失業や減収で家賃が払えない人、安い住まいへ移りたいのに引越し費用を出せない人は、住居確保給付金を相談できます。毎月の家賃を支える家賃補助と、家計を改善するための転居費用補助があります。
自治体が審査・支給する、国の生活困窮者自立支援制度に基づく給付です。適正に受給した場合は返済不要です。
相談先は、現在住んでいる地域の自立相談支援機関です。
確認日:2026年10月8日。転居費用補助は2025年4月に始まりました。厚生労働省の制度拡充資料
毎月の家賃と引越し費用を支える二つの補助
表は横にスクロールできます。
| 困っていること | 支援 | 支給の考え方 |
|---|---|---|
| 失業・減収で今の家賃を払えない | 家賃補助 | 地域・世帯人数の上限と収入に応じた家賃額 |
| 転居で毎月の支出を減らせるが初期費用がない | 転居費用補助 | 必要と認められた対象経費の実費。地域別上限あり |
| 両方とも難しい | 両制度の利用可否を相談 | それぞれの要件を確認 |
給付金は原則として、自治体から家主や管理会社、運搬会社などへ支払われます。本人へ一律の現金を渡す制度ではありません。
利用する人は、立て替える前に支払先と支払時期を窓口へ確認してください。
家賃補助は、退職していない人も対象になり得る
主な対象は、家計を主に支える人が離職・廃業して2年以内の世帯です。本人の責任や都合によらず、収入を得る機会が離職・廃業と同程度まで減った世帯も対象になり得ます。
パートや自営業者も、働きながら利用できる場合があります。
利用には、世帯収入、預貯金などの資産、求職活動などの要件を満たす必要があります。
収入基準は、地域の基準額と家賃額(上限あり)を合わせた額です。預貯金の基準も地域と世帯人数で異なり、国の案内では基準額の6か月分、最大100万円です。
預貯金100万円は全国共通の上限です。実際に使う基準額は、住んでいる地域と世帯人数に応じて相談先へ聞いてください。厚生労働省の家賃補助案内
家賃補助の期間は原則3か月。延長の要件を満たせば最長9か月です。
支給額は、地域の住宅扶助基準をもとにした上限と収入で決まります。家賃の全額が出ない場合もあり、共益費や駐車場代は対象外です。
利用する人は、求職活動の状況などを報告します。国の案内では、自立相談支援機関との面接は月4回以上、ハローワークの職業相談は月2回以上、企業への応募は原則週1回以上です。
自営業者は求職申込みに代えて、事業再生の活動を行える場合があります。自分に必要な活動を窓口で決めてください。対象者・費用のFAQ
転居費用補助は、家計相談で必要性を確認してから
転居費用補助は、世帯員の死亡、離職、休業などで収入が著しく減り、転居によって家計の改善が見込まれる世帯を支えます。
収入・資産などの要件に加え、家計改善支援の相談が必要です。この相談で、転居の必要性と費用を用意することの難しさを確認します。
家賃が下がる転居のほか、職場や病院へ近づいて交通費が減る場合なども、支出全体の改善を相談できます。相談する人は、家賃、交通費、通院費、光熱費などをメモして持参してください。
家賃補助の求職活動条件は、そのまま転居費用補助に当てはまるものではありません。
福岡市は、収入が著しく減った月から2年以内などの要件を示しています。大阪市も、家計相談の結果として転居が必要と認められることを要件にしています。物件の契約、引越しの発注、支払いを進める前に相談するのが大切です。福岡市の案内、大阪市の案内
礼金は対象。敷金・前家賃・家具購入は対象外
| 費用 | 転居費用補助での扱い |
|---|---|
| 家財の運搬費 | 対象 |
| 礼金、仲介手数料、家賃債務保証料、住宅保険料 | 対象 |
| 原状回復費、鍵交換費 | 対象 |
| 敷金、契約時の前家賃 | 対象外 |
| 家具・家電・設備の購入費 | 対象外 |
上限は転居先の自治体の住宅扶助基準などをもとに決まります。現在の自分の家賃を3倍した額ではありません。対象経費の合計、制度上の上限、自分で用意する額を別々に確認してください。
すでに契約や支払いを済ませた人は、日付と領収書を示し、どの費用が補助の対象になるか窓口へ相談してください。後から必ず補助されるという扱いではありません。
相談のときは、支払日と世帯全員の収入・資産を伝える
相談先は厚生労働省の窓口一覧から探せます。
相談する人は「次の家賃が払えない」「引越しで支出を減らしたい」と伝え、申請書類と相談日時を確認してください。
準備する資料は、本人確認書類、離職・廃業や減収が分かる資料、世帯の給与・年金・給付などの収入資料、通帳などの資産資料、賃貸借契約書です。
転居費用補助では、物件や運搬費の見積書、家計の資料なども必要になります。
相談後に申請すると、自治体が審査し、決定を経て支給します。福岡市は、必要書類がすべて提出されてから入金まで1か月程度と案内しています。
この期間は福岡市の目安で、全国一律に即日入金される制度ではありません。申請する人は、自分の地域の所要期間と、支払いに間に合うかを確認してください。
申請には離職・減収の時期などの要件があり、延長にも手続きが必要です。
利用する人は、支給終了直前まで待たず、窓口から示された申請日と報告日までに手続きしてください。書類が足りないときは、代わりの資料や追加提出を相談できます。
今日の食費まで足りない人、住まいを失いそうな人は、生活費の支援一覧と生活保護も合わせて窓口へ相談してください。
相談前に埋めておくメモ
相談で伝えることを整理できるよう、次の項目をスマートフォンのメモや紙に書き出してみてください。これは給付金プラスが整理した相談用メモで、自治体の申請書ではありません。
住んでいる市区町村:
同居し、生計を同じくする人の人数:
離職・廃業した日、または収入が減り始めた月:
世帯の直近の月収と、減収前の月収:
世帯の預貯金額:
家賃/共益費/駐車場代:
次の家賃の支払日、滞納の有無:
転居を考えている場合の見積額と、契約・支払いの予定日:
家賃補助では、共益費や駐車場代を家賃と分けます。収入を合計する世帯は、原則として同居し、生計を同じくする人です。内縁の配偶者(婚姻届を出さず夫婦として暮らす相手)と同居し、生計を同じくする場合も、その収入を含めます。住民票や家計の状況が異なる人は、窓口で個別に確認してください。厚生労働省の対象費用・世帯収入の説明
窓口で聞くことを、家賃と転居で分ける
- 家賃を支払えない場合:自分の地域・世帯人数の収入基準と家賃上限、支給が始まる月、家主への支払いに間に合うかを確認します。
- 転居したい場合:契約や支払いの前に、家計改善の相談が必要か、見積書のどの費用が対象か、自己負担はいくら残るかを確認します。
- 両方困っている場合:二つの補助をそれぞれ相談したいと伝えます。一方が利用できるから、もう一方も自動的に使えるわけではありません。
申請書類がそろわない場合も、その事情と支払期限を先に伝えてください。メモに書いた金額だけで支給の可否は決まりません。相談先は厚生労働省の申請・相談窓口一覧から探せます。
相談用メモ・費用と世帯の説明の確認:2026年10月26日。


