親の突然の失業や病気で学費が苦しくなった学生は、在学校の奨学金窓口へ相談してください。日本学生支援機構(JASSO)の給付奨学金「家計急変採用」は、急変した人の現在の収入状況を基に審査し、通常の春・秋の募集を待たずに申し込めます。
給付奨学金は原則返還不要です。在学中に事情が起きた場合は、事由発生日から原則3か月以内の申請が必要です。学校には「誰に何が起きたか」「発生日」「次の学費の支払期限」を伝えてください。
制度確認日:2026年10月8日。2026年度案内と2026年9月4日版Q&Aを確認しています。学校内の締切・書類の提出方法は在学校の案内に従ってください。
死亡・3か月以上の就労困難・非自発的失業などが対象
「生計維持者」は学生の家計を支える人で、通常は父母などです。JASSOが指定する事情と、証明書類の両方を確認します。
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| 起きた事情 | 主な対象条件 | 証明書類の確認先 |
|---|---|---|
| 家計を支える人の死亡 | 生計維持者が死亡 | 学校へ戸籍・住民票除票等を相談 |
| 事故・病気 | 生計維持者が3か月以上就労困難 | 診断書・休職証明等の必要記載を学校へ |
| 失業 | 非自発的失業の指定条件に該当 | 雇用保険受給資格者証等の離職理由を学校へ |
| 災害 | 死亡・就労困難・失業や、行方不明等で世帯収入が大きく減少 | 災害と急変事由を示す資料を学校へ |
| 暴力等からの避難 | 学生本人が父母等の暴力等から避難 | 事情に対応する証明書を学校へ |
失業は離職理由で判断します。正当な理由のある自己都合退職でも指定の離職理由に当たる場合があります。「自己都合」の言葉だけで諦めず、証明書を学校に見せてください。
定年退職、収入減を伴わない支出の増加、離婚そのもの等は、この家計急変採用の指定事由と異なります。再就職や起業等で申請時点に事由が解消している場合も対象外です。
出典:JASSO「家計急変採用の申込資格」、2026年度家計急変採用案内。
原則3か月以内。進学前に起きた事情は対象期間も確認する
在学中に事由が発生した場合は、その日から原則3か月以内です。病気なら診断書に書かれた就労困難の開始日など、事由により起算日が違います。診断書を頼む前に必要な記載内容を学校へ確認しましょう。
進学前に事由が発生した場合は進学後3か月以内が基本で、2026年4〜9月進学者は2024年1月以降、2026年10月〜2027年3月進学者は2025年1月以降、いずれも進学前月までに発生した事情が対象期間です。高専4年次では進学を進級に読み替える扱いがあります。
通年募集でも個々の申請期限があります。事由の日付と、学校側の書類・入力の締切を同時に聞いてください。相談しただけでは申込みは完了しません。
期限の出典:JASSO「家計急変採用の申込み方法」から案内・Q&Aを確認できます。
第Ⅰ区分なら私立・自宅外で月75,800円の例がある
次の表は、大学・短大・専門学校の通常の課程で、第Ⅰ区分に該当する場合の月額です。審査で決まる支援区分と学校・通学形態により実額が変わります。
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| 学校の区分 | 自宅通学 | 自宅外通学 |
|---|---|---|
| 国公立 | 29,200円 | 66,700円 |
| 私立 | 38,300円 | 75,800円 |
生活保護を受ける生計維持者と同居する人など、自宅通学の額に例外があります。高専・通信教育課程は別の金額です。自宅外通学には所定の要件・証明があり、実家と住所が違うことだけでは判定されません。
出典:JASSO「給付奨学金の支給額」。
急変した人以外の所得と、世帯の資産も審査される
急変した生計維持者は、申請時の収入資料等から年間所得を見積もる方法で判定します。急変していない生計維持者と学生本人の所得も含めるので、親1人の現在の収入だけでは支援額は決まりません。
2026年10月〜2027年3月にスカラネット入力が完了する場合、急変していない人・学生本人については、2025年所得に基づく2026年度住民税情報を使います。
資産は申込時点の学生本人と生計維持者の合計で5,000万円未満が基準です。現金、預貯金、投資信託等が含まれ、土地・建物は対象外です。負債と相殺する計算はしません。多子世帯の授業料等減免には別の取扱いがあるため、学校へ併せて確認してください。
対象は大学、短大、高専4年次以上、専修学校専門課程等の対象機関です。学力、入学時期、国籍・在留資格等の要件もあります。大学院の学生向け制度とは異なります。
学校に相談して、証明・入力・授業料の手続きを進める
学校の担当から自分の事由に合う書類一覧を受け取ります。急変の事由の証明、急変後の給与明細等の収入資料、学校から指定されるマイナンバー関係、スカラネット入力を進めてください。
病気では就労困難の開始日、3か月以上の期間、申請時にも継続していること等を診断書で示す必要があります。会社員の場合には勤務先の休職証明等も関係します。
授業料の支払が迫っている場合は、学校へ納付猶予・分納、授業料・入学金減免の申請も同時に相談してください。奨学金の相談をした日に入金される制度ではありません。
受給中の人は「変更」の手続き。通常採用と並行申請はできない
通常の給付奨学金を受けている人も、家計急変により支援区分の変更を申請できます。家計急変の扱いに変更すると元の通常採用に戻せないため、現在の支援額と変更後の取扱いを学校へ確認してください。通常募集と家計急変採用の並行申込みも認められません。
通常採用の毎年10月の見直しは、給付奨学金の支援区分見直しの記事で説明しています。
採用後も報告が必要。対象外なら通常給付や貸与を相談する
家計急変採用では、採用後も原則3か月ごとに収入資料を提出し、支援区分を見直します。一定期間の確認後は年1回の見直しとなる扱いがあります。所得の回復等で支給が止まる、額が変わる場合があるため、学校からの案内を確認してください。
指定事由に当たらない場合も、通常の給付奨学金の募集、学校独自の給付・減免、貸与奨学金の緊急採用・応急採用を学校に相談できます。貸与は返還が必要で、給付とは対象事由・利子・保証・返済条件も異なります。
貸与はJASSO「緊急採用・応急採用の申込資格」、他の学費支援は教育・進学費の支援一覧、親の病気による収入減は傷病手当金の記事も参考にしてください。


