離婚や離婚協議に伴う別居で父母の生計が別になっている場合、児童手当は原則として子どもと同居する人が優先されます。ただし、別居すれば必ず切り替わるわけではありません。単身赴任など、生計が同じまま住所だけ異なるケースとは区別します。
現在の振込口座を変える手続きと、手当を受け取る人を変更する認定請求は別です。相手名義の受給を自分名義の口座に振り替える、という理解で進めず、市区町村の児童手当担当に「受給者を変更したい」と伝えてください。
- 子どもが実際に誰と暮らしているか。
- 離婚済みか、離婚協議中か。生計が別になっているか。
- 現在の受給者と申請先、切替え後に支給対象となる月。
離婚に伴う別居と、仕事の都合の別居を分ける
表が画面に収まらないときは、表の中を左右にスクロールして確認できます。
| 状況 | 確認の軸 | 窓口へ伝える内容 |
|---|---|---|
| 離婚済み・離婚協議中の別居 | 子との同居と生計の実態 | 別居開始日、子の居所、離婚協議を示す資料 |
| 単身赴任等で同一生計 | 生計を維持する程度等 | 送金や生活費の負担、帰宅・同居の状況 |
| 住民票と実際の居所が異なる | 形式だけでなく実態 | 住民票を移せない事情と、実際の生活状況 |
判断の基本はこども家庭庁の児童手当Q&Aに示されています。子と同居している側の収入が低い場合でも、離婚協議中の別居で生計が別という条件の確認が先になります。「元の受給者のほうが収入が高いから変更できない」と自己判断しないでください。
離婚協議中だと、どのような資料を確認される?
公式Q&Aでは、離婚協議の申入れを示す内容証明郵便、調停期日呼出状、裁判所の事件係属証明書などが確認資料の例として挙げられています。どの資料なら足りるかは、現在の事情を申請先に説明して確認しましょう。離婚前だから申請相談ができない、ということではありません。
書類の題名だけを探すより、離婚に向けた協議の状況と、父母・子どもの生活の実態を時系列にすると説明しやすくなります。学校や保育園の資料を全国共通の必須書類と考える必要はありません。同居や居所の説明に使えるかを担当者に確認してから準備します。
離婚協議の書類が用意できないとき
公式Q&Aは、離婚協議を証明する書類の入手・提出が難しい場合、配偶者からの申立書などを提出し、自治体がその内容を配偶者に確認できれば、離婚協議中として扱える場合があると案内しています。必要な確認方法を窓口へ相談してください。DV等で相手への連絡に危険がある場合は、その事情を先に伝えます。
出典:こども家庭庁「児童手当Q&A:配偶者と別居している場合」(Q4〜Q9)。
相談のために相手と直接連絡することが難しい場合は、その事情を窓口に伝えます。DV等で住所を知らせられない場合は、通常の住所変更の話だけで進めず、安全確保に関わる事情と郵送先の扱いを先に確認してください。
受給者の変更は、次の順で確認する
- 市区町村へ切替えの相談:子の居所、現在の受給者、離婚・協議・別居の状況を説明する。
- 認定請求と添付資料を確認:相手側の受給に関する手続きも含め、自治体間の確認が必要か聞く。公務員の場合は勤務先の手続きも確認する。
- 支給対象月を確認:現在の受給者に支給される最後の月と、自分に支給される最初の月を、それぞれ担当者に聞く。
- 本人名義の振込先等を準備:受給者変更用の口座書類、本人確認、その他の必要項目を自治体の案内に沿ってそろえる。
- 決定後の通知・入金を照合:認定月と振込日を分けて確認し、見込みと違えば通知を持って相談する。
児童手当は一般に申請時期が支給開始に関係します。離婚日まで待つ、必要資料が完璧になるまで待つ、とせず早めに相談しましょう。出生・転入時の「15日」の案内を、そのまま離婚別居のすべてのケースに当てはめないでください。自分の事由でいつまでに何を出すかを確認することが大切です。
支給月と振込日を混同しないためのメモ
「今月口座を変えたのに、次の振込が相手へ入った」という場面では、振込に含まれる対象月を確認します。口座の変更日だけでは、どの月の手当が誰に支給されるかは分かりません。相手に入金された手当の扱いについても、自治体で変更履歴を確認したうえで、必要なら法律相談につなげます。
- 自治体に相談した日と認定請求を受け付けた日。
- 旧受給者の最終対象月、新受給者の開始対象月。
- 追加資料の提出期限と、審査中の連絡先。
- 決定通知の日付、振込予定日、実際の入金額。
現況届と住所変更も、受給者変更後に確認する
現況届は原則不要ですが、離婚協議中で配偶者と別居している人や、DV等で住民票と異なる市区町村から受給している人などは、引き続き提出が必要です。毎年6月1日の状況を確認する届出なので、受給者変更後も、自治体の提出期限と必要書類を確認してください。未提出の場合は6月分以降を受けられなくなるため、案内が届かない場合も担当窓口へ連絡しましょう。
出典:こども家庭庁「児童手当制度のご案内」(認定請求・現況届)。
よくある質問
離婚が成立するまで受給者変更はできませんか?
離婚協議に伴う別居で生計が別になっている場合も、子と同居する人が優先される扱いがあります。協議の状況と同居の実態を示して申請先に確認します。
子と同居していますが、住民票はまだ相手の住所です
原則として、配偶者と住所を異にして離婚協議中等であることが必要です。同じ住所でも世帯分離をしていれば、別居として扱われます。配偶者が子を監護していない場合なども、個別の状況によって受給できる可能性があります。DV等で住民票を移せない場合には、別の資料で確認する方法があります。
住民票担当と児童手当担当へ事情を伝え、必要な手続きと資料を確認してください。
出典:こども家庭庁「児童手当Q&A:配偶者と別居している場合」(Q4〜Q9)。
相手からの養育費があれば、生計は同じになりますか?
離婚協議中(離婚済みを含む)で別居している場合は、生活費や養育費を受け取っているかどうかにかかわらず、子どもと同居する側が児童手当を受け取れる扱いです。児童扶養手当の養育費申告とは別です。受給者変更の手続きと資料は申請先に確認してください。
出典:こども家庭庁「児童手当Q&A:配偶者と別居している場合」(Q4〜Q9)。
関連記事
公式資料・確認日
制度・自治体資料の確認日:2026年10月12日。自治体の実施条件は、記事中で示した地域の例と、申請先の最新案内を分けて確認してください。


