介護サービスの支払いが重いときは、「社会福祉法人等による利用者負担軽減」の対象か確認してみましょう。自治体の認定に加え、利用する法人が制度に参加し、対象サービスを提供していることも必要です。住民税非課税というだけで、すべての介護費が自動的に安くなる制度ではありません。
情報確認日:2026年10月12日。この記事では大阪市・福岡市の公式案内を例に説明します。条件や対象サービスは、お住まいの自治体と利用事業所で確認してください。
何を軽減する制度?
低所得で生計が困難な方について、制度に参加する社会福祉法人等が、対象となる介護サービスの利用者負担を軽減する仕組みです。大阪市・福岡市の案内では、対象費用の原則4分の1を軽減します。福岡市の案内では、原則25%を軽減し、老齢福祉年金受給者は50%を軽減します。ここでいう老齢福祉年金は、一般的な老齢基礎年金・老齢厚生年金とは別の年金です。
食費・居住費も関係する場合がありますが、施設やサービスの種類、負担限度額認定の有無などに条件があります。請求書の全額が4分の1減ると考えず、どの費目が軽減対象になるかを確認しましょう。
出典:大阪市「社会福祉法人等による利用者負担軽減制度」、福岡市「社会福祉法人等による利用者負担軽減制度」
非課税に加え、収入・預貯金などの条件がある
大阪市の主な条件は、世帯全員が市町村民税非課税であることに加え、収入や預貯金等が基準内で、活用できる資産などにも条件があることです。扶養の状況や介護保険料の滞納も確認されます。
大阪市では、養護老人ホームに入所していないことも条件です。世帯の非課税・収入・預貯金だけで可否を判断せず、すべての要件を申請窓口で確認してください。
大阪市の例では、単身の年間収入は150万円以下、預貯金等は350万円以下が基準です。世帯員が増える場合の加算もあります。これは大阪市の案内を使った例なので、自分の自治体の申告書で、対象となる収入や資産、世帯の範囲を確認してください。
大阪市では、障害年金・遺族年金など非課税の収入や仕送りも申告対象です。税金がかからない収入を自己判断で除かず、世帯員全員の収入を窓口の案内に沿って記入します。
生活保護受給者についても、対象費用を限定した別の扱いがあります。「この制度があれば生活保護受給者の介護費が全部無料」とは判断できません。
申請と、事業所の参加確認をセットで進める
- 自治体の介護保険窓口で、利用者負担軽減の条件と申請書を確認する。
- ケアマネジャーや事業所へ、利用する法人・サービスが対象か尋ねる。
- 収入・預貯金などの資料をそろえて申請する。
- 認定後の確認証を事業所へ提示し、請求額への反映を確認する。
福岡市は事前申請を案内しています。利用してから必ずさかのぼって安くなるとは限りません。開始予定日が分かる場合は先に相談し、すでに支払いに困っている場合も、適用開始日と手続きの順番を窓口で確認します。
相談に持っていく資料
大阪市の案内では、申請書・収入申告書、介護保険被保険者証、年金支払通知等の収入資料などが必要です。追加資料は個別の状況により異なります。
- 介護保険被保険者証と、利用者負担割合が分かるもの。
- 直近の請求書や、これから使うサービスの見積り。
- 年金・給与など、世帯の収入を説明できる資料。
- 預貯金等と、同居・扶養の状況を説明できる資料。
請求書を使って「サービスの自己負担」「食費」「居住費」「その他の費用」を分けると、どの制度を確認するかが分かりやすくなります。
高額介護サービス費や食費・居住費の軽減との違い
- 社会福祉法人等の軽減:参加法人・対象サービス・生活状況を確認し、対象費用を軽減します。
- 高額介護サービス費:介護サービスの自己負担に上限を設ける制度です。請求書全体が対象とは限りません。
- 負担限度額認定:対象施設・短期入所の食費や居住費の負担を軽くする制度です。
同じ「介護費の支援」でも、対象費用と申請は別です。複数の認定が関わる場合の計算や順番は、自治体へ確認しましょう。
窓口でそのまま使える確認メモ
「この事業所のこのサービスは軽減対象ですか。私の世帯で必要な資料と適用開始日はいつですか。食費・居住費は負担限度額認定も必要ですか。確認証はいつ更新しますか」と、請求書や見積りを添えて尋ねてください。


