この記事の情報基準日:2026年10月8日
3行でわかる結論
- 住宅ローンで家を買うと毎年の税金が安くなる「住宅ローン減税(住宅ローン控除)」は、2030年12月31日までに住み始めた人まで対象に延長されました。
- 2026年からは、省エネ性能の高い中古住宅の支援が手厚くなり、控除を受けられる期間が13年になりました。
- 一方で、省エネ性能が低めの新築や、災害の危険が高い場所の新築は、だんだん対象外になります。
ひとことで言うと
住宅ローンは、家を買うために銀行などから借りるお金です。住宅ローン減税は、その年の年末に残っているローンの0.7%分を、所得税(引ききれなければ住民税の一部)から差し引いてくれる仕組みです。
スマホ料金の「ポイント還元」を想像するとわかりやすいかもしれません。ただし戻ってくるのはポイントではなく、本来払うはずだった税金です。そのため、納めている税金より多くは戻ってきません。
計算例として、年末のローン残高が2,000万円なら、2,000万円×0.7%=最大14万円です。その年の所得税が10万円なら、10万円は所得税から、残りは一定の上限まで住民税から差し引かれます。
2026年から何が変わったの?
住宅ローン減税は、2025年末で期限が来る予定でした。2026年3月31日に成立した法律で、次のように見直されました。
| 項目 | 2026年以降に住み始める場合 |
|---|---|
| 使える期間 | 2026年1月1日〜2030年12月31日に入居した人(5年延長) |
| 省エネ性能の高い中古住宅 | 借入の上限額を引き上げ、控除期間を10年→13年に |
| 子育て世帯・若い夫婦 | 中古住宅でも借入上限の上乗せが使えるように |
| 床面積 | 40平方メートル以上に緩和(中古住宅にも拡大) |
| 省エネ基準に合うだけの新築 | 2028年以降に建築確認を受けるものは対象外(登記上の建築日付が2028年6月30日までなら対象) |
| 災害リスクの高い区域の新築 | 2028年以降に入居する場合は対象外(建て替え・中古・リフォームは対象) |
「子育て世帯・若い夫婦」とは、19歳未満の子どもがいる人や、夫婦のどちらかが40歳未満の人のことです。また床面積40平方メートルの緩和は、所得が1,000万円を超える人や、子育て世帯の上乗せを使う人には当てはまらず、50平方メートル以上が必要です。
なぜ中古住宅を応援するの?
理由は大きく3つです。
- 家の値段が上がっている:新築は手が届きにくくなり、中古を選ぶ人が増えています
- 人口が減り、空き家が増えている:今ある家を上手に使うほうがよいという考え方です
- 省エネを進めたい:断熱性能の高い家を増やすと、光熱費もCO2も減らせます
反対に、大雨や土砂崩れの危険が高い場所に新しく家を建てることは、税金で応援しない方向になりました。「どんな家でも応援する」から「これからの時代に合う家を応援する」へ、考え方が変わっているのです。
どうやって使うの?
- 1年目:自分で確定申告をします(会社員も必要です)
- 2年目以降:会社員なら、勤め先の年末調整で手続きできます
- 毎年、銀行から届く「年末残高証明書」が必要になることがあります(最近は提出を省ける場合もあります)
1年目の確定申告を忘れると、その年の分は戻ってきません(後から手続きできる期間はあります)。家を買った次の年の2月〜3月は、確定申告の季節だと覚えておきましょう。
注意したいポイント
- 借入の上限額や控除の期間は、「新築か中古か」「省エネ性能」「子育て世帯かどうか」で細かく分かれています。自分の場合は、国土交通省の表や不動産会社で確認してください
- 控除で戻るのは「納めた税金の範囲」までです。収入がそれほど多くないと、最大額までは戻らないことがあります
- 2026年は「178万円の壁」で所得税そのものが下がっているので、所得税から引ききれない分は住民税から引かれます(住民税にも上限あり)
まとめ
住宅ローン減税は2030年の入居まで続きます。これからは「省エネの中古住宅」「子育て世帯」が手厚く、「省エネ性能が低い新築」「災害リスクの高い場所の新築」は対象外になっていく、という大きな流れをつかんでおきましょう。
あわせて読みたい
参考資料
- 国土交通省「住宅税制(令和8年度税制改正)」
- 国土交通省「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました!」
- 国土交通省(別紙1)令和8年度住宅税制改正概要(PDF)
- 税研情報センター「令和8年度税制改正による「住宅ローン控除」の見直し」
更新履歴:2026年10月8日 公開

