情報確認日:2026年10月14日
雇用保険の受給資格がある人が、ハローワーク等の紹介による就職や、指示された公共職業訓練のために引越す場合は、「移転費」を受けられることがあります。通勤が往復4時間以上など、住所変更が必要とハローワークが認める条件があります。引越し代を払えば全額返る制度ではないため、住居・交通手段を決める前に雇用保険窓口へ相談します。
自分で探した仕事への引越しが、すべて対象になるわけではない
対象は、雇用保険の受給資格者等が、ハローワーク、制度上の特定地方公共団体、職業紹介事業者の紹介した仕事に就くため、またはハローワーク所長が指示した公共職業訓練等を受けるために、住所・居所を変更する場合です。
求人サイトで見つけて本人が直接応募しただけの場合と、職業紹介事業者が職業を紹介した場合は、手続き上の扱いが違います。紹介状や紹介の証明を残します。雇用期間が1年未満の仕事や、季節ごとに循環的な雇用をするのが慣行となっている場合などは除外されます。
雇用保険の待期期間が終わった後に就職・訓練受講が決まることも条件です。職業紹介の拒否等による給付制限を受けた場合は、その期間を終えた後であることが必要です。本人の受給状況、紹介日、就職・訓練開始日を窓口へ一緒に示します。ハローワークの移転費の要件
通勤の不便さは、具体的な時刻と条件で示す
ハローワークが住所変更を必要と認める主な条件は、次のいずれかです。
| 条件 | 相談時に示すもの |
|---|---|
| 通勤・通所が往復4時間以上 | 旧住所、勤務地、交通経路、所要時間 |
| 始発・終発が悪く、通勤等に著しい支障 | 始業・終業時刻、利用できる便 |
| 事業所等の特殊性・事業主の要求で移転が必要 | 勤務条件、事業主の説明等 |
「遠いから引越す」という説明だけで支給が決まるわけではありません。交通費計算に用いる経路や距離も、制度上の確認を受けます。転居先を先に契約した人も、旧住所からの通勤条件や紹介の経緯を窓口へ伝えます。
就職先・訓練施設等から移転に要する費用が支給されないこと、またはその額が移転費に満たないことも条件です。会社の引越し補助・就職準備金の名称、額、支給予定日を確認し、重複する費用を申告します。厚生労働省の現行移転費リーフレット
対象費用は交通費・移転料・着後手当。見積額の全額払いではない
移転費は、鉄道賃・船賃・航空賃・車賃、移転料、着後手当で構成されます。交通費は旧住所から新住所への通常の経路・方法により算定され、移転料は計算の基礎となる距離や家族の随伴に応じた所定額です。
引越し業者に払った実費を、見積書どおり全額補填するものではありません。敷金・礼金、家具・家電等を一括して請求できると考えず、算定の対象項目をハローワークへ確認します。領収書・経路・家族の移動日など、窓口が求める資料をそろえておきます。
着後手当は、親族を随伴しない場合3万8,000円、する場合7万6,000円が基本で、交通費計算の基礎となる鉄道距離等が100km以上なら、それぞれ4万7,500円、9万5,000円です。これは着後手当の額で、移転費全体の総額ではありません。
家族分は、生計を維持している同居親族かを確認する
家族の交通費等について対象になるのは、受給資格者の収入によって生計を維持されている同居の親族を随伴する場合です。親族であれば別居の家族を含めて、誰でも追加できるわけではありません。
一緒に移る人の氏名・続柄、これまでの同居、生計の維持状況を申請先へ説明します。家族が別の日に移る場合や、本人だけ先に就職する場合は、随伴として認められる範囲と日程を事前に相談します。家族分を含めるためにどの証明が必要かを確かめてから、住民票等を取得します。
申請は移転日の翌日から1か月以内、転居先のハローワークへ
通常の提出期限は、移転した日の翌日から起算して1か月以内です。提出先は移転先の住所・居所を管轄するハローワークです。紹介を受けた元のハローワークと違う場合があるので、引越し前に双方の担当・連絡先を確認します。
主な提出資料は移転費支給申請書と雇用保険受給資格者証等です。親族の随伴がある場合は、同居親族で生計を維持されていることを示す資料を添えます。特定地方公共団体・職業紹介事業者の紹介の場合は、紹介状の写しや職業紹介証明書等も必要です。
窓口で受け取った申請書に、紹介・就職・移転の日、会社からの費用支給、家族の情報を記入します。提出した書類の控えと受付日を残し、足りない資料の取得先を担当に確認します。通常の1か月を過ぎた場合も、自己判断で諦めず、申請可能な扱いを早く相談します。
決定後にも、就職先の証明を返送してもらう
支給決定書・移転証明書等を受け取ったら、就職先の担当へ提出します。事業主が就職したことを証明し、交付したハローワークへ返送する手続きがあります。本人が書類を受け取って終わりではないため、会社側の担当者と返送予定を確認します。
紹介された職業に就かなかった、指示された訓練を受けなかった、実際には移転しなかった場合は、支給された移転費の返還が必要になる扱いです。内定取消し・就職先変更・引越し延期があったら、支給決定前後を問わず窓口へ知らせます。
面接の旅費や再就職手当とは、別の申請として整理する
面接のための遠方への移動には「広域求職活動費」、一定の早期再就職には「再就職手当」など別制度があります。移転費の申請だけで、ほかの給付も自動的に支払われるわけではありません。厚生労働省の各制度の案内
相談時は「雇用保険の移転費を使って就職のための転居をしたい」と伝え、紹介の対象、移転の必要性、会社補助との差額、家族分、提出先と期限を一度に確認します。引越し契約と制度申請を並行させると、転居後に紹介証明や旧住所の交通資料を探し直す負担を減らせます。
参照資料
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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

