制度情報を確認した日:2026年10月8日。
介護休業給付金は、雇用保険の被保険者が介護休業を取ったときに、休業中の賃金の一部を補う制度です。家族の介護のために休む間の収入を支えます。対象家族1人につき通算93日まで、3回までに分けた休業が支給対象になります。
勤務先への休業の申出と、給付金の申請は別の手続きです。会社を休むためには育児・介護休業法の介護休業を申し出て、お金を受け取るためには雇用保険の介護休業給付金を申請します。この記事では、給付金の対象・金額・期限を説明します。
退職を決める前に、勤務先へ介護休業と給付を相談する
支給額は休業前賃金の原則67%です。離職を決める前に、休業の対象になるか、勤務先への申出と給付金の申請を誰が進めるか確認してください。
| 勤務先に尋ねること | 家計に関わる確認 |
|---|---|
| 今回の休みを介護休業として取得できるか | 開始日・終了日、同じ家族について残っている日数・回数 |
| 休業中に会社から賃金が出るか | 賃金と給付の調整後の額。賃金が80%以上なら不支給 |
| 給付の申請担当者と提出予定日 | 必要書類、申請期限、振込までの生活費 |
| 健康保険・厚生年金の本人負担をどう納めるか | 介護休業には育児休業と同じ社会保険料免除がない |
給付金の見込額だけで生活費を決めず、社会保険料や住民税の支払いも勤務先へ確認してください。支給前の生活費が苦しいときは、市区町村の生活困窮相談窓口で給付・軽減・貸付を併せて相談できます。
申請前に、対象・金額・期限を確認する
| 確認項目 | このページで確認すること |
|---|---|
| 対象 | 雇用保険の被保険者(一般被保険者・高年齢被保険者)で、対象家族の介護のために介護休業を取得した方。原則として休業開始前2年間に賃金支払基礎日数11日以上の月が12か月以上あることが必要です。 |
| 対象外・注意点 | 休業中に休業開始前1か月あたり賃金の8割以上が支払われている場合や、就業日数が1か月ごとの期間で10日を超える場合は支給されません。自営業・フリーランスなど雇用保険に加入していない方は対象外です。 |
| 支援内容・金額 | 原則、休業開始時賃金日額×支給日数×67%。1か月あたりの上限額は36万6,222円です(2026年8月1日改定)。 |
| 期限 | 各介護休業の終了日(休業が3か月を経過したときは3か月経過日)の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日まで。 |
| 申請先 | 原則、勤務先(事業主)を経由して、事業所の所在地を管轄するハローワークへ。本人が自ら申請することも可能です。 |
| 必要書類 | 介護休業給付金支給申請書、介護休業申出書、対象家族との続柄が確認できる書類(住民票記載事項証明書等)、出勤簿、賃金台帳など。 |
| 相談先 | 勤務先の人事労務担当、事業所を管轄するハローワーク。 |
| 区分 | 給付(雇用保険の給付)。貸付ではありません。 |
雇用保険に加入して介護休業を取る人が対象
対象は、雇用保険の被保険者(一般被保険者・高年齢被保険者)です。加入しているかに加え、次の条件を確認してください。
- 原則として、介護休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あること(満たない場合、賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上の月で判定できる場合があります)
- 休業中の各1か月ごとに、休業開始前の1か月あたり賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと
- 就業している日数が、1か月ごとの期間(支給単位期間)ごとに10日以下であること
介護休業給付は、休業後の職場復帰を前提にした給付です。休業開始時点で、休業終了後の退職をすでに予定している方は対象になりません。
有期契約で働く方は、介護休業開始予定日から93日を経過する日を起点に、その6か月後までに契約が満了することが明らかでないことも必要です。更新する場合は、更新後の契約について確認します。
休業終了日を含む1か月未満の期間は、就業日数が10日以下であることに加え、全日休業した日が1日以上必要です。支給単位期間の途中で離職した場合、その期間の給付は受けられません。
対象になる家族の範囲
負傷、疾病または身体上・精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態にある次の家族が対象です。
- 配偶者(事実上の婚姻関係と同様の事情にある方を含む)
- 父母(養父母を含む)、配偶者の父母(養父母を含む)
- 子(養子を含む)
- 祖父母、兄弟姉妹、孫
対象となる介護の状態は、要介護認定の有無だけでは判断できません。認定を受けているかと、給付金の要件を満たすかを分けて、勤務先またはハローワークへ確認してください。
病院の退院日が迫るなど、休業が必要な時期を勤務先に伝え、対象の状態と必要資料を確認してください。厚生労働省の介護休業制度案内
支給額|賃金の67%、月の上限は36万6,222円
支給額は、1か月ごとに区切った期間について、原則として次の式で計算します。
休業開始時賃金日額 × 支給日数(原則30日) × 67%
休業終了日を含む期間の支給日数は、その期間の初日から休業終了日までの日数です。ほかの期間は原則30日として計算します。
計算に使う一日あたりの賃金は、原則として介護休業開始前6か月の賃金を180で割った額です。これを「賃金日額」といいます。30日を掛けた「賃金月額」には、上限と下限があります。
計算に使う賃金は、保険料などを引く前の総支給額で、賞与は除きます。手取り額に67%を掛ける計算とは異なります。厚生労働省の介護休業給付Q&A
