら保護を受けられることは別の判断です。住んでいる家、車の用途、収入や他の資産を福祉事務所へ伝え、個別に確認する必要があります。
情報確認日:2026年10月12日。最初に相談する先は、現在住んでいる地域を担当する福祉事務所です。売却の必要性や時期を自己判断する前に、生活状況を説明しましょう。
資料が全部そろっていなくても申請できる
厚生労働省は、生活保護について、持ち家があっても申請できること、必要書類がそろっていなくても申請できることを案内しています。また、同居していない親族に相談してからでなければ申請できない、という条件でもありません。
今日の食費や住まいに困っているなら、資料を完璧にそろえることを優先して相談を遅らせないでください。持参できるものを用意し、不足しているものは窓口で伝えます。
実際に住んでいる持ち家は個別に確認する
生活保護では、活用できる資産を生活のために使うことが基本です。ただし、厚生労働省は、居住用の持ち家について保有が認められる場合があるとしています。「家があるから必ず対象外」「住んでいる家なら必ず持てる」のどちらも、一律には判断できません。
住宅ローンが残っている場合は、保護費でローンを返しながら受給できると考えないでください。厚生労働省の取扱いでは、保護費が返済に回ることになるため、ローン完済前の住宅を保有する人への保護適用は原則として行うべきではないとされています。ただし、これは相談や申請ができないという意味ではありません。
残債、返済状況、住まいの確保を福祉事務所に伝え、必要な対応を個別に相談します。
出典:厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第3。
参照:厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」(第3・問9、問9-2、問12、問14)
車は「必要な理由」を具体的に説明する
車は原則として処分・活用の対象になりますが、通勤、通院などの事情で例外的に保有が認められる場合があります。用途だけでなく、公共交通機関を使えるか、他の移動手段があるか、維持費なども関係します。
「地方だから必要」「仕事を探しているから大丈夫」といった説明だけで、保有が決まるわけではありません。勤務先や病院までの距離、バス・電車の運行、身体の状況、利用頻度などを具体的に伝えましょう。保有が認められた場合の使用条件も確認します。
求職中に車の処分が一時的に保留される場合も、自由に使用してよいという意味ではありません。処分の保留、保有の容認、使用できる目的を分けて確認してください。
出典:厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第3。
相談前に分かる範囲で用意するもの
- 生活状況:今使えるお金、次の収入日、食費・光熱費・医療費の不足。
- 住宅:所有者や居住状況が分かる資料、ローン残高・返済額が分かるもの。
- 車:車検証、ローン・保険料・維持費の資料、通勤・通院で使う事情。
- 収入と資産:通帳、給与・年金等の資料、他の不動産や保険等の情報。
これは相談を整理するための準備例です。全項目が申請前の必須書類という意味ではありません。資料が手元にない場合は、その事情を窓口に説明します。
福祉事務所で確認したい4つのこと
- 現在の生活状況で、申請と緊急の相談をどう進めるか。
- 住んでいる家の扱いと、判断のために必要な資料。
- 車の保有・使用が認められる可能性と確認事項。
- 追加資料の提出方法、次回相談日、担当窓口。
申請の意向がある場合は、そのことを窓口で明確に伝えます。相談日、説明した内容、求められた資料を短く記録しておくと、次のやり取りを進めやすくなります。
よくある疑問
先に家や車を売るべき?
資産活用の判断と、当面の住まい・移動手段の確保を一緒に相談してください。自分の事情で保有が認められるか、必要な対応は何かを確認してから具体的な手続きを整理します。
家があれば預貯金などは調べられない?
住宅だけで決まる制度ではありません。世帯の収入や他の資産なども確認されます。住宅・車・収入を分けて整理し、窓口には分かる範囲の全体像を伝えましょう。


