情報確認日:2026年10月15日
労災で治療したケガや病気が症状固定した後も、対象の傷病・障害等の条件を満たす人は、アフターケア手帳を申請し、指定医療機関で所定の診察・検査等を無料で受けられます。所属事業場を管轄する都道府県労働局へ申請してください。申請期限は傷病ごとに異なり、更新できる手帳も期限の1か月前までに手続きが必要です。
「治った」は完全に元どおりという意味だけではなく、治療を続けてもそれ以上の効果が期待できず症状が安定した状態を含みます。
労災の治療終了後、再発等を防ぐための制度
厚生労働省は、アフターケアを再発や後遺障害に伴う新たな病気の予防、社会生活を支えるための制度と説明しています。診察、保健指導、所定の処置・検査を傷病ごとの範囲で行います。
対象はせき髄損傷、人工関節・人工骨頭置換、精神障害等20種類です。ただし病名が一覧にあるだけで、全員が対象になるわけではありません。業務・通勤等の災害、労災給付、障害等級、症状固定後の医学的な必要性など、傷病別の条件を確認します。厚労省・制度案内
たとえば人工関節・人工骨頭置換では、業務・通勤災害で置換し、所定の障害給付を受けるか受ける見込みがあり、医学的に早期の実施が必要と認められることが条件です。
心理的負荷による精神障害では、労災の療養給付等を受けて症状固定し、抑うつ・不安、意欲低下等の所定の後遺症状についてアフターケアが必要と認められることが条件です。労災の認定前や、治療継続中の費用を、この手帳で一括して支払う手続きではありません。
新規申請の期限と、手帳の有効期間は起算日が違う
次は現行案内の一部です。新規申請期間は治った日の翌日から、新規手帳の有効期間は交付日から数えます。
| 傷病の例 | 新規申請期間 | 新規手帳 | 更新後 |
|---|---|---|---|
| せき髄損傷 | いつでも | 3年 | 5年 |
| 頭頸部外傷症候群・頸肩腕障害・腰痛 | 2年 | 2年 | 更新不可 |
| 人工関節・人工骨頭置換 | いつでも | 3年 | 5年 |
| 精神障害 | 3年 | 3年 | 1年 |
「いつでも申請できる」傷病でも、交付された手帳が無期限という意味ではありません。また、傷病によって同じ病名の中でも区分があるので、表にない傷病は公式一覧を使ってください。2026年6月改訂案内・掲載13頁
申請する人は、主治医・労働局へ、症状固定日、傷病名、障害等級や給付状況を伝えます。日付が分からないまま自己計算で期限を決めず、労災の決定書等を用意して確認してください。
手帳の交付申請をし、受診の都度提示する
新規の基本書類は「アフターケア手帳交付申請書」です。労働局・労働基準監督署、厚労省の請求書ダウンロードから入手できます。傷病コード、治った日、住所、年金証書番号等は該当する欄を記入します。労災関係の様式入口
提出先は住所地の市役所ではなく、所属事業場を管轄する労働局長です。転居や退職後に申請する場合も、管轄と送付先を労働局に確認しましょう。審査後、交付・不交付の通知が送られ、交付された手帳で受診します。
受診先は労災保険指定医療機関、薬剤の支給は労災保険指定薬局です。窓口でその都度手帳を提示し、受診結果を所定欄に記入してもらいます。手帳を持たずに、一般の保険証だけを示して無料診療になるとは考えないでください。
手帳による負担なしの範囲は、実施要領に定められたアフターケアです。他の病気の治療、対象外の検査・薬まで、すべて無料になる制度ではありません。症状が悪化し治療が必要になった場合は、主治医と労働局・監督署へ伝え、治療再開等の扱いを確認します。
更新は有効期間満了日の1か月前まで
更新できる場合は、「アフターケア手帳更新・再交付申請書」と、原則として更新に関する診断書を提出します。主治医に依頼する時間を見込んで準備しましょう。
せき髄損傷、人工関節・人工骨頭置換、ペースメーカ・除細動器、人工弁・人工血管の所定区分では診断書は不要です。ただし更新申請まで不要になるわけではありません。
案内には、満了日の1か月前までの更新期限を超えると更新は認められないとあります。自宅に届く満了通知と手帳の日付を確認し、転居時の住所変更も忘れないでください。更新不可の傷病は、継続受診を自己判断せず医療者へ相談します。
通院費にも申請があり、距離・受診先の条件がある
アフターケアの通院費は、自宅・勤務先から原則片道2km以上で、同じ市町村、隣接市町村、または所定の最寄り医療機関へ通院する条件があります。2km未満でも、病状のため交通機関等の利用が必要な場合は対象になることがあります。
請求は「アフターケア通院費支給申請書」と、必要に応じ領収書等を労働局へ提出します。鉄道・バスの運賃等を申請内容から算定できる場合は、額の証明書類が不要です。発生した翌月から5年を経過すると請求できないと案内されており、月次で記録を保管しましょう。
申請できないと言われたときの確認
新規・更新の不交付では、通知の理由、対象傷病、症状固定日、期限、医学的要件を確認します。公式フローでは、決定を知った翌日から3か月以内に厚生労働大臣へ審査請求できると案内しています。個別の提出方法・期限は通知を示して労働局へ問い合わせてください。
主治医は医学的な必要性、労働局は対象・手帳・通院費の手続きの確認先です。給付の案内だけで通院を減らさず、必要な医療と費用の手続きを並行して進めましょう。
参照資料
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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