| 項目 | 金額(2026年8月1日改定) |
|---|---|
| 賃金月額の上限 | 54万6,600円 |
| 1か月あたりの支給上限額 | 36万6,222円 |
| 賃金月額の下限 | 9万6,090円 |
金額は2026年8月1日改定の公式表で確認しました。上限と下限は、毎年8月1日に見直されます。休業前の賃金が月30万円の方なら、1か月あたり約20万1,000円(30万円×67%)が目安です。
休業中に賃金が支払われた場合
休業中に勤務先から賃金が支払われる場合は、その額も計算に入ります。賃金と給付金の合計が「賃金日額×支給日数」の80%を超えると、超えた分だけ給付金が減ります。賃金だけで80%以上になる場合は、その月の給付金は支給されません。
介護休業の給付率は期間を通じて同じ。社会保険料は別に納める
育児休業給付金は休業開始から180日まで給付率67%(一定の要件で出生後休業支援給付金の上乗せあり)ですが、介護休業給付金は期間を通じて67%です。また、育児休業中は社会保険料の免除制度がありますが、介護休業中は社会保険料の免除はありません。休業中も健康保険料・厚生年金保険料の本人負担分をどう納めるか、勤務先に確認してください。厚生労働省の仕事と介護の両立資料
93日を3回まで分けて使える
介護休業給付金は、同じ対象家族について、通算93日を限度に3回までの介護休業が支給対象になります。
- 93日を1回でまとめて使うことも、たとえば「入院時に30日、退院後の体制づくりに30日、看取り期に33日」のように分けることもできます
- 介護の初期(介護保険の申請、ケアマネジャーとの調整、施設探し)に短く使い、残りを取っておく使い方が想定されています
- 対象家族が別の人であれば、その家族についてあらためて93日・3回が対象になります
93日は、介護と仕事を続けるための体制をつくる期間として使います。介護が長期化するときは、93日間の休業に加え、地域包括支援センターへの相談や介護保険サービスの利用を組み合わせてください。
カネさんの視点:長く続く介護に、休みやすさと申請の支援を
給付があるのは助かるけれど、介護が長く続く人もいるので、93日だけで十分とは限らないと思います。
会社には、介護のために休みやすくすることや、働き方の調整を求めたいです。
行政には、制度の分かりやすい案内と、申請の支援を求めたいと思います。
休業を申し出た後、給付金の申請時期を確認する
給付金は、原則として勤務先(事業主)を通じて申請します。本人が自分で申請することもできます。
- 勤務先に介護休業を申し出る(休業の初日と末日を明らかにして申出書を提出)
- 介護休業を取得する
- 休業終了後、勤務先経由でハローワークに支給申請する
- 審査後、指定口座に振り込まれる
申請期限は、各介護休業の終了日(休業が3か月を経過したときは介護休業開始日から3か月経過した日)の翌日から起算して、2か月を経過する日の属する月の末日までです。たとえば10月10日に休業を終えた場合、期限は12月31日です。
申請期間を過ぎても、2年の時効内なら相談を
定められた申請期間を過ぎた場合でも、介護休業給付金は2年の時効が完成するまで申請できます。厚生労働省の案内では、休業を終了した日の翌日から起算して2年を経過する日が時効の終点です。提出漏れや会社の手続き遅れがあった人は、あきらめず勤務先とハローワークへ相談してください。支給要件の確認は必要で、通常の期限内に申請するのが原則です。厚生労働省「申請期限と時効」
勤務先と本人で、申請書類を用意する
- 介護休業給付金支給申請書(払渡希望金融機関指定届つき)
- 被保険者が勤務先に提出した介護休業申出書
- 対象家族の氏名・続柄・性別・生年月日等が確認できる書類(住民票記載事項証明書等。マイナンバーの届出により省略できる場合があります)
- 休業の開始日・終了日、休業中の休業日数が確認できる書類(出勤簿・タイムカード等)
- 休業中に支払われた賃金が確認できる書類(賃金台帳等)
出勤簿や賃金台帳など、多くの書類は勤務先が用意します。本人が準備するものは担当者に聞きましょう。対象家族との続柄を確認する書類は、本人側で用意することが多い書類です。
まとまった休業と、日・時間単位の休暇を使い分ける
表は横にスクロールできます。
| 制度 | 内容 | お金の支給 |
|---|---|---|
| 介護休業(+介護休業給付金) | 対象家族1人につき通算93日・3回まで休業 | 雇用保険から賃金の67% |
| 介護休暇 | 対象家族1人につき年5日(2人以上は年10日)、時間単位でも取得可 | 賃金の扱いは勤務先の規定による(無給の会社もあります) |
| 介護のための時短・残業免除など | 選択的措置義務・所定外労働の制限など | 給付はなし |
「病院の付き添いで1日休む」なら介護休暇、「介護の体制づくりのためにまとまって休む」なら介護休業+給付金、という使い分けが基本です。
勤務先に支給される両立支援等助成金は、本人の介護休業給付金とは、申請する人も制度も違います。本人が受け取る給付とは分けて確認してください。
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公的資料
制度・金額の確認日:2026年10月8日。支給額の上限・下限は毎年8月1日に改定されます。個別の支給可否は、勤務先を管轄するハローワークが判断します。
有期契約・退職予定の条件と、休業終了を含む期間の扱いは、2026年10月8日に補足しました。
更新履歴
- 2026年8月27日:初回公開。2026年8月1日改定後の上限額・下限額で作成。
あわせて確認したい手続き(政経プラスの姉妹サイト)
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