情報確認日:2026年10月15日
安定した仕事や就労収入の増加によって生活保護が必要なくなる世帯は、福祉事務所へ「就労自立給付金」を申請できる場合があります。世帯単位の一時金で、単身世帯は2万〜10万円、複数世帯は3万〜15万円が支給額の範囲です。辞退届を出しただけでは対象になりません。保護を終える前に、担当ケースワーカーと支給要件・計算・申請日を確認してください。
仕事を始めた人だけでなく、収入が増えた人も対象になり得る
この給付金は、保護終了後に生じる税・社会保険料などの負担を踏まえ、新しい生活を支える制度です。厚生労働省の支給通知では、おおむね6か月以上、最低限度の生活を維持するために必要な収入を得られる見込みなどを確認します。
対象となる事由には、安定した職への就職、事業の開始、既に働いている人の就労収入の増加、他の収入がある世帯で新たな就労収入を得ることが含まれます。正社員だけに限定されず、雇用の形態ではなく、収入と継続の見通しが判断されます。
「半年働いてからでなければ申請できない」という意味ではありません。雇用契約や収入の見込みから、保護を必要としなくなるかを福祉事務所が判断します。仕事が見つかった時点で相談を始めると、終了時の手続きにつなげられます。
一方、取扱い通知は、保護の辞退による廃止や、世帯員の転出による基準額の減少だけで保護が不要になった場合などを対象外としています。給付金を受けるために無理に保護を終える手続きを先に進めないでください。
2024年10月以降は「基礎額+収入による額」で計算する
2024年10月適用の改正通知と厚生労働省の説明資料・印刷11頁では、次の方法です。古い説明にある「一律2万円・3万円を足す」計算だけでは、現在の基礎額を正しく表せません。
まず、算定対象期間は、保護を必要としなくなったと認められた月から起算する前6か月間が基本です。月の初日に保護が不要となった場合や、一定の保護停止期間がある場合には、対象月の取扱いを個別に確認します。
次に、その期間中、最初に就労収入があった月から保護廃止までの月数によって、下表の基礎額を用います。
| 月数 | 単身世帯の基礎額 | 複数世帯の基礎額 |
|---|---|---|
| 1か月 | 4万円 | 5万円 |
| 2か月 | 3万2,500円 | 4万2,500円 |
| 3か月 | 2万5,000円 | 3万5,000円 |
| 4か月 | 1万7,500円 | 2万7,500円 |
| 5か月 | 1万円 | 2万円 |
| 6か月 | 2,500円 | 1万2,500円 |
基礎額に、算定対象期間の就労に伴う収入として認定された額から、勤労に伴う必要経費として認定された額を除いた「就労収入額」の10%を加え、上限と下限を適用します。給与の額面や通帳への振込額を、そのまま計算の基礎にするわけではありません。勤労に伴う必要経費などの扱いを含む認定額を、福祉事務所に確認してください。
例えば、単身世帯で基礎額が2万5,000円に当たり、必要経費を除いた算定対象の就労収入額の合計が30万円なら、2万5,000円+3万円=5万5,000円です。これは条件を置いた計算例です。世帯内で複数人が働く場合や月途中の終了などは、実際の認定記録によって算定します。
廃止前に申請書、契約書、収入資料を確認する
申請先は、生活保護を担当する福祉事務所です。保護を終える直前に申請し、廃止決定時またはその後速やかに支給するのが基本とされています。自動的に振り込まれると思わず、所定の申請書と提出日を確かめます。
確認に使う資料には、次のものがあります。
- 氏名・住所、保護を必要としなくなる事由等を記した申請書。
- 給与明細、収入申告書など、就労収入の状況を示すもの。
- 賃金、労働時間、契約期間、就業場所、業務内容が分かる雇用契約書等。
- 自営業なら、売上げ・仕入れ・必要経費などを記録した帳簿。
既に提出した書類で確認できる場合、同じものを重ねて提出する必要はないとされています。申請書の作成が困難な特別の事情があるときは、口頭の陳述を聴いて対応する規定もあります。体調や障害などの事情も担当者へ伝えてください。
決定は書面で通知されます。標準処理期間は原則14日以内、収入調査など特別の事情がある場合は30日以内とされています。申請の控えを残し、連絡がないときは受付日、不足資料、決定予定を確認します。
期限、再支給、保護終了後の支払いも相談する
支給を受ける権利は2年で時効となり、取扱い通知は起算点を保護の廃止日としています。ただし、原則は廃止直前の申請です。通知や振込みを待っている間に不明点を放置せず、担当福祉事務所へ早めに連絡してください。
再支給は、前回受給から原則3年間の制限があります。倒産・事業廃止などやむを得ない事由に当たる場合の例外では、離職理由を確認できる資料が必要です。病気など自己都合による場合まで、すべて例外になるわけではありません。
保護終了後は、勤務先の社会保険に入るのか、国保等の手続きが必要か、受診時の負担、家賃や税の支払いがいつ始まるかも確認します。この給付金は所得税法上の一時所得に当たるため、他の一時所得もある人は税務上の扱いを確認してください。
就職後に失業や収入減で再び生活が成り立たなくなったときは、給付金の再支給制限とは別に、生活保護や生活の相談をしてください。再申請まで3年間待たなければならないという意味ではありません。
参照資料
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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

