生活費、医療・介護や引越しの費用、子どもの進学費が足りない人は、生活福祉資金を相談できます。低所得世帯などを対象とする、公的な貸付制度です。
給付金ではなく、原則として返済が必要です。 相談・申込みは、住んでいる市区町村の社会福祉協議会へ。国の制度をもとに、都道府県社会福祉協議会が実施しています。
貸付とあわせて、家計や生活を立て直すための相談支援を受けます。全国社会福祉協議会「福祉の貸付制度」
確認日:2026年10月8日。以下は通常制度の説明です。新型コロナの特例貸付は2022年9月末で申請受付を終了しました。特例で借りた人の返済・免除の相談は続いていますが、現在の新規申込みとは別です。厚生労働省の特例終了案内
使い道に合う資金と貸付上限を確認する
表は横にスクロールできます。
| 必要な費用 | 主な資金 | 貸付上限の目安 |
|---|---|---|
| 急な一時的な生活費不足 | 緊急小口資金 | 10万円 |
| 失業などから生活を立て直す費用 | 総合支援資金の生活支援費 | 単身月15万円、2人以上月20万円 |
| 療養・介護・修繕・転居など | 福祉費 | 使い道ごとに設定。全体上限580万円 |
| 高校・大学などの修学・入学 | 教育支援資金 | 学校別月額+就学支度費50万円 |
| 高齢者の持ち家を担保にした生活費 | 不動産担保型生活資金 | 不動産評価と資金区分による |
社会福祉協議会は、世帯の収支・資産、他制度の利用、費用の使い道、返済見込みを審査します。表示された上限まで、自動的に借りられる制度ではありません。厚生労働省「貸付条件等一覧」
対象は低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯など
対象は、必要な資金をほかから借りることが難しい低所得世帯(市町村民税非課税程度)、障害者手帳を持つ人などがいる世帯、65歳以上の高齢者がいる世帯です。
資金ごとの条件も確認してください。教育支援資金は低所得世帯向けで、すべての資金をこの3区分の人が一律に使えるわけではありません。
借金返済や遊興費のための借入れは対象になりません。継続的な収入不足で返済の見込みを立てられない人は、生活保護などの給付と相談支援も検討します。厚生労働省の対象世帯
緊急小口資金は通常10万円、無利子・保証人不要
緊急小口資金は、緊急かつ一時的に暮らしを維持できないときの少額貸付です。上限は10万円で、無利子・連帯保証人不要です。
返済を待ってもらう据置期間は、貸付日から2か月以内。その後12か月以内に返済するのが基本です。
相談する人は、医療・介護費の支払い、給与の盗難・紛失など、急にお金が足りなくなった事情を社協へ伝えてください。振込までの時間も確認します。
今日の食費がない人は、その緊急性も伝えてください。「緊急」という名前でも、相談当日の貸付を保証する制度ではありません。
被災地向けの特例を利用する人は、その特例の限度額などを確認してください。通常制度とは条件が異なります。古いコロナ特例の「20万円」を、現在の通常制度へ当てはめないようにします。
総合支援資金は生活費、入居費、一時的な再建費を支える
生活支援費の上限は、単身で月15万円、2人以上で月20万円です。貸付期間は原則3か月、最長12か月です。
敷金・礼金などの住宅入居費は40万円以内、一時生活再建費は60万円以内です。
一時生活再建費で借りられるのは、就職に向けた技能習得、滞納した公共料金の立替え、債務整理に必要な費用などです。借金そのものを返済するお金とは分けて確認してください。
保証人ありは無利子、なしは年1.5%です。生活支援費の据置期間は最終貸付日から6か月以内、返済期間は据置後10年以内です。
自立相談支援機関などの支援を受け、生活を立て直せる見込みを確認します。家賃には返済不要の住居確保給付金が使えないかも相談してください。
福祉費は療養・介護・修繕・転居など、目的別の上限がある
福祉費の上限は、使い道ごとに確認してください。全体の上限は580万円で、主な使い道の目安は次のとおりです。
| 用途 | 上限の目安 |
|---|---|
| 生業のための費用 | 460万円 |
| 技能習得と期間中の生計費 | 6か月130万円、1年220万円、2年400万円、3年以内580万円 |
| 住宅の増改築・補修など | 250万円 |
| 福祉用具購入 | 170万円 |
| 障害者用自動車の購入 | 250万円 |
| 療養、介護・障害福祉サービスと生計費 | 原則170万円。期間などの条件により230万円 |
| 災害で臨時に必要な費用 | 150万円 |
| 冠婚葬祭、転居等、就職等の支度、一時費用 | 用途ごと各50万円 |
技能習得、療養、介護の金額は、必要な期間などによって分かれます。保証人ありは無利子、なしは年1.5%。据置期間は原則6か月以内で、返済期間は使い道に応じ3〜20年以内が目安です。
利用する人は、契約・工事・購入の前に見積書を用意し、対象となる費用を社協へ相談してください。厚生労働省「福祉費対象経費の上限目安額等」
教育支援資金は無利子。高校から大学の学費を相談できる
教育支援費の月額上限は、高校3万5,000円、高専・短大6万円、大学6万5,000円です。特に必要と認められる場合は、各上限の1.5倍まで借りられます。
入学時の就学支度費は50万円以内です。
教育支援資金は無利子です。外部の連帯保証人は不要ですが、世帯内の連帯借受人が必要です。
卒業後6か月以内の据置期間を経て、20年以内に返済します。
進学する人は、合格通知・学費請求書、世帯収入の資料、他の奨学金の申請・採否などを用意し、進学前に社協へ相談してください。JASSOの貸与奨学金・機関保証や返済不要の修学支援、ひとり親向けの福祉資金など、利用できる制度が優先される場合があります。支払済みの費用や他制度と重なる費用の扱いも社協へ確認してください。
不動産担保型は、相続や契約終了時の返済まで確認する
不動産担保型生活資金は、低所得の高齢者世帯が一定の居住用不動産を担保に、生活費を借りる制度です。一般枠の上限は土地評価額の70%程度、月30万円以内です。
利率は年3%または長期プライムレートの低い方で、推定相続人から保証人を選ぶ扱いです。
借受人の死亡や限度額への到達などで貸付が終わり、契約終了後3か月以内の据置を経て返済します。
利用を考える人は、住宅を残す場合の返済資金、相続人の同意、利息を含む残高を確認してください。住宅の種類や共有の状況などにも条件があります。
要保護世帯向けには別枠があり、土地・建物評価額の70%程度(集合住宅は50%)、生活扶助額の1.5倍以内、保証人不要などの違いがあります。福祉事務所と社協へ相談してください。
市区町村社協へ、支払期限の前に相談する
- 社協に必要な費用、支払期限、世帯収支を伝える。
- 返済不要の制度、他の貸付、必要額と返済計画を相談する。
- 申込書、本人確認、住民票、収入・資産、見積書などをそろえる。
- 必要な面談や民生委員の確認を経て、都道府県社協の審査を受ける。
- 決定後に借用書等を提出し、送金と返済日程を確認する。
福祉費・教育支援資金を申し込む人は、まず市区町村社協へ申込経路を確認してください。原則として民生委員を経由しますが、事情に応じた扱いもあります。
障害者手帳、療養の診断書、住宅修繕の図面など、追加で用意する資料は資金によって異なります。
申込む人は、契約・購入を先に進めてよいか、申請期限に間に合うか、必要な資料を社協へ確認してください。入金までの日数は全国一律ではありません。
返済が難しくなった人も、延滞する前に貸付を受けた社協へ連絡してください。


